豪雨1
「こちらG1異常なし」
木に隠れながら、アサルトライフルを構え前進する。
『了解前進します』
後ろの方で戦車や装甲車が進む。
『ですがここまで隠匿する必要が』
『今攻撃を受けたら全滅は確実だ、我々だけではなくシルビア王女がいらっしゃるのだそれだけはしてならない』
『そうですよ、だからレーダーとかをすべて切ってこんなこそこそと進んでるんですよ』
『こちらG2後方から追撃なし』
『了解』
『だがこの雨のおかげで、見つかりにくくなるのは助かるな』
『雨によって足跡が消えますしね』
『クリス妾は無事たどり着けるのか』
『お任せくださいシルビア王女、この雨も味方して誰にも見つからずにたどり着けそうです』
『ならいいのじゃが』
『だからシルビア王女安心して体を休まれてください』
少し進むが異常はない。
「こちらG1異常なし、って何で俺がこんなことしてんだよ」
ポンチョをかぶり雨を避けながら、ライフルを抱えるなんて歩兵みたいなことをしている。
『ナカイ隊長大丈夫っすか』
「大丈夫なわけないだろ」
『仕方ないだろ、する仕事がないんだから』
「それは……そうなんだが」
クリス達の戦車は専属のパイロットがいるし、装甲車には居場所がない。だからトワ機と交代で乗ろうと思ったのだが。
「何でフルマニュアル何だよ」
『すいません、ほとんどのシステムが異常をきたしたのですべて削除しました』
トワ機はフルマニュアル、要するに倒れないようにするバランサー等をすべて制御しなくてはならず凡人には使えない状態になっていた。
『してナカイは何をしているのじゃ』
『はっ彼は我々の前方に展開して、敵や罠がないかを確認する仕事をしています』
「けど最低限のレーダーあるし、戦車と言うかそっちの機体のメインカメラの方が役立ってんだろ。異常なし」
『つまりナカイは何も役に立っていないんじゃな』
「ストレートに言うなよ」
『貴様シルビア王女に何て言い方を』
『別によいのじゃ、のうマージ』
『いえ、このような場にあっても』
『こちらG2異常なし』
『ふぅ分かったのじゃ、ナカイ言葉遣いには気をつけるんじゃぞ』
「了解」
『してナカイ暇なんじゃろ』
「どしゃ降りの中でライフルを抱えて歩いていなければですけど」
『そうかなら妾と少し話をせんか』
「ですが王女の近くにはメイドのマージさんとかチバとかサトウとかいませんか」
『マージはこんなときでも王女らしくしろって言っておるしチバにサトウは忙しそうなのじゃ』
「ならクリス騎士長とかカミラさんとかトワは」
『クリスもカミラもマージと同じで王女らしくしろって言うしトワは話しにくいのじゃ』
「だからって俺って」
『だから妾にはもうタナカしかおらんのじゃ』
「その言い方だと俺最後かよ」
『貴様っ』
『クリスよいのじゃ、それに話をしていないと………その怖いのじゃ』
最後は消え入りそうな声だった。
「………わかりました、何について話しましょうか」
『そうじゃの妾の話を聞いて欲しいのじゃが』
「分かりました」
『できればこっそりとがいいのじゃが』
「あーはいはい、チバよろしく、後異常なし」
『了解、秘匿チャンネルに切り替えます』
そう言われると無線機に雑音が一瞬聞こえ、無音に戻った。
「これで切り替わりましたよ」
『分かったのじゃ』




