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ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の戦場
29/115

町1

「くっそ何でこんな任務」

「まあまあ落ち着くっすよ、ほとんど休暇みたいなもんじゃないっすか」

「それはそうだし、任務と称して偵察車まで出してくれるのは感謝だけど、なんだよこの脱走塀の確保って」

「あいつを脱走兵って、つまり」

「建前だよ建前、見つけたら脱走じゃなく戦闘中の事故として処理して回収するって任務」

 あの後艦長に報告したらこの任務を与えられた、動員された人数は3人、戦車が修理中の俺と雑務のサトウ、それにキクチの関係者であるコクボだけだ。ついでに言えば買い出しも頼まれた、基本的には雑貨品が多数なのだが。

「何で男が買いにくい品も頼むかな」

「そうっすよね」

「自分が買いに行きましょうか」

「お前はダメだ、俺かサトウと一緒に行動することが義務付けられてるだろ。本当は懲罰房に入ってるはずが暇なのはお前しかいないからって駆り出されたんだ、お前に行動の自由はない」

「……はい、分かりました」

「分かればいい。まあでも、買い物の方は極秘任務だからなギリギリごまかせるか」

「ついてから考えればいいっすよ、と見えてきたっすよ」

 見えてきた町は、オアシスの回りにできた小さな町である。だが砂漠の中のオアシスと言うことで人は多いらしい。

「町だ」


 町の中に入る、さすがに軍の偵察車は離れたところに隠してあるが。

「よしじゃあ探すか」

「了解っす」

「あのなんでこれを」

「それはな、ここが敵地の可能性があるからな」

 こんな町を制圧する意味はないとは思うのだが、俺たちは奇襲を食らってここら辺の情報を得る前に撤退、クマガイ達の方は敵の襲撃にあい降下らしいために情報を持っていないために誰も情報を持っていない。その為に全員が拳銃を持っている、と言うか艦長に持たせられた。

「あの使い方は」

「お前が使う事態になったら敗けが決まってるから素直に降参した方がいいぞ」

「そうっすよ、俺たち2人に任せるっすよ」

「ですけど」

「まあいいかひとまず探す前になんか食うか、腹減った」

 適当につまめそうなものを買い込む、ハンバーガーにポテトにドリンク。それを食いながら探す、人と物だ。

「物はっと」

 再度メモを見るがアイドルのアルバムやら写真集、新作のゲーム、レターセット、女性ものの下着、参考書に工具。

「なんっすか参考書に工具って」

「いやクマガイにタドコロだろうな、そう言うやつらだし」

 ついでに言えばこの2人のが一番めんどくさい。指定が細かすぎるからだ。

「どこに売ってるんだよ」

「キクチはどこにいるんだよ」

 町中を歩いて探す、買い物はすぐにすんだ簡単に見つかったからだ、参考書以外。

「まあいいか、あいつのだし」

「ナカイしょ…俺先に置いてくるっす」

 サトウが離れる。

「おいおい、何で下までつけようとするんだが」

「それで一通り探したんですがどうするんですか」

「知らないよ、外は暑いしもうやってられねなんか飲もうぜ」

 また適当に店に入る。エアコンなどはないが直射日光がないだけで涼しく感じる。バーのようだ。

「マスターなにか飲み物」

「はい、そちらは」

「えっと」

「ミルクだな」

「…はい」

 マスターが少し笑っているようだ。席につく。そしてすぐに出てくるミルクが2杯。

「俺もかい」

「はっはっはっ面白いな君たち」

 カウンターに座っている男に話しかけられる、飲み物はミルクだ。

「あんたもかい」

「ああ、そうだな完璧に同じ事をしてくれる人がいるなんて」

「完璧につまりあんたにもつれが」

「振られたけどな」

「そうか、マスター彼にウイスキー」

「はい、分かりました」

 ちゃんとしたウイスキーが出てくる。

「そう言う君は何をしてるんだ」

「ああ、俺達は」

「あのナカイさん他のところ探してきます」

「わかった」

 ついでにサトウに連絡を取り回収させる。

「俺達は探し人だよ」

「見つかるといいな」

「見つかるだろう、こんなに暑くなければ」

「違いない、マスター彼にも」

「はい」

 ウイスキーが出てくる。ここまでカッコつけていたが実はウイスキーを飲むのが始めてだ。

「乾杯」

「乾杯」

 そして飲む、あまり美味しいとは思えなかったがマスターやら話し相手やらがいるからできるだけ顔に出さずに飲む。相手はカッコよく飲んでいる。互いにグラスを置く。一気のみをしたのだが、また頼みたいとは思わない。

「そう言えば君はなんの仕事を」

 軍と言うのはさすがに不味いだろうから、嘘をつく。

「フリーターだよ仕事がなくてあんたは」

「軍人さ」

 気づかなかったが、隅の席の座っている男達が慌ただしくなる。

「軍人か」

「ああ敵を追ってね、こんな味方もいない僻地にまで来てしまったよ」

「へぇそうなのか」

「だから護衛やらなにやらってあんなやつらが来てるのさ」

 そう言って隅を指差す。

「息抜きに出てきたら君のように面白い人に出会えてよかった、後そうだな仕事が必要なら基地に来てくれ仕事をやろう」

「ああ助かるよ」


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