11.割って入った人物の意見
互いに大きな技で戦いを終わらせようとするが、そこに待ったの声がかかった。
現れたのは一体……?
響き渡った女性の声に驚いたのか、サヤカの撃った銃弾は俺の右へと大きくそれる。
城の方向から人影が近づいてきた。
「なかなか凄い時間戦っているね二人とも。若いって良いもんだね」
そう言いながらやって来たのは、サヤカと一緒にいたおばさんだ。
微妙に技の後が残っていたが、気にもせず俺らとの距離を縮める。
(おいおい、この状況で普通に割って入るのかよ……)
見た目自体は恰幅が良い、どこにでもいそうな普通のおばさんだが、雰囲気はどう見てもただ者じゃない。
(ちっ、命拾いをしちまったぜ……)
そんなおばさんに助けられる形となり、少し唇を噛んだ。
「ちょっと湊さん、もう少しで勝てそうだったのに!」
サヤカは好機を逃したのを分かっていて、湊と呼ばれたおばさんに文句を言っている。
「まぁ確かに、彩夏ちゃんは良い感じに追い詰めていたけど、最後どこを狙っていたの?」
「えっ? 頭ですけど……」
うんうん、と頷いてサヤカの意見を肯定するかに見えた。が……。
「良かったねぇ。もし頭をに当たっていたら、この子死んでいたかもしれないよ?」
「……!」
その言葉でサヤカの表情が青ざめる。
「全く、模擬戦闘なんだから、そこまで追い詰めなくても良かったのに、本気になりすぎたみたいだね二人とも」
腕組みをして軽くため息をついた。
「ちょっと待ってください」
だが俺は納得いかない。
「ここで命を落としたところで、俺が弱かっただけですよ? 何で止めたんですか?」
本気で殺し合うぐらいの勝負をしていたんだ。
俺としては殺されても仕方ないと思って、覚悟を決めた戦いだった。
「特にあなたには関係ないはず。止める権限はないのでは?」
別の理由だが俺は俺で文句を言っていく。
「おぉ、見上げた死生観だねぇ。若いのに達観しているもんだ」
何でか褒められた。
「だけどね……」
「うっ……!」
と思いきや、突然の殺気が俺の呼吸を止める。
「あんたの目的はここで死ぬことじゃないでしょ? 沙恵をしっかり護ることを目的として呼び寄せられているはず」
鋭い視線を浴びせられ、俺は一つも身体を動かすことができなかった。
「なのに、この模擬戦で死ぬことを本望としているのなら、沙恵の意向に思いっ切り反するよね? それを沙恵が望んでいると思っているの?」
「……」
ハッとさせられた。
「ということで、一旦勝負の方法を変えるよ。それに互いに一刻(2時間)も戦い続けて体力もだいぶ消費しているだろうから、とりあえず休戦してね」
その睨む目からは、提案を受け入れる以外の選択肢は残っていない。
「分かりました……」
それはサヤカもしっかり感じ取っていて、先に返事をする。
「……はい」
俺もその一言にただただ従うしかなかった。




