開戦まで2
「おい、ナカイ起きろ、おい」
「なんだよまだ授業まで時間が」
「なにいってるんだか、授業なんてもう無いだろ卒業式さっき終わったばっかりなんだから」
意識がはっきりとしてくる、そうであったもう卒業して4月には軍に入隊するのを残すのみである。
「ごめん、入学当初の事を思い出してた」
「そうかそうか、そんなことはどうでもいいから早く外にいこうか、卒業生のパーティーだろう」
「ああ」
卒業生のパーティーと言ってもそんなに豪勢なものではない、むしろみんなで食べ物やら飲み物やらを持ち寄ってやるものだ。
「そう言えばナカイはどこに配属なんだ」
「軍本部の周辺基地」
「おいおい、それはまた」
「あんまり期待されてないんだろ成績も悪いし」
成績すべてがCだった俺にはぴったりなところだ、本部にはエリートが詰められているし、もし戦闘が起こって俺が出撃する頃には敗けがほぼ決まっているはずなのだから。
「そう言うお前はどうなんだよ」
「俺は赤道直下の基地だよ、要するにマスドライバー防衛隊」
「おいおいエリートが集まってる所かよ、さすが俺のカンニングペーパー」
マスドライバーはこの惑星の宇宙軍に物資を運ぶ数少ない手段でありテロの対象になりやすい、そのためにその防衛部隊には優秀な兵士が集められている。
「おうよってカンニングペーパーって」
「お前のメモがなかったら筆記に落ちてたよ」
「おいおい、そう言えばナカイ」
「彼女どうするんだよ」
「彼女って、ああチバかあいつは友人だよ彼女じゃない」
「おいおいどこでも一緒だったじゃないか」
「あれはあいつが俺のメインオペレーターだっただけ」
この士官学校ではパイロットをサポートするオペレーターも育成しており1オペレーターを1~2パイロットにつけることで育成している。実戦では1オペレーターに対し1小隊約3機分を行う必要があるが。
「そう言うお前だって彼女どうするんだよ」
「俺の彼女は整備士だから偉くなったら無理矢理っておい」
さらに言えばこの士官学校では整備士の育成も行っている、そのために言わば戦車関連の学校であると言える。またパイロットがエースと言われる5機の撃破を行うとある程度の整備士を自分の機を優先させられるようになるためにそれを使うのであろう。ついでにいっておくと整備士の仕事は機体の細かい調整などである。
「ちっ、この優等生が」
そこに話に上がっていたチバが近寄ってくる。
「あっナカイさんここにいたんでしたか」
チバは身長150cm程の小柄な少女で胸はB位の三つ編み眼鏡っ娘である。
「何かようかチバ」
「言え配属はどこになるのかって」
「本部の周辺基地だけど」
「あっ同じです」
この発言で察しが付くように俺とチバは成績悪いのがきっかけで知り合い。
「まあそれはおいとくとしてナカイさんこれ」
「これってまさか、二式戦車のプラモかよやべっかっけ」
「へっへっへっいいだろう」
戦車好きと言うことで仲良くなったのだ。
「それでなんですけどナカイさんそのドッグ」
「おいおいお前ら早く行くぞ」
「ああ分かったよ、ってチバはどうする」
「タグをくだ、って私もいきますよ当たり前でしょ」
「だよな」
この後本当は食べられるだけ食べ、騒げるまで騒ぐつもりであった、緊急警報がならなければ。
人物紹介
チバ・サトミ
女
21歳
オペレーター
ナカイと同時期に入学したオペレーター、入学理由は戦車が好きなために戦車に関わる仕事がしたかったため。外見は三つ編みにし、メガネをしている。本当はパイロットになりたかったが乗り物酔いのために断念。ナカイとは入学当初からメインオペレーターとして行動している。
コールサイン847
用語集
コールサイン
無線を使用した際の個人識別番号百のくらいで担当部署(0指揮官など1~7パイロット8オペレーター9その他)を判断し残りで個人を特定する。大規模な戦闘があった際は基地ごとに割り振られている番号をつけるときもある