表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

77/93

2.違和感

 この3カ月、抜かりなく準備をしていたケイ。

 さて、いよいよ久しぶりの対面となるが、ケイは何か異変に気付く。

(はっ、良く逃げずにここまで来たもんだな)

 恐くて逃げることも考えていたが、その度胸もないと見た。

 土下座して泣いて謝れば、戦わずに済むから楽なんだが。

(ちょいと調理してやるか。結果は目に見えてんだからよ)

 自分から迎えに行くことはしない。

 どうせ仲間になれやしない。

 だから俺は、この場所で待つことにする。

(どうせまだ甘っちょろい表情でも浮かべているだろうし……)

 そう思い、俺はやってきた奴の顔を見て、そして、言葉を無くした。

(……同じ、だよな?)

 3カ月前は幼く、線も細く、覚悟もなさそうな顔で、俺に正気とは思えない喧嘩を売ってきていたが、今日は随分と違う。

 細身だった身体つきは明らかに筋肉がしっかりついている。

 纏う雰囲気も臨戦態勢で、いつ戦いが起こっても対処できるようなたたずまい。

 何より表情は覚悟を決めた顔だった。

(いやいや、まさかそんな3カ月で変わるわけないしな……)

 そう自分に言い聞かせるようにして、俺は奴が来るのを待つ。と――。

「サヤカ!」

 隣で待っていたマックスが、嬉々として向かって行った。

「あっ、()()()()! この間は手合わせありがとうね」

(はっ?)

「うううん、こっちも身体がしっかり動かせたから、良かったよ!」

(はぁっ!?)

 会話の内容を聞いていると明らかに驚くべき内容だった。

「おい待て」

 思わず声をかけてしまう。

「何?」

 反応したのはマックスの方だ。

「さ、さっきからお前ら何でそんな仲良さそうに会話してんだ?」

 何とか平静を保とうとしたが、少しだけ声が上ずってしまった。

「あっ、ケイには言ってないんだっけ?」

 とぼけているのか分からないが、思い出したかのようにマックスは語り出す。

「僕は2カ月前から、たまにサヤカと訓練していたんだよ。二人が戦う間は僕だけ暇じゃん? だから、暇な時だけサヤカの所に行って、一緒に戦ったんだよね」

「じゃあ、マックスって名前はもしかして……?」

「うん! サヤカがつけてくれたんだ!!」

 合点がいった。

 こいつは俺に内緒でこの女と会っていて、あまつさえ模擬戦もやっていたということだ。

 そういえばこの2カ月、度々マックスがどこかへふらっと出かけて、数刻が経った後ふらっと帰ってくることがあった。

「お前、どっちにもつかないんじゃないのか……?」

 強さにおいてはマックスの力を認めている。

 ただ、どちらにも肩入れしないと思っていたため、裏切られたような気分だった。

「えっ? 別に味方しているわけじゃないよ?」

「サヤカの所に行っているってことは、あの女を強くするってことじゃねぇかよ!」

 少しだけすごんで問い詰めたが、マックスはそんなこと言われてもと困惑している。

「僕は暇だったから暇つぶしになればいいなと思って、サヤカの所に行っただけだよ? 勿論、戦う時は遊びじゃなくて真剣にやっていたけど、別にそれだって自分のためだし」

 その目からは嘘をついている気配は感じない。紛れもない本心だ。

(いや、だからと言って、この3カ月でここまで変わるか……?)

 流石に歴戦を渡り歩いた俺の目は、間違いなく奴の実力不足を見抜いていたはず。見間違えるはずはない。

 少し考え事に頭を巡らせていると、いつの間にか目の前にあの女が――サヤカがいた。

 割と溜めるかもです。

 バトルはもう少々お待ちくださいね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ