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ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の戦場
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死地2

 朝を迎える、起こされなかったと言うことは問題がなかったと言うことだろう。問題がなかったと言うことなら任務は変わらず実行されると言うことだ。

「行きたくないな」

 しかしそうは言っても任務なら仕方がない、兵士である限りは拒否権はなく行くしかない。パイロットスーツに着替え、戦車の元へと向かう。


『ナカイ隊長準備はできてるっす』

「ああ」

『機体には迷彩を施してるっすし装備はライフルだけっすけど損傷することも考えて2丁積んでるっす』

「ああ」

『ナカイさん準備は』

「お腹が痛くなればよかったよ」

『ですね、死なないでください』

 それらを聞くと戦車に乗り込む、コックピットないには幾らかの食料や水などが通常より多くつまれている。

『緊急用の食料を多めにしておきました』

「助かるよ」

 最後に腰にさしているハンドガンと機体についているサブマシンガン、更に自決用の小型拳銃の点検をする。異常はない。モニターを見る。トワの方はもうすぐにでも出れそうだ。

「751出る、以後751並びに752に対しての無線を封鎖、非常時には各自の判断で行動してくれ」

 輸送機から戦車を出す、そしてそのまま威力偵察を開始する。


 森の中を進む、出来る限りばれないようにこそこそと。

『ナカイ特務少尉今回の任務は、威力偵察なので攻撃する必要が』

「わかってるよ、だからばれても逃げられるように、ついでに捕まっても輸送機に気付かないように離れてるんじゃないか」

 威力偵察とは要するに敵陣へと攻撃をかけ、どれだけの兵力が出てくるのかを確認すると言うものである。だから攻撃を始める際は出来る限り有利な場所から始めたいし、出来る限り敵の数を少ないときに始めたい。そんなことを思っていると少し他の場所より高いところを見つける。

「ひとまずこの場所に待機」

『了解、敵を隠したら発砲しても』

「敵を確実に仕留められる時と身の危険が迫ったときは」

『752了解』

 その場で機体をしゃがませ隠す。これで少しはばれにくくはなるだろう。そしたら銃を構えさせ、スコープを覗き込み待機だ。いつまでかと言うと敵が来て攻撃するか、ばれて撃たれるか、撤退命令を出したりするまでずっとだ。

「はぁ、飽きそうだ」

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