2.呼ばれた理由
異世界に舞い戻ってきたサヤカ。
呼ばれた理由が気になるが、果たして?
今日はお店を休みにしているということで、来てからすぐにお城へ向かうこととなった。
急に休みにして大丈夫なんですか? と聞いたら、不定休だからいつものことだとお客さんも思うよ、と気にする様子はないみたい。
そして服装は前に着たピンクの長襦袢をまた着させてもらった。
鎌足夫妻も3日前と同じ格好でお城へと向かう。
というのも、一応行く名目として野菜を運ぶからなんだって。
カモフラージュでもないけど、怪しまれないためにそういう口実を作っていたらしい。
いつの間にやらと思ってしまった……。
そんなことは置いといて、またもや馬車で揺られながら城に向かう。
今日も青空が空を覆っていて、雲一つない晴天。
また昼間だから人通りもこの間より多くて、鎌足夫妻がいなかったらどうなっていたんだろうと、想像して少しビビってしまった。
でも、そんな不安は一瞬で霧散してしまった。
理由は単純。湊さんに色々と地球での生活を聞かれたからだ。
結構興味津々だったので、私も楽しい所だけを話していく。
そんな会話を車内でしていると、いつの間にやら城の前に到着。
同じように門衛たちから聞かれたので、今度ははきはきと自分の身分を話した。
と思う……。
まぁ、無事に通れたのでOKだったんじゃないかな?
そして許可が下り、門扉が開かれてまた厨房の方へ進んで行……。
「サヤカー!」
こうとして門が閉まった途端、あの阿呆は馬車を目掛けて走って来た。
この間は城の内部で待っていたのに、今日は庭に出てきている。
とても皇女とは思えない……。
「あの、何で沙恵がここにいるんですか……?」
恐る恐る湊さんに尋ねてみる。
「あの子、絶対に待ち切れてなかった感じだね……。たぶん、今の今まで扉の近くにいた感じだよ……」
「えぇ……」
飢えているのか単純にアホなのかはさておき、ある程度の距離から馬を脅かさないように歩いてきたサヤカは、走る馬車に少し勢いをつけて飛び乗ってきた。
「えっ! 乗ってくるの!?」
「おばさんダメ?」
「もう乗っているんだから今さら許可もへったくれもないよ」
「やったー」
嬉しそうな顔で無理矢理な許可を取ると、私の隣へ堂々と座ってくる。
「やっと来てくれた! 待ち遠しかったよ~!」
「たった3日で!?」
「されど3日じゃん! 女の子とこんなに対等に話せるなんて、夢みたいだったからね~」
「そ、そうなんだ、それは嬉しいな……」
照れ照れしてるねぇ……。チョロ過ぎないかな?
ただ、私もこの2日はあまり授業に身が入ってなかったから、ちょっと浮かれていたかもしれない。
あれだけの体験をすれば、そりゃあまた行きたい気持ちを抑えられないよね。
沙恵ほどじゃないけどさ……。
「そ、そうだ!」
再会できて少し喜んでいたけど、私は大事なことを思い出して沙恵に聞く。
「何で今日、私を呼んだのか教えて!」
ちょっと前にも言ったけど、呼ばれた理由は全然聞かされていない。
何故か秘密にさせられたんだよね。
沙恵はしばし考えて、急にポンと握り拳を作って手の平を叩いた。
「あぁそうだ! そうだったね!」
「因みに、秘密にする必要はあったの?」
「あんまりないかな?」
「じゃあ何で秘密にしたの!?」
当然のツッコミである。
「いやぁ、何かあの時はね、話す気になれなかったのよ。何となぁく、焦らしたかった、みたいな?」
「そんな理由で私はこの日まで聞かされなかったの!? すっごく馬鹿らしく感じるんだけど!!??」
「ご、ごめんごめん。ちょっと私もからかい過ぎたかも……」
両手を合わせて謝ってくる沙恵に毒気を抜かれて、私は怒る気をなくしていった。
「もう、次はきちんと話してほしいんだからね」
「うん、気を付けるよ……」
少しすまなそうな顔をしたので、私はとりあえず気持ちを落ち着け、本題に戻すことにした。
「で、今日の目的は?」
「あぁ、そうだね。今日はサヤカにとって大事な人達に会ってもらいたいんだ」
「大事な人達?」
上官とか、先輩とか、そんな感じなのかな? と思いつつ、沙恵の次の言葉を待つ。
「そう、サヤカにとってこれから大事になってくる人達。いわゆる、仲間になる子達の紹介ね」
あえて引っ張ります!




