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ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の戦場
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雲の下1

『751聞こえますか751751、ナカイ特務少尉』

 トワの声が聞こえる、体の痛みで意識がはっきりしだす。

『751無事ですか』

 見渡す、体には特に傷はなくしたたかに打ち付けただけのようだ。

「体は大丈夫だ、機体は」

 機体の状態を確認する。脚部、頭部を除いて危険状態を示す真っ赤だ。頭部に至っては吹っ飛んだのか、無いようであった。

「頭はないがまだ動ける、752は」

『右腕、頭部を喪失。また私自身も右腕を失いました』

「そうかなら、って右腕失うってお前」

『生命維持活動に支障はいたしませんし、機体の制御も問題ありません』

「…ああ、そうかアンドロイドだったな」

『だから気にしないでください、また通信は短距離は使えますが長距離は無理です』

「なら周辺警戒、通信の回復を優先させる」

『了解』

 しかし周囲の警戒といっても頭部のメインカメラがないのであまり有意義なものは行えない。ついでに武器を確認するとライフルは1丁壊れて使用できなくなっていた。

「これはサトウに感謝だな」


 数分後通信が回復する。

『751、752無事ですか』

「ああ、で何が起こった」

『友軍の戦術爆撃機が反応弾を使用しました』

 戦術爆撃機とは戦術面、つまりその戦闘に優劣を決定できる兵器を運ぶ物だ。だから見つかったら1番狙われる可能性が高い。いくら地上からも宇宙からも狙われにくい所を飛んでいても、すべての敵から狙われれば撃墜されてしまうだろう。

『私達は囮と言うことですね』

 そう言うことだ、また反応弾、いや広範囲を攻撃できる兵器を使用したということは俺達に死んで欲しかったということに他ならない。

「トワそれは後だ、でその後は」

『その後混乱の最中スモークを使用し宇宙との通信を不能にさせ、今輸送機から友軍が投下中です』

「友軍の規模は」

『残存兵力すべてを使用した模様』

「つまりは力でねじ伏せる方できたのか」

『751時間がないのでは、スモークが晴れ敵が援軍に来たら敗けが決まってしまいます』

「で攻撃目標は」

『本部の火器制御室です』

「残り時間は」

『スモークが切れるまで残り10時間です』

 空は輸送機で埋め尽くされ地上には戦車が多数ある。負けはないはずだ。

『ナカイ特務少尉~これだけいるなら~逃げましょうよ~』

『そうっすよ、撤退した方がいいと思うっすよ』

 囮にされたのだ、しかも死んでも構わないような囮に。つまりこのまま機体の不調を訴えて後退しても敵前逃亡の疑いで攻撃される恐れがある。

「そう言えば753は無事なんだよな」

『無事ですよ』

「なら武器を多数積んで指定するポイントまで来てくれ751と752で向かう」

『え~逃げないんですか~』

「ああ、逃げない。戦闘を続行する」

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