死者もしくは生者との別れ
格納庫に戻り機体から降り、リフトに乗り移る。下に降りるとそこにはチバがいた。
「ナカイさん」
チバが飛び付いてくる。
「うわっと」
いきなりだったために倒れてしまう。
「怪我とかしてない、大丈夫」
「今したよおい、いつつつ」
後頭部をぶつけたのか結構痛かった。
「す、すいません」
「まあいいんだけどさ、後もう寝るさすがに疲れた」
「あっはい」
ふと騒いでいる声が聞こえる。多分何処かで何かあったのだろう、が疲れきっており早くでも寝たい為に気にせず自室戻っていった。
部屋に戻る、自室と入ったが相部屋だ。だが相方はいない、気にせず自分のベッドの上に倒れこむ。
「疲れたよもう」
そのまま目をつぶるとそのまま眠りについた。
轟音、またコックピットの中だ。何かを削る音が鳴り響く。機体を動かす。が動いている様子はない。悲鳴が聞こえる、誰かの泣いている声もだ、耳を傾ける。
『カイ、カイ応答しなさいよ』
『ナカイだって』
『どうして教官が』
「やめろ」
『なんでカイが』
『サトウじゃなくて』
『ナカイが死ねば』
「やめろ、やめろ」
『ナカイが死んでればよかったんだ』
「やめろ、やめろ、やめろーーー」
「ナっナカイさん大丈夫ですかナカイさん」
目を開くとそこはコックピットの中ではなく、ベッドの上だ。そしてそこにはチバがいた。
「チっチバ、何でここに」
「ナカイさんが来ないから呼びに来たんですよ、そしたら中から呻き声がして、飛び込んでみたら」
「そうか、で呼びに来たって言うのは」
「はい、その葬儀が今からあるそうで」
戦死者の葬儀があるらしい。
「わかったじゃあ今から準備するよ」
「無理なら休んだ方が」
「大丈夫、大丈夫だ」
自分にそういい聞かせるように伝える。チバが部屋の外に出るのを確認した後、正装に着替える。鏡を見て乱れがないかを確認するが問題はなさそうである。そうしてから部屋からでる。そこにはまだチバがいた。
「行きましょうかナカイさん」
「ああ」
葬儀は体育館で行われるのか、ほぼ全員が集まっており始まるか始まらないかの寸前であった。写真は3枚あり、カイとサトウと教官のだ。そこで声をかけられる。
「おい、ナカイここだ」
「ああ助かる」
空いてる席に座る。そして式が開始する。
式が終わり、外に集め横2列に並べられる。
「全員、カイ士官候補生、サトウ士官候補生、ハタケダ教官に敬礼」
敬礼をする。そこに空砲がなる。そしてその間を棺が進んでいく。燃やすのは親しい人たちだけで行うそうだ。そして車にのせられ、離れていった。これで式はこれで終わりである。式が終わると泣き出す人等が出だした。俺にとっては悲しみもあるのだが、同じ戦闘にでて生き残れたと言う喜びのせいか、涙は出てこなかった。
「おいナカイ」
「なんだよ、どうした」
「俺の配属先が変わった。第1衛星基地だ」
第1衛星基地とは、宇宙にある基地で、衛星にある街の安全を守る重要な基地だ。
「そうか」
「連絡はとりにくくなるけどお互い頑張ろう」
「ああ」
そう言って彼と握手をした。