表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
交差点  作者: ケリッド
2/19

交差2 悠也

 ガタンゴトン…


 俺は今日も学校へ向かうため満員電車に揺られている。

 スーツ姿のハゲたオッサン、ヘッドホンをつけてノっている若い兄ちゃん、キョロキョロと周りを警戒している女性、キティちゃんのキーホルダーをカバンに付けてボーっとしている女子高生。

 電車にはいろんな人達が乗っている。

 この人達はどんな今日を過ごすのだろうか。

 それぞれ今の生活に満足しているのだろうか。


 俺は時々、そんなことを思う。

 何でかは分からないが。

 恐らく今の生活が楽しくないからなのかも知れない。


「おう、悠也(ゆうや)、おはよう」

「あ、公一、おはよう」


 俺に声をかけてきたのは、宮本(みやもと) 公一(こういち)だ。こいつが電車に乗っていると言うことは、降りる駅は近い。

 …ダルい。

 俺は自分で言うのも何だが、クラスでは人気のある方だ。

 男女関係なく友達も多いし、多分みんなからも慕われてると思う。

 でも俺はみんなを友達だと思ってない。

『良い人』を演じてるだけなんだ。

 正直自分の価値を上げるための道具にしか過ぎない。

 …宮本もその1人だ。


「なぁ悠也、俺昨日友達から女紹介されたんだけど、メッチャキモいんだよね」

 …来た。公一の女の話。

 こいつはいつも俺に女の話をする。

 正直ウザい。

「マジで!?ちょっと写メ見せてよ!!」

 …見たかねぇよ、お前の紹介された女なんて。

「うわ!!なんだよこれ!!マジなくねぇ!?」

 でもこいつのノリに合わせる。自分のために。

「だろ!?マジねぇよな!!…あ、着いたぞ。行こうぜ」

 降りる駅に着いた。

 今日も『良い人』を演じるだろう。

 正直疲れる。


「あ…」

「ん?どうした?悠也」

「あ、いや、何でもない。早く行こうぜ」


 駅のホームにキティちゃんのキーホルダーを付けた女子高生がいた。

 ま、ただそれだけのこと。俺には関係ない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ