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第一話 陰キャラ・バトル

読んでくださりありがとうございます。


ちょっとふざけたコメディ色の強いバトルが広がられますが、是非楽しんでご覧ください


 僕は林祐陣(はやしゆうじん)。高校2年生の太っているメガネだ。

 友達はいない。

 シャトランは34周。100メートルは下から数えた方が早い。

 でも、歴史が得意だし、渋いアクション映画や歴史映画が好きだ。

 だから、周りの陰キャよりはマシな陰キャだ。

 でも、陽キャの知り合いも居なければ、女子との絡みも全くない。


 放課後、帰りのホームルームが終わり、キンコンカンコンとチャイムが鳴った。

 部活に行く者、友達と遊びに行く者、彼氏彼女と手を繋ぐ者。他にも勉強する者、黄昏れる者。

 そして──

 僕は一人、教室で自分のスマホを見ていた。


「ランクは……5か」


 昨日は何も起きなかったしなぁ。

 今日はどうしようかな。

 帰ろうか迷い、教室を出ると廊下をたむろう陰キャ達が騒いでいた。


「今日の陰バ、理科室らしいぜ」

「あんな狭い場所でやるの?」

「それに今日はルーキー陰キャが勝負するらしいぜ!しかも連勝陰キャに!!」


 多くの陰キャ達が動き出して、理科室に移動を始めた。

 ルーキー陰キャが連勝陰キャに陰バを?

 ちょっと気になるな。


「僕も行くか」


 僕ら陰キャには陽キャには辿り着けない戦いが存在する。

 陽キャには出来ない、陰キャにのみ出来る戦いが。

 良い席で見たい。理科室に急ごう……あ。


「あの時、先生がさぁ〜!!」

「でねでね!!」

「それでさぁ!!」


 一本道の廊下のど真ん中に女子が屯っている。

 この先を行かないと理科室に行けないのに。

 さもないと遠回りして別の階段から行かないとダメになる。

 やはり、他の陰キャ達は遠回りして理科室に入っている。


「くっ……やもえん」


 僕は女子の中を突っ切る事はせずに、遠回りして理科室に行った。

 ドアの前に立ち、スマホを扉の前に翳すとドアが自動で開いた。

 理科室に入ると、もう8.9人ぐらいの陰キャ達が集まっていた。

 陰バを良い場所で観るために、教壇の近くに待機した。


「おっ、林君」


 僕の隣現れたのは放送部の細身陰キャ、細片(ほそかた)先輩。

 ランクは39。放送部だから、コミュニケーション能力は他の陰キャよりはまだ高い方だ。

 結構な頻度で陰バを見にきていたら、いつの間にか慕ってくれた先輩だ。


「林君痩せた?昨日陰バトった?」

「まぁ野良でちょっと」

「今日は参加しない?」

「は、はい。今日はルーキーが参戦すると聞いて」

「今日は注目の一戦だから、楽しみにしてよね」

「はい」


 続々と理科室に集まってくる陰キャ達。


「今日の陰バどっちに賭ける?」

「今月コイン、キツんだよなぁ」

「でも、ルーキー陰キャの方がオッズは高いだろうし」


 ざわつく陰キャ達。

 彼らも僕と同じ、ルーキー陰キャを観にきたんだな。

 午後5時になり、理科室には三十人を超える陰キャが部屋の隅々に集まった。

 細片先輩はマイクを持ち、黒板前の教壇の上に立った。


『さぁ!皆んな集まったかな!!』


 マイクに響く先輩の声に、全員が待ってましたと言わんばかりに拳を声を上げる。

 細片先輩は陰バの司会をしている。言わば盛り上げ役だ。


『今日の陰バは皆もご存知の通り、三連勝中の陰キャにルーキー陰キャが下剋上だ!!』


 ルーキー陰キャ。

 つまりな初めて陰バに挑むと言うことか。

 全員が声を盛り上がる中、先輩は今回の陰キャを紹介した。


『さぁ!まずは連勝陰キャ!!2年D組の佐々本権(ささもとけん)!!』


 理科準備室から出て来たのは、吹き出物が多い細いメガネ系陰キャの佐々本先輩。


『ランクは12!前回よりも5ランクアップ!話を聞いたところによると、隣の席の女子に消しゴムを拾ってもらった事での5ランクアップ!!オッズは1.4!!」


 凄いな。

 女子から消しゴムを拾って貰えるなんて。

 僕なんて目があったのに、無視されたぞ。


「スゲェ!!」

「羨ましいぜ!」

「宝物ダァ!!」


 と湧き上がる陰キャ達。

 だが、オッズはそこそこ。連戦してればそんなもんか。

 先輩は周りの陰キャを落ち着かせて、次の紹介をした。


『盛り上がる中、次の陰キャを紹介するぞ!!今回が初!ルーキー陰キャ!!1年A組の綺羅星銀河(きらぼしぎんが)君だ!!』


 理科室入り口から入り込んだのは、髪がボサボサの細めのメガネ系陰キャだ。

 彼はメガネのフレームが分厚いのが特徴だ。


『彼のランクはまだ2!!最近の女性経験値はプリントを振り返って渡された事での1ランクアップだぁ!!オッズは3.4!!』


 それくらいなら僕もある。

 他の陰キャ達も自分もだ自分もだと皆頷いている。


『二人共!スマホセッツ!!』


 その言葉を合図に二人はスマホを自分の左手首の上に置いた。

 スマホは左首の上に浮いた。

 更に二人の背後には体力であるHPが100が表示にされた。


『さぁ!今回の陰バは波乱が起きそうだ!!締め切りまで後1分!!どっちに賭ける!!』


 全員がざわつき、スマホからルーキー陰キャに賭ける者、連勝陰キャに賭ける者。それぞれが駆け込みで賭けに出た。

 僕はルーキー陰キャに賭ける。未知数な実力に僕は賭けよう。

 僕はアプリ内のコインを20枚賭ける。これはログイン10日分のコインだ。無駄遣いしたくないが、彼のオッズならかなり勝利分が来る。


『賭けは締め切ったよ!!盛り上げてくれ!皆んな!!』


 賭けは締め切られた。

 全員勝負を待ち遠しくなり、徐々に声を上げる。


「陰バ!!陰バ!!陰バ!!陰バ!」

『戦いのビートがどんどん刻まれて来た!!陰バにビートをもっともっと刻め!!』

「陰バ!!陰バ!!陰バ!!」


 盛り上がりは最高潮。久しぶりだ。こんなにも盛り上がる陰バは。


 さっきから陰バ、陰バと僕も皆んなも言っているから説明しよう。

 陰バとは"陰キャバトル"略して"陰バ"だ。

 つまりは陰キャが陰キャを倒す。底辺争いだ。

 だからいって、運動も部活も体育もまともにやった事のない陰キャのペチペチ殴り合いを見ても楽しくないだろう。

 だからこそ、このアプリから授かった力を戦うもの同士が発動出来る。


『陰バ!!ロック解除!!』


 先輩の一声にスマホに文字が表示された。


 ──コンプレ・アビリティ解除──


 周りの声が止み、全員が二人を見守る。

 そして──


『ルールはシングルマッチ!!体力をいち早く0にした方が勝ちだ!!バトル開始ぃ!!』


 僕ら陰に生きる陰キャがカッコよく生きて行ける空間。

 それが……陰バであり、このアプリ"陰脱"のお陰だ。


 二人が勝負が今、始まる。


最後まで読んでくださりありがとうございます。


よろしければ次の話も読んでみてください。


面白いや続きが見たいと感じたなら、評価やブックマークをよろしくお願いします。

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