地獄5
『それが貴様らの回答か』
「いや結局殺されるならせめて敵がいい、ってその前に殺されるのは嫌なんだよ」
そう叫びながらも機体を動かす、一瞬でも止まれば撃ち抜かれる、その恐怖が躊躇いを無くしている。
『751スナイパーを処理します』
「752頼む、ってえ」
『752移動』
「無理無理無理無理無理」
1対5と言うので勝つのはあり得ないどころか、1分持つかも分からない、けど持たすしかない。とは思うのだが。
「って持たせられるかよ」
『ははは、君は面白いなたった1人で5人も相手にするつもりか』
「したくないよ、こんちくしょう」
『それはそうと私の部下の所に向かった君の仲間は大丈夫かね』
「今は自分の身だけで精一杯だよ」
『あれは射撃能力に関しては私より上だからな』
「嫌だから手一杯なんだよ」
回避行動を続けながらの会話である、と言うかもう何十発も食らっている。ついでに言えばチェーンソーはもう死んだ、だから数を減らすことはもう無理だ。更に言えば右腕は無くなっており、足の装甲はもう穴だらけだ。
「もう動けてるのがビックリだよ」
コックピット内はアラームが鳴り響いている。
『君は本気でうちの部隊に誘いたくなるよ』
「なら撃つのやめて交渉しない」
『もう遅いがな』
頭を撃ち抜かれる。
『あの時投降しておけばよかったな』
メインカメラがなくなり、外の様子が分かりづらくなる。
「854751機をサブカメラに切り替えろ早く」
『了解5秒待ってください』
切り替わり、はっきりとわかるようになる。
『切り替えました』
「助かる」
『積み込み完了したっす』
「752後退可能だ、955いつでも出せるか」
左腕が動かなくなる、装甲の隙間を撃ち抜かれたようだ。
『いつでも出せるっすよ』
『752撃破完了支援するんで751は脱出を』
「トワお前も逃げるんだよ」
『私は戦車の部品として造られたので気にしないでください』
「そんなの関係あるかよ、逃げろよ」
敵機が接近しチェーンソーを突き立てようとする、しかしチェーンソーがついている方の腕が吹き飛ぶ。
『1機行動不可』
『ははは、君たちは面白いな、私の仲間は』
『撃破しました』
『そして武器を奪ってこの精度で狙えるのか』
「どうでもいいから早く逃げろよふざけんな」
『更に言いますと片足がやられましたもう動けません、気にせず後退を』
『君たちはここで殺す』
敵機が飛び込んでくる。それを、ギリギリで、よけ、る。
「うらよ、回避成功」
『なに』
敵機を気にせずトワ機に向けて走る。敵機が着いてこようとする、だから俺は。
「752串刺しにしてやれ」
機体を横に跳ばす。杭が横を飛んでいく。
「752離脱して俺の機体に飛び乗れ、955いつでも出せるようにしとけ、854最短ルートを」
そう叫び更に走る。トワ機に近づくと機体の前面ハッチを開く。
「トワ飛び乗れ早く」
『っ、はい』
トワが機体に乗り込もうとする、それを手伝う。
「出すぞ、854最短ルートは」
「後、予備機の機体を起動しといてください武器はライフルで」
『了解モニターに送ります』
モニターを確認、このまままっすぐのようだ。だからわき目も振らずに突っ走る。
『予備機起動完了しました』
輸送機が見えてくる、だから速度をあげる。アラートが更に音をあげる、その上で機体が悲鳴をあげる。そのまま機体を輸送機に滑り込ませる。
「早く出せ」
『了解っす』
輸送機が動き出す。
「ナカイ特務少尉降ります」
「ああわかった」
トワが降り予備機に乗り込む。その間に自機の自爆シークエンスを行う。輸送機が少しずつ動き出す。
『貴様ら逃がすか』
『752攻撃開始します』
「ついでにこれも落とせ」
戦車から降りる。
『了解』
『後少しっす』
『逃がすか』
加速を付けた輸送機が空に上がる。
「トワ落とせ」
輸送機がどんどんと上昇していく。
『安全圏に離脱したっすよ』




