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4.被害者の背景

(集団でいじめてた……!?)

 同じことを思った私達はさっと顔を上げ反応し、じっとケイを見つめる。そんなに見つめられても、とか言いたそうな顔で私たちを見まわし、一つ息を吐いてから再び話題に戻る。

「図書館でさ、何となぁく20年前って何があったかなぁと思って色々調べていたら、気になる記事があってさ。それが、この中等校で集団的ないじめがあって、総勢15人もの生徒が書類送検された上に退学処分にされたっていう記事で……」

 紙面上に指さしで確認を取り、再び口を開いた。

「顔は非公開だけどさ、その当時を知っている人にちょっと質問したら聞いた名前がいくつかあって、そんでもってこの名簿を見ていると、その中の二人は赤丸で囲ってあるから、あぁ、この事件ってそれ関連なんだと思ってさ」

 その発言に私たちは目を丸くした。事件を知っていたこともそうだが、その背景にある加害者の名前を一度聞いただけで把握しているこいつの無駄記憶力にも驚く。

「んでもって、後聞いた名前の4人はまだ生存しているから、その人たちを守ればいいかなぁって。ちょうどこちらも人数一緒だし、一か所ずつ付けば可能でしょ?」

 言う通りである。しかし、分かったところで別の問題が出るのが必然というもので。

「じゃあ、その人たちはどこにいるのか分かる? 散らばっていたら、それこそ見つけるのは厳しくない?」

「それは大丈夫。住んでるところ聞いたら、みんな神都に暮らしているって言ってたから、警察にでも聞いたらすぐに見つかりそうだよ」

 まぁ引っ越しさえしてなければね、と私の質問をあっさりと論破して、何故か得意げな顔をするケイ。

「あんたも大概、犯罪臭のすることするよね……」

 私は内心イラッとして、顔も歪んでいるのだろうけど、何とか心を平穏な状況に戻し、三人に告げる。

「了解。では、今から支度して犯人確保に向かおう。みんな大丈夫?」

「「「大丈夫」だ」だよ」

「じゃあ、1時間後に居間に集合で。解散」

 こうして、今日の仕事内容が決まった。私も準備をするために席を立つ。

(何としても今日中に解決しないとね……)

 まだ時間は早いから、しっかりと準備できる時間がある。万全には整えておきたい。

 と、自室の前まで来たとき、後ろから何故か足音が聞こえた。

 大体の予想をつけて振り返ってみると、案の定、イチが中腰の姿勢で指をワキワキと動かしながら向かってきていた。

 一つ溜息を吐き出し、笑顔を作り(こめかみには怒りマークを付けながら)気持ち悪い顔をしたイチに質問した。

「…………何してんの?」

 すると、イチの背筋がいきなりピンと立ち、真顔になって……。

「愚問だな。お前の下着姿を拝む以外、何を目的とす……ぐふぉあっ!」

 色欲に負けた残念イケメンは、しばらくそのあたりに腹を抱えてうずくまっていたとか。


 あっ、支障が出ないようには蹴り込んだから安心してね!

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