17.間
あっけなく終わってしまったサヤカとケイの戦い。複雑な終わり方をしてしまい、互いにどう話すのか。
視点は変わりサヤカへと戻す。
* * *
どの位意識を失っていたんだろう。
目を開けるとそこには木の梁が映った。
(あれ? 外にいたはずじゃ……)
意識の奥底を掘り起こして振り返る。
ケイの攻撃をかいくぐって旗の前に辿り着いて、確か手を伸ばして取ろうとしたはず……。
で、そこからの記憶がないのよね……。
(ってこと、は……)
状況を整理できてきて、その結論に至る。
(そっか……、私は、私は……)
「負け……」
「起きたか?」
「えっ?」
急に右から声を掛けられ、ちょっと驚く。
「あっ、ケイ……」
見てみるとケイが不服そうな顔で私を見つめていた。
「「……」」
目が合うと二人ともに無言になってしまう。あまり無言が長く続くと、気まずいんだけどなぁ……。
「はぁ、ったくよ。お前は本当に訳が分かんねぇよな」
何故かため息をつかれた。
「ど、どういう意味?」
「そのまんまの意味だ。予想外の攻撃をしてきたかと思ったら、物操力を使い過ぎるんだから、そりゃ訳が分からねぇって話だよ」
悩まし気な顔で伝えてくるけど、いまいち掴めない。
「何が言いたいの? 勝ったくせにぐだぐだ言ってさ……」
「だから、途中で物操力が切れるほど使ってんじゃねぇってんだ、よっ!」
「わっぷ!」
すると目の前がいきなり暗くなり、私の上半身を何かが覆う。
「な、何すんのよ!」
そう言って被せられたものを外して見てみた。
「あっ、えっ?」
それはさっきまで私達が追っていた旗。
「な、何でこれを……?」
いきなり投げつけてくる意味が分からなくて、迫るように問いただす。
「まぁ、いやその、なんだ」
ケイは少しだけ頬を染めしどろもどろになり、右頬をかいたかと思うと意を決したかのように話し出す。
「よ、要するに、あの勝負は正直お前に俺は圧倒されたんだ。なのに、お前は旗の目の前で倒れるんだから、勝った気がしないって話だよ!」
要は、ケイからするとあの勝負は勝っていないということらしい。
「えっ、でも、それも含めて私の負けだよね……?」
「戦場だとそうだし、まぁ殺されるか捕虜になるな。でもよ……」
腕組みをして頭を捻って言葉を出そうとする。
「ま、散々文句言ったけどよ、お前の力も努力も熱意も分かったからな」
意を決して私の方を向き、偉そうに語り出した。
「それで、その……」
で、何でかまた口ごもるんだ。
「何よ、はっきり言えばいいじゃない」
さっきからお茶をとことん濁してくるところが気に食わなくて、単刀直入に突っ込んでみる。
「~~~~……!」
あまり突いて欲しくなかったのか、顔を真っ赤にして歯を食いしばり、絞り出すように言葉を放った。
「だ、だからよ! お前のことを認めるって言ってんだよ! こ、このぐらい分かれってんだ!!」




