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8.ケイの応え

 自分の気持ちを見透かされ、それが行動にも表れたことによりサヤカから罵倒を受けたケイ。

 その気持ちに心打たれた彼はどう解答していくのか。

「ふっ……」

 思わず自虐的な笑いが込み上げてきてしまった。

「何がおかしいの! 私をまだ見下す気!!」

 そう言われても仕方はない。俺にしか分からない感情だからな。

「いや違う。お前に対して笑った訳じゃねぇから気にするなよ」

「?」

 疑ってかかるのも分かるがもう少し信じてくれよなぁ……、と言いたいが、そうならないのも今まで接した態度からして無理だろう。

「正直に話すよ。俺は確かにお前を下に見て、お前のやってきたことを全て無駄だと思っていた」

「正直に話されても、むかつくだけなんだけど……!」

「今さっきまで、はな」

 一言間に入れてから一呼吸置いて、改まった気持ちで、いや、新たな気持ちで沙耶かと向き合う。

「お前の覚悟を持った言葉を知って、俺は自分の考えが凄く恥ずかしくなった。何考えてんだと思ったわ」

 そして、今までだって片手で数えるほどもしてきてない動作をすることとなった

「本当に申し訳なかった……」

 自分より経験の浅い、だが大きな覚悟を持って今日やってきた彼女に対して、深々と頭を下げた。

「えっ!? ちょっと! なに急に!?」

 サヤカが戸惑うのも無理はない。

 俺自身もまだ自分の行動に戸惑っているぐらいだ。

 でも、偽ることのない精いっぱいの気持ちを表した。

「えぇ~……。なんか急にそんな感じになると、逆にやりづらくなるなぁ……」

 おっとそれは困るぞ。

 頭を一先ず上げ、サヤカを見る。

 戸惑いを顔に貼りつけて、おおよそ作戦じゃないかと疑っているぐらいに警戒しているみたいだ。

「大丈夫だ。もう油断も見下したりもしない。その代わり……」

 一つ深呼吸を挟み、気持ちをしっかり入れ替えてから――。

「全力で行かせてもらうぞ……!」

 一睨み利かせた。

 空気が変わったことに気付いたのか、サヤカも身構えて準備をする。

「やっと本気になってくれたのは嬉しいけど、まさかここまでなんてね……」

 苦笑いで応えるが、雰囲気はかなり俺と近いものになった。

「じゃあ、勝負再開で良いね?」

「もちろん、そのつもりだ」

 さて、なめてた俺は全て排除しようか。

 ここからは本気で行かせてもらうぞ。

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