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ある兵士の戦争  作者: iLL
ある兵士の戦場
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地獄4

 戦場、いや地獄の中心を突っ切る。もう敵と味方の区別がつかない。

『IFF反応なし敵機です』

『こちら955輸送機確保したっす』

「955いつでも発進できるようにしろ、敵機は適当に黙らせろ、854友軍の状況は」

『どこもかしこも押されてます』

「ああっくそ」

『1機撃破』

「ナイスキル後どれくらいで発進できる」

『後5分位待って欲しいっす』

「752後5分で着けるように移動するぞ」

『了解です』

 とは言ったものの本当につくのか分からない、それだけ敵機が多い。

『更に1機撃破』

 トワが何機も落としているのだが減っている気がしない。いきなり目の前に敵機、後ろに跳ぶ、マシンガンを撃つ。体勢を崩した所にチェーンソーを叩き込む。火花が飛び散り、少したつと動きを止める。

「1機撃破」

 敵機から手早くチェーンソーを引き抜き、前進を続ける。

「854頼みがある」

『なんですか』

「あるだけの武装を積んでくれ、支援攻撃始めたら補充受け取れなさそうだし」

『854了解』

『751聞こえるっすか』

「どうした955」

『積み込めるだけの武装って戦車もいいっすか』

「いいんじゃないか」

『了解っすなら後10分待って欲しいっす』

「10分も待てるか」

 足元に着弾。回避行動。

『751スナイパーです』

「えっ何向こうそんなのもいるのかよ」

 そして同じ機体色に同じマークを付けた戦車が5機も出てくる。

「やっぱり10分待てそう」

『了解っす確保してくるっす』

「トワスナイパーの位置は」

『分かりません』

「なら前の5機をスナイパーに気を付けながら倒せってか、無理だろ」

 いきなり無線にノイズが走る。そして声。

『そちらの2機聞こえるか投降してもらえれば命はとらない』

 男の声で投降を促される。

『君たちはどれだけ不利な状況かわかっているはずだ』

 分かりきっていたが押されているらしい、まあそうじゃなければ逃げ出さないが。

『なおかつ君たちは君たちの軍から見捨てられた存在じゃないか、それなのになぜ軍に尽くす必要がある』

『751どうします』

〔チバ索敵頼む、そしてそのデータをトワにも回してくれ〕

〔了解〕

『今なら投降すれば命だけでなく、君たちの立場も保証できるどうだろう』

「どうしてそんな話を俺達みたいな捨て石に話すんだ」

『君たちが不憫に思えてな、仲間に見捨てられるならその復讐の手伝いをだな。後こちらもできる限り被害を出したくない』

「被害を出したくないだって、俺達みたいなザコとの戦闘で被害が出るほど弱そうには見えないけどな」

『そうでもないさ、ルーキーが即英雄になれるのが戦場だ、それの踏み台にされる可能性はいつでもある。まあ逆もあるが』

「だから投降しろと」

『そう言うことだ、そちらのお嬢さんはどうだ』

『私は751の命令に従います』

『ははっいい部下を持っているな、では751君どうするかね投降するか、殺し合いをするか』

「その前にひとつ聞いておきたい」

『何かね』

「部隊名はなんだ、名前の知らない人について行くのは子供の時からダメだと言われてるからな」

『そうかなら仕方ないな、我々の部隊名はアルファ分隊第1小隊だ、で回答は』

 すごく投降したいが多分弾除けで死ぬだろ、けど投降しないと撃ち抜かれる。

〔戦車の反応あり3時方向です〕

「答えはノーだ、名前がカッコ悪いんだよ黒い悪魔とか名乗っとけ。752やるぞ」

 横に跳びながら叫ぶ。

『752了解』

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