新手のストーカーにもほどがある
入ってきたのは高校生くらいの女の子だった。
というかここ二階なんだけど……
「うん、とりあえず、とりあえず聞こうじゃないか。思う存分聞こう。言い終わったら速やかに警察に行け。」
「あ、あの…私、ストーカーにあってるんです…!!」
卯月が拳を握りしめた。
ダメだ、今キレちゃダメだ、耐えて、耐えて卯月…!!
「ストーカーっていうと追い回されたりとかされてるんですか?」
「いえ、そんなんじゃないんです…」
女の子は静かに話しだした…
「なんか後をつけられてるなあって思ったんです…男の人なんですけど…。でも、私あんまりそういうの気にしなくて…」
「ほうほう」
「でも…急にそのストーカーはヒートアップしてきたんです」
「お?なんだ?下ネタか?下ネタなのか????」
「卯月ちょっと黙って」
「その…次の日の朝、私の家の玄関にとびだし注意があったんです。」
「とびだし注意?あの交差点とかにある看板みたいなやつ?」
「はい、しかもその看板の女の子が私そっくりで…」
「もしかして自作したのかよ」
「そのようです」
女の子はため息をつく。
自作って…最近のストーカーは金かけるなあ…
「それからというもの、毎日とびだし注意の看板が家の前におかれて…しかもおなじ看板じゃないんです。毎日違うんです日替わりなんです日替わり定食なんです。」
「もうそれストーカーなのか怪しくなってきたな」
「あとなんで最後ボケを入れたのかわからないんだけど」
「私…もうとびだし注意がトラウマになってしまって…。もういっそのこととびだし注意を無視して飛び出そうかとも思いました……」
「それはダメだよ!?死んじゃうよ!?」
ダメだ、ストーカーもぶっとんでるけどこの女の子も何かぶっ飛んでる。
「助けてください…私もう…」
「まぁ、被害を受けているのには変わりないか…。どうせ暇だしちと見に行ってみるか。見るだけ、見るだけだけどな」
「そうだね、いってみよう。見るだけね。」
ということで私たちはその女の子と例のとびだし注意を見ることにした。