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危険な訪問者

 本当に強い魔力……何を探しているの?


 肌で感じる魔力に近づいていることを感じながら、私は慎重に歩みを進める。


 そして近くで木の枝が折れる音が聞こえ、身を低くして周囲を見渡す。


 そして……目に映ったのは。


「男の子? どうしてこんな所に……」


 何も感じない人間が見ればただの男の子。だけど、私には分かる。


 ドス黒い……異様な雰囲気が。


『セリナよ。油断はするな。とてつもない魔力の発信源は間違いなく彼奴からだ』


 言われなくても分かっているって。スカーレット。


 ここからじゃまだ遠い。せめて顔だけでも見られれば……。


 私は魔力を感じ取らせないように鎮め、息を殺しながら彼に近づく。


 ようやく男の子の顔が見える……そう思った瞬間、木々が揺れる。


「え?」


 彼の背後に巨大な熊の魔物が現れ、咆哮と共に地が揺れる。


「こんな時に魔物!?」


 魔物は男の子を視界に入れ、爪をむき出しにして襲いかかる。

 魔物は爪で少年を切り裂こうとするが、虚しくも空だけを裂く。


 目にも止まらぬ速さで魔物の背後を取った少年は火炎魔法を唱え、容赦なく魔物に放つ。


 魔物が火炎魔法に触れた瞬間、天高く火柱が上がり、魔物は断末魔を残し、炎と共に消える。


「魔物風情が……手間をかけさせる。お陰で魔力を辿るのは難しくなった」


 魔物を消した男の子はブツブツと呟きながら何かを取り出していた。


「何あれ……水晶?」


 水晶に向かってブツブツ呟き、数秒経った後、男の子はグルリと周囲を見渡す。


 気づかれると思った私は咄嗟に伏せ、再び息を殺す。


 男の子は深くため息をついた後、風景と同化するように消える。


 男の子がいなくなったのを確認した私は大きく息を吐いて、胸を撫で下ろす。


「はぁ……行ったみたい。それにしても結構な魔力量ね。それに唱え方に無駄がない。強者ね。果たして敵なのか……味方なのか」


『どちらにせよ、今は危機が去ったことに安心しよう。里の皆に報告を……』


 スカーレットが言葉を言い切る前に私は何かを感じ、背後に目を向ける。


「なるほど。魔物の気配に隠れていた気配はお前だったか」


「嘘ッ!?」

『こ、此奴!! いつの間に!?』


 男の子は既に火炎魔法を唱えており、火球が私に向かってくる。


 不意を突かれながらも、火球をギリギリで躱した私は男の子と距離を取る。


『気をつけろ! セリナ!』


 黙って!! スカーレット!! 集中できない!!


「躱した? ただの人間だと思っていたが……予想は外れているようだな」


 男の子は不敵な笑みを浮べ、私はいつでも魔法を唱えられる状態を維持しつつ、男の子に尋ねる。


「いきなり攻撃とはとんだご挨拶だね。お父さんお母さんから挨拶のしかたを学ばなかったのかな?」


「ふん!」


「で? 貴方は誰? ここに何をしに来たの?」


「人間のお前には関係ない。さっさと失せろ。でなければ、殺すぞ」


 酷い言葉遣い。それに人間って……見たところ、貴方も人間でしょ?


「へぇ……結構残忍だね。悪い子にはお仕置きが必要だね」


 男の子は目を細め、私を睨みつけ、私は余裕を見せるように微笑む。


 一瞬の静寂が訪れ、強い風が木の葉を舞いあげた瞬間、私たちは動く。


 男の子の近接攻撃を最小限の動きで捌き、適度に反撃を狙う。


 男の子も私の攻撃を冷静に躱し、お互いに接触しては離れ、接触しては離れてを繰り返す。


 数分ほど近接戦を行っていたが、埒があかないと感じたのか、男と子は再度火炎魔法を唱え、火球数発を私に向かって放つ。


 魔法をどこかで使ってくると予想していた私は火球を見た瞬間、軌道を見切り、水流魔法を唱え、水の矢で相殺を狙う。


 火炎魔法と水流魔法が接触し、お互いの魔法が消えたのと同時に、私たちは動きを止める。


「人間ごときが……俺の魔法を相殺しただと?」


「さっきから人間人間って……貴方も人間じゃない。それにごときって……何様のつもり?」


 あ、本音が出ちゃった……。


 自分でもビックリするくらい低い声で思いを口にしてしまう。


 あ~あ、男の子もビックリしている。


 驚きの表情を浮かべている男の子だが、数秒後には笑みを浮べ、嬉しそうな表情を浮かべる。


「あの方以来だ……久しぶりに敵わないと思ったのは。俺の名はティル。人間。お前の名は?」


「私は……セリナ。セリナ・スカーレット」


「セリナ……か。ククク……久しぶりに楽しかったぞ。今回はお前の底知れない力に免じて見逃してやる。いずれ、どこかで会うのを楽しみにしているぞ。それじゃあ……」


 ティルと名乗る男の子は一瞬にして姿を消し、完全に魔力を感じなくなり、今度こそこの場から去ったのを感じた。


『ふぅ……なんとかなったが、やはり手数が少ない故か、詰めが甘かったな……セリナ?』


 戦いに関しての感想を述べるスカーレットだが、私は男の子の名前に聞き覚えがあり、脳内で検索をかけていた。


「……ティル。ティル?」


『どうした? セリナ?』


 スカーレットの声に気づき、私は思い出すのをやめ、頭を何回か横に振る。


「取り敢えず……戻ろっか?」


『ああ。皆が心配している。戻るぞ』

いつもご覧になっていただき、ありがとうございます!

伊澄ユウイチです!

そして、更新が遅くなってしまって申し訳ございません。


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