10.追い詰められて
戦いにおいては一枚上手のケイ。
ところが上手く放ったはずの小刀を地面に叩き落とされるどころか、同時に銃弾をショットされる状況に。
その高等テクを乗り切れるのか?
小刀を落としながらの銃撃。
それは並の人間ではできない技だ。
(いや! どんだけ戦い慣れしてんだよ!?)
「くっ!」
とっさに身体を倒して弾を避ける。
瞬間、サヤカは一気に距離を詰めて、反撃に転じてきた。
(3カ月で学べる戦い方かこれ!?)
幼いころから戦闘慣れしているとしか言えない戦い方に、こちらが少し焦る。
「んなろっ!」
だがこっちも修羅場は多く潜り抜けている。
起き上がることも考え、腕を支点に足を思いっ切り上に振り上げる。
「わっ!」
その動きを見て驚いてはいたが、サヤカは咄嗟に距離を取った。
と思ったらすぐさま銃弾を放ってくる。
(隙すら与えねぇって、どんな訓練してきたんだよ……)
思わずふっと口元が緩んでしまったが、引き締めてまずは銃弾を避ける。
(少し勝負を急ぐことにはなるが、しゃあねぇ)
俺は一旦身体を縮め、そして開放するようにして腕を広げた。
[熱き魂で焼き尽くせ”焼熱球”!]
詠唱するとまさに焼けるような熱球が、周りを包んでいく。
(さぁ、これでお前は水で自分を囲まないと大やけどを負うぞ! どうする?)
俺の炎は俺自身の物操力が尽きない限り、いつまでも炎は広がり、中に入っても熱波が続くため耐えられないことが多い。
ただ、大技だ。
先程まで結構使ったから、そこまで長くは続かねぇ。
だが……!
(それで構わねぇ。お前の操力消費も相当なもののはず。だからこそ、仕掛けて詰めて、最後に負けを認めさせるんだよ!)
しっかりと段取りは持ってやっている行動だ。
さぁ、どんな行動で出るか楽しみだな!
と思って待つと……。
「もうちょっと周りを考えて力を使ってもいいんじゃないかな!? もう!」
[全てを押し流す大河となれ”広流水”!]
文句を垂れたかと思ったら、その流れで範囲の広い技を使ってきやがった!
「人のこと言えなくねっ!?」
反論を返したものの、まさかの叩き潰すような水の量に流石に焦った。
(この炎を出したまんまは流石に動けねぇ!)
すぐさま自分の技を解除して、自分の素早さを活かし間一髪で洪水から逃げる。
逃げた先で体勢を立て直そうとしたが、先に銃口を突きつけられていた。
(やべ! 逃げることに必死になりすぎた)
まさかの状況に少し動きが鈍り、その銃口を見ることしかできなくなってしまう。
(動けねぇ! くそ、ここで終わらせるわけには……!)
少し諦めかけた、その時――。
「一旦止め!!」
女性の鋭い声が戦いの場に響き渡った。




