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交差点  作者: ケリッド
7/19

交差7 視線

芽衣編

 この学校の屋上はあまり人が集まらない。だから昼休みに屋上に来るなんてあたしくらいだ。

 あたしはいつも昼休みはここでお弁当を食べている。

 教室で食べても、学食に行っても一緒に食べてくれる人がいないからだ。それだったら空を見ながら1人でお弁当を食べている方がいい。


 あたしはお弁当を食べるのが遅い。食べ終わる頃には昼休みがあと半分しかないくらい。

 だから食べ終わった今、昼休みはあと半分。

 あたしにとって昼休みは苦痛でしかない。

 やることがない。遊ぶ相手もいない。

 里美も今は学校へ行ってる。里美は学校に行くときはケータイを持っていかない。だからメールしても返ってこない。


「次の授業は…、あ、美術か」

 あたしの教室から美術室は遠い。

 ましてや、あたしは屋上にいる。

 今から勉強道具を取りに教室に戻り、美術室に行かないと間に合わない。

「そろそろ出ようかな…」

 あたしは屋上の景色に背を向け、出口に向かった。


「あ…」

「わっ」

 ドアを開けると、女子生徒が2人いた。その内の1人は突然ドアが開いたことで驚いている様子だった。

 そう言うあたしも少し驚いたんだけど…。

 何かその場に居づらく感じてしまった。

「ご、ごめんなさい…」

 あたしは少し早足で階段を掛け降りた。

ーーーーーー


 あたしは教室の前に着いた。

 少し息切れをしている。無意識にずっと早足で歩いていたのだろう。

 軽く深呼吸をして、あたしは教室に入った。


 教室の中には男子生徒が3、4人いるだけだった。

 その中の1人の男子生徒と目があった。

 あたしはすぐに目をそらし、勉強道具を机の中から出した。

 時計を見る。授業が始まるまで残り約10分。

 ここから美術室まで約5分。十分間に合う。

 あたしは勉強道具を持ち、教室を出た。


 …1人の男子生徒と目が合ってから教室を出るまで、ずっと視線を感じていた。

 何でだろう…。

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