6.水と火
バトルが始まり最初に仕掛けたのはケイ。
だが、それに対抗するべく、サヤカは身に着けた物操力を繰り出す。
(いきなり何て量の物操力で攻撃してきやがる!)
受けたら無事では済まされない攻撃に、俺は戸惑いつつも対処を考える。
だが、あいつをもう一度よく見ると、この攻撃だけではない別の要素も加えようとしていた。
(両手が近づいてきている……!!)
この水はたいして重要じゃない。
恐らく前を塞いで俺を銃で仕留めるのが目的なのだろう。
実際、前後左右の逃げ道は断たれた。
(はっ、無い知恵絞って考え出したのがこれか?)
確かに並の魔人なら、逃げられずに撃たれているのかもしれない。
(だからこそ、なめるなと言いたいわ!)
[我が炎を解き放て”熱波”!]
身体から炎を吐き出し、迫りくる水に向かって飛び込む。
その様子を見ていたサヤカは少し驚いたが、ならばと全力でぶつけにきた。
「火は水に弱いって思ったか! その常識、粉々に砕いてやるよ!!」
嘲笑って顔を腕で覆いながら水に入った瞬間、周囲からジュワッという音が聞こえ、そのままその水の空間を抜け出た。
(不意は付けた!)
身体全体を覆っていた炎を消し、そのまま一直線にサヤカの方向へと走る。
(この速さと機転ではいくら何でも反応できまい!)
今度は何も纏わず、小細工をせず、攻撃をすることにした。
がしかし……。
「くっ! ちょこまかと鬱陶しい男ね!!」
そんな言葉を発したと思ったら、出していた水を切り、こっちに銃口を素早く向けて撃ってくる。
「何っ!?」
俺は慌てて後ろへ飛び、銃弾から逃げる。
(あ、あり得ねぇ……。素人がそんな素早く反応できんのかよ)
不意を突けたと思っていただけに、この反撃は予想外だった。




