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事件の解決

読んでいただきありがとうございます。少しでも楽しんでいただけると良いなと思っています。

 裏山から採ってきた花には魅了の成分が多く含まれていた。

後ろに誰が控えていようと王家に反逆の意思ありと見做された。男爵令嬢ロミーは男娼と事の最中に捕われた。男爵家は取り潰しとなり地下の牢屋に一族全員入れられている。



取り調べは念の為に魔力よけの腕輪を着けた強面の捜査官が行うことになっていた。素直に吐かなければ自白剤が用意されていた。


男娼によるとこの世は私中心に回っているのだと言っていたのだと言うことだ。

貴族の子息らしい服装と立ち振舞で勝手に高位貴族令息だと思ったらしい。高級娼夫には簡単に落とせる相手だったらしい。クッキーを食べさせなくても落とせるなんて自分だからだと自惚れていたと話していたそうだ。



男娼は大金を手にして自由の身になった。娼館にお金を払ってもまだ余るだけのお金を手にしていた。元々没落した貴族の子息だったらしく、これからは誰も自分を知らない外国で思うように生きてみたいと言っていたという。幸あれと願う王子だった。



元男爵令嬢ロミーは花の事をどこで知ったのかと聞かれゲームの中に出てきたと言ったそうだ。ヒロインに生まれたのだから何もかも全て上手くいくはずだとぶつぶつ呟いているらしい。自分がこんな牢屋にいるなんて間違っている、早く王子様が助けに来てくれないかしらとも言っていたという。


それを聞いた王子たちは気持ちの悪さに吐き気を催した。勘違い女ロミーは極刑になった。男爵家は地位を取り上げた上、娘の異常さに気が付かなかった監督不行き届きで鉱山での労働が科せられた。


裏山は王家の手が入り花が二度と咲くことがないようにされた。





魅了などという恐ろしいものは世界から消えた。

姉にそう聞いたロザムンドは久しぶりに街に出てみたいと思った。婚約破棄から半年が経っていた。屋敷からずっと出ていない。護衛を数人と侍女を付けるという条件でやっとお出かけできることになった。


侍女と護衛一人が直ぐ側で、残りの護衛は少し離れた所で守ってくれていた。

久しぶりの街歩きは楽しい。見るものが全て新鮮だった。雑貨屋に入り姉夫婦にハンカチを買った。刺繍をしてプレゼントするつもりだ。侍女にはリボンをプレゼントした。


「お嬢様にこんな事をして頂けるなんてなんと言っていいやら。有難うございます。宝物にします」

「大事にするより使ってもらったほうが嬉しいわ。リボンくらいまた買ってあげるから」

「大切に使わせていただきます」

「そうして。護衛の皆には食べ物が良いわね」

「お嬢様はお優しいです」

「これくらいで?」

「世の中には使用人を見下す方が沢山いるのです。ヒギンズ侯爵家では待遇が良いので入れ替わりがありませんが、そうではないお屋敷も沢山あるそうです。侍女情報ですが」

「まあ、そうなのね。あっ美味しそうなクレープ屋さんがあるわ。行ってみましょう。生クリームがたっぷり入ってベリーもどっさり、私はこれにする。ミミはどれが良い?」

「お嬢様と同じものがいいです。買ってきますからお待ち下さい」

「わかったわ、護衛のみんなも注文して」

「お嬢様、仕事中ですのでご厚意だけで結構です」

「じゃあ帰りに串のお肉を沢山買いましょう。それならいいわよね」

「では遠慮なく」

「クレープ美味しいわね。あっ占い屋さんですって、行ってみたいわ」

「ゆっくり召し上がってからになさってくださいませ」

「久しぶりの外出だから嬉しくてはしゃいでしまったわ。はしたなかったわね」

「お嬢様はお可愛らしいだけでございますよ」



その時薄汚れた男が話しかけて来た。

「ロザムンド、ロザムンドじゃないか?僕だよパルシュだ。あの時はごめん、どうかしていた。君にどうしても謝りたかった。僕が好きなのは君だったのに」

ロザムンドの顔から表情が消えた。


「昔のことだわ。貴方にはなんの興味もないわ。好きだなんて気持ちの悪いことを言わないでくれる?薄っぺらい好きなんていらない。謝らなくてもいいわ。思ってもないくせに」

「本当に僕は反省をしているんだ。ごめんよ」

「だったら早く私の前から消えて、二度と顔を見せないで」


護衛たちが剣の柄に手を掛け始めた。じりじりとパルシュの喉に剣先を近づけている。尻もちをついたパルシュは必死で後退りしながら逃げた。

「お嬢様、帰りましょう。あんな者に最後に会ってせっかくのお出かけが台無しになりましたね」

「皆が守ってくれたから台無しではないわ。言いたいことも言えたし。串をたくさん買って帰りましょう。無事だったお礼よ」

「お嬢様はそうやって皆を泣かすんですから」

と侍女のミミが目を赤くして言った。



「ふーん、可愛いな、どうやってお近づきになろうかな」

遠くで見ていたフードを目深に被った貴公子らしき人物がぽつりと呟いた。

事件は解決しましたがまだまだ続きます。これから恋愛場面が増えます。

ヒーローが攻めまくりますのでご期待下さい。

誤字報告を有難うございます。とても感謝しています。

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