宇宙6
『751、751だけなのか、他に機体は』
「ありません、あっても支援行動中です」
『……分かった、おい急げ急げ急げ』
通信中も気にせず向こうは攻撃してくる、その為回避で手一杯だ。
「ナカイ特務少尉先ほどの回答でよかったでしょうか」
「構わねぇよ、くそっ何だよあれ」
キクチの乗る戦車とこちらの戦車は同じ性能のはずなのに向こうの方が早い。助かった点は射撃武器がなかったことだろうか、もう射撃しようとしていたら動きが止まり撃ち抜かれそうだ。だがそれでも撃墜までかかる時間が早いか遅いかの違いにしかなりそうもない。
『どけよ、そいつを殺さなくちゃならないんだ』
キクチはそんな機動をとりながら通信を送ってくる。はっきりいっておかしい、こっちは回避するだけで手一杯で会話なんかしてる余裕もなければ、支援を求める通信すらできないのに。だが今は後ろにトワがおり、彼女にその手の事を任せている。だが少しずつではあるが投降した艦から引き離すことができている。
『これは悪いことなのか、人が死んでいく事になるかもしれないんだぞ』
何かいっているようだが、必死すぎて意味が理解できない。
『そんなに軍の決まりが大事なのかよ』
何だか、頭がいたくなりそうだ、そうでなくても機体をスラスターで無理矢理に動かしているため、体が色々なところにぶつかっていたい。しっかりと固定はしてあるんだが。
『これから死んでいく人たちは大事じゃないのかよ』
「うるせぇー」
つい叫ぶ。その叫んだ勢いでキクチ機が一瞬止まる。そのタイミングで突っ込む。
『っ、だけど』
ヒートスティックで切りかかるのだが外す。キクチ機が横に回避しパイルガンをこちらにむけ。
「ナカイ」
後頭部が押され片足が前に出る、それによって脚部スラスターに起動して機体を動かす。それによってギリギリの所で回避に成功する。キクチ機は外れた地点で距離をとったために、間合いが開き機体を建て直す時間はあった。
「ナカイ特務少尉申し訳ありません」
「いや、もうなんか、死にそうだったからどうでもいいから、むしろ助かったから気にしてないと言うか」
本当にギリギリであった、トワがなにもしなければパイルに潰されていたか、爆死していただろう。冷や汗が出る暇もなく戦闘が続く。




