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Friend

ある朝、夢を見たんだ

学校で一人きり悔しむ俺に話しかけてくるお前

何ともない顔して周りと同じ空気な感じ

なんてことないさって励ましてきた

こっちのことも知らずに形だけみたいで

俺はそういうところが嫌いだった


小さい頃からいつもお前はそうだった

周りばかり意識しては自己卑下

和ばかりを優先して自分捨てて

そんな怖がり過ぎるところが大嫌いだった


負ける姿を見せたくなくて

安全通路しか選ばないところも

本当にしたいことがあるくせに

大切な人ばかり大切にしてやめようとするところ

顔色ばっかり伺って馬鹿みたいだ

臆病者すぎて嫌だった


生まれた場所は同じようなところだった

でも親は違って住み方も違ってた


だから性格も違ったんだろうな

俺は理屈ばっかりで話してたけど

お前は何も考えずに楽しんでいるだけ

感情ばかりのところも気に入らなかった


こんなに嫌いって言ってるけど

たまに居心地悪いだけで

軽蔑なんてしてなかった

ただもっと自分のために生きろって

俺はそう言ってた



親友なんて一人だけだって

自分がそうじゃなかったから意地張ってた

お前は何人いてもいいと少しだけ頑なだったけど


そうやって仲良しごっこして

周りに合わせて本当は言わない悪口まで

お前はそんな奴じゃなかっただろ

って言えないのは、ちょっと自信がなかった


小さい頃からお前はそうだった

周りに合わせてばかりの保身

でも俺が一人ぼっちの帰り道は

絶対に隣にいてくれた

それさえも少し煩わしくて

泣きたいときに来るもんだったから


それにいつもお前は俺について来ていた

同じ部活に入ってきて

ただ虐められたくなくてそうしたくせに

俺よりも全然運動強かった

そんなところも気に食わなかった


比べていないふりして

俺と戦う時だけめっぽう強かっただろうが

ふざけんな


俺がムキになって頑張ろうと決意したのも

お前の生き方が嫌いだったから

囲まれてチヤホヤされて

馬鹿っぽいお前がうるさかった


だから俺は自分の生き方にこだわった

自分優先で生きてやってお前に示したかった

こんなの怖くないぞって


でも本当はそんなんじゃなかった

いくら頑張っても

何しても

俺は何もできなかった

お前のほうが何でもできた

なのにお前は求めようとしないで淡々と

感情どこ行ったんだよ



他の人を大事にするようになって

俺の隣からいなくなることがふえた

いつも一緒にいてくれたのに

やっぱりダサいなって

もどかしくなって

逃げだしたりした日もあった


なのにお前は明日には声かけてくれて

たまに冷たい日もあった気もしないけど

他の奴とは違って俺を見捨てるような真似はしなかった


そんなところが悔しくて

カッコつけて出て行ったんだ

でも多分本当は、これ以上巻き込みたくなかった

お前はいいやつだから離れようとしたんだ


どこかで勝とうとしてたけど勝てなかった

勉強も運動もお前のほうができた

ただ生き方は負けたくなかったから

威張っていたかったんだ

強がっていたから頑張ってきた

でも俺はもう戦えない

全てまやかしだった


今までの生き方は俺のためなんかじゃなかった

カッコよくなんてなかった

お前を越えるためだった

どんな理由つけてもそこにお前への嫌悪があった


お前のことが嫌いだった

負けたくなかったんだ

周りばかり見て自分を犠牲にして

本当はもっと凄いくせに


そうはなりたくなかったから

自分はもっと凄いって思って欲しかったから

俺が見栄張って挑んでいく姿に憧れてほしかった

そうすればお前はもっと凄いやつになれたのに

なのにそんなの望まないなんて

嫉妬するだろ


俺はもうお前と戦うために戦わない

こんな嫉妬はここに置いて行く

勇気で戦っていくよ


俺はもう自分のために戦う

お前の生き方を否定するために自分らしくってのはやめだ

前を向いて戦うよ


あの日々の全てが嫌悪じゃなかった

お前が言う素晴らしさも理解できてたんだ

子供っぽすぎて毛嫌いしたけど


あの日々の中に価値がないとか

何度も言ってきたけど

もうそれも終わりだ

嫉妬に過ぎないから


俺はもうお前と戦うために戦わない

こんな嫉妬は置いて行く

勇気で戦っていくよ


俺はもう自分のために戦う

お前の生き方を否定するために自分らしくってのはやめだ

前向いて戦っていくよ


この生まれは呪いじゃない

呪うために戦うわけじゃない

解き放つとかのためなんかじゃない

ただ叫ぶために

叫ぶことが好きだから

この声よ、届け

もう過去に泥を塗らない

これからは未来の光のために




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