5.最初の攻防
遂に始まってしまったサヤカとケイの譲れない戦い。
まず最初に仕掛けるのは……。
「おら! 速攻で片付けさせていただくぜ!」
先手必勝で俺は目にも留まらぬ速さで、サヤカへと突っ込んでいく。
(どんな訓練を受けてきたかしらねぇが、そんな簡単に成長できるはずがねぇ!)
[我が炎を纏え”火着”!!]
そう唱えると俺の小刀が一瞬にして炎を纏った。
俺は火を操る火属の人間。
だからこうして炎を自由に操れるのさ。
「泣いて詫びやがれ!!」
そして更に距離を縮めて、サヤカに飛び掛かる。
「そんなに……」
予定だったが、不意にサヤカが何かを言い出した。
「そんなに簡単に倒せると思われていたことが、物凄く腹立つんだけど!」
急に怒り出したサヤカが腰から何かを素早く取り出し、こちらに向けてくる。
(なっ……! あれって!)
間違いない短銃だ!
迷いなく俺の身体に向けて撃つ気満々でいやがる!
――パァンッ!
そして躊躇うことなく一発を発砲してきた!
「チッ!」
俺はやむなく体勢を変え、右に避ける。
その後は十分な距離を取って、サヤカの周りを反時計回りに、緩急をつけながら動くことにした。
(余裕ぶっかまし過ぎて、武器まで確認しちゃいなかった……)
近接が得意なだけに、遠距離武器は少々苦手だ。
特にあの手の短銃は、装填が速いだけに体勢を崩されてしまう。
(完璧に叩きのめすには、まず確認が大事だったのによ)
とにかく戦いの初手は反省点の多いものとなった。
だが、そんなことに気を取られる暇はない。
(銃ということは、動き続けなければならないな……)
照準を合わされないように動きつつ、隙を見て攻撃を仕掛けるしかない。
それか弾切れまでやるかだが……。
(俺は元々そんなに体力がある方じゃないからな……)
戦いにおいては相手より足が速い自信があるため、先に速い攻撃で相手を圧倒してから仕留めるが、今回は最初に大きくしくじったから消耗戦になるだろう。
(あいつの体力がどこまであるか知らんが、長引かせるとしんどくなるのは俺の方か)
現にあいつは今一点に留まり、銃を向けながら俺の行動をしっかり追っている。
(くそ、あいつ無駄撃ちだけはしない気だな!)
それならこちらからもう一回仕掛けて、どんな戦い方をするのか様子を見るべきだ。
一先ずそう考えてから、サヤカの行動を確認する。
(あっ?)
すると、いつの間にか左手を上げて、銃は右手で支えているだけになっていた。
(一体何を……?)
一瞬の懸念が頭によぎった時――。
[石をも穿て”水撃”!!]
詠唱と共に左手から勢いのある水を出してくる。
「私の周りをチョロチョロ動いてんじゃない!!」
そう言って俺の動きと反対である時計回りで、その水をぶつけてこようとしてきた!
お待たせしました!
ここからバトルですよ!!




