閑話.元家族2
投稿が少し遅れました。
〈side:ガレン〉
「どういう事だぁっ、何故俺の店の売上が大幅に下がっているんだっ!?」
ユージとの縁を切った元父親であるガレンが、自分が経営している店のここ最近の店の売上が大幅に減少している事を、社長室で帳簿をつけながら苦し気に唸っていた。
その原因は幾つかあり、まず一つ目がただ単純に店への悪い噂が広がりつつあった事であった。
その悪い噂は、今までの社長やその社長夫人であるエレーナの実の息子に対する日頃の態度であったり、それに追加で、そのユージと同じく息子である騎士団に所属するエレンが、王都・国を守る騎士だと言うのに、住民が居る中で本人であるエレンの血のつながった弟だというのに殺害宣言をし、それに同調兼庇うかのように親であるガレンとエレーナがした事で、完全に悪い噂が正確に広まったり、誇張されて広まったりして、幾ら品質的に良くても立ち寄る客数が減ってきたのであった。
そしてもう一つあって……。
「社長っ!報告がありますっ!」
「入れ。」
「急ぎの連絡があります。また仕入れた品の品質の劣化が早いですっ!!」
「またなのかっ!これで何件目だっ!?」
そう、今まで通り商品を仕入れてきた際に、毎度同じ所から仕入れてきていたのだが、毎度、此間までよりも全体的に品の劣化が早まり、今まで新鮮だと言われる程の鮮度を売り儲けてきたのだが、ついこの前から、鮮度の落ちが早かったり劣化が早かったりして、売上が大幅に減少していきた。
これに対してガレンは、取引先に連絡兼苦情を入れたのだが、今まで通りの品や品質だと返答され、『もう良い、取引は中止だ。』と取引先との取り引きを切り捨て、新たに、そしてまた望んだ物が来ない、そしてまた新たにと言った感じに、転々と取引先を変えていき今に至る。
本人には自覚は無く、また店員である部下達も長い間、ガレンが経営する店で働いていた為、同様に原因を把握しておらず、ただ混乱するだけであった。
少しでも、他の所の店舗に行き、確認を少しでもすれば、どこもかしこも品質に違いはあり優れた物もあるが、ガレン達が経営して売り出している商品よりも品質が若干劣っている事に気付けたはずであった。
結局、ガレン本人もそうだが、部下達も今まで甘い汁を吸っていた、ただの三流店員であった。
で、根本的な原因は、ユージの加護の影響があった。
ガレンやエレーナやエレンもだが、店自体にも少しだけだが加護があり、その加護の効果が主に品質上昇や品質維持、そして建物全体には強固の効果があった。
肝心のガレン本人には、ある程度の商人に因んだ向上効果あり、ある程度商売が下手でも直ぐに一流の商人……だと思わせる効果があり、周りから見たら、かなりのやり手や有力先であると思わせる事であった。
その為、相手先からも良い条件での取引であったり、かなりの客足があった。
だが、本人達は気付かず、自分達の恵みの効果を手放してしまったという事であった。
まあ、完全に自業自得であった。
それから僅か数か月で完全に赤字所では無く、店員兼部下達にも給料が払えなくなっていき、自然的に落ちぶれる事になる事が確定したのであった。
そしてその数日後に、ユージとローナの噂を聞くことになり、その噂にガレンだけではなく家族皆が驚愕する事になる。
〈side:エレン〉
「ちっ、登録を頼む。」
「………氏名と具体的な戦闘スタイルの記載を。」
「……。」
現在、王都の冒険者ギルドに、エレンは冒険者登録を行っていた。
理由は単純に、自分が犯した罪により、騎士の称号を剥奪兼解雇をくらい、その際に犯罪行為を行った際の膨大な罰金がある為、働かなければならなかった。
しかし、もう既に自分のしでかした事が住民などに広がったり、自分の親が経営する店の最近の売上も落ちてきている事もあり、必然的に基本誰でも登録可能な冒険者ギルドで依頼を受けざるを得なかった。
その際にも、勿論冒険者ギルド自体にも話は広まっているので、現在の様に受付嬢から冷たい視線と態度を受け取る羽目になった。
(ちきしょうっ!何で俺がエリート人生を歩めるはずだったのに、こんな場所で働かなければならないんだっ!?それにこんな目に合うんだっ!!)
と、本人は憤っているが、完全に自業自得なのである。
そして今現在も、自分の仕出かした事の話が広まっている為、冒険者として登録する際にも、受付嬢だけではなく周りの冒険者達やギルド職員から冷たい視線を貰ったり、話のネタとしてエレンを嘲笑う者までいた。
「はい、ご記入ありがとうございます。一応確認です。今まで冒険者登録を行った事はありますか?」
「あ?そんなもんねーよ。それがどうした。」
「ああ、それでしたら、念の為当冒険者ギルドという機関の規則について説明させて貰います。」
「んなもんいらねーよ。それより依頼をくれ。」
「はっ?」
受付嬢は、冷めた表情をし嫌そうにしつつも、冒険者ギルドのギルド職員としての責務を全うしようとし、規則通り冒険者ギルドの必要最低限の説明をしようとするが、それ以前に、説明を受ける必要がある本人であるエレンが、舐めた態度や言葉を吐きつつ説明を受ける事を拒否した。
「あの、エレン様?この冒険者ギルドに初めて登録した際には、必ず冒険者ギルドの規則の説明を必ず受けなければなりません。これは鉄則です。」
「あ?俺を舐めているのか?たかが冒険者ギルドなんて俺なら余裕だわ。なのに、何でそんなめんどい事をしなきゃならん。」
「……あの、そこまで言うのでしたら、何故この冒険者ギルドへと冒険者登録しに来たのでしょうか?嫌ならこなければいいじゃないですか。」
「何だ?俺に口答えするのか?舐めてのか?」
「舐めているのはおめぇだよ。」
「横から口を挟むなよ?誰…だ?」
「俺だ。」
たかが冒険者ギルド、たかが冒険者ギルドの受付嬢だと高を括り、傲慢な態度で話していたエレンに、流石に我慢できなかったのか、近くに通りかかった一人の男性冒険者がエレンに声をかける。
その男性は、エレンよりもそして一般男性よりもかなり巨体と言っても良いほどの体格で、背中に斜めに3メートル弱程の長さ大剣を背中んい背負い、かなり丈夫そうな皮(魔物の皮)の防具を着込んでいた。
兜自体は戦闘時ではない為外しており、素顔も見える。
「で、お前さんは、最近噂になっている犯罪者様のようだけど、その犯罪者様が俺達冒険者ギルドを下に見る事が出来るのかぁ?」
「うるせぇ!俺は何も悪い事はしちゃいねぇ!せっかく教育しようとしたのに、生意気にも反抗するあいつが悪いんだろ!」
「うわっ、ここまで人として終わっている奴は、相当久しぶりに見たな。で、結局犯罪を犯したお前よりは、冒険者ギルドは上だと思うぜ。なっ、犯罪者さん。」
「お前っ!」
「おっと、ここで武器は抜くなよ?そしたらまた犯罪者としての経歴を積むぞ?」
その冒険者の男性は、エレンの事を気に食わなく、全部事実だがかなり馬鹿にしたかのようにエレンへと告げる。
その様子に激高し、また一目の付く場所で抜剣しようとするが、流石にここでやるのはマズいと判断した男性冒険者は、控えるように言う。
その男性冒険者の言葉で、流石に気付いたのか、エレンはハッとして剣の柄から手を放す。
「おいおいマジかよ。まさか剣を抜こうとするなんてな。堪忍袋小さすぎないかぁ?まあいい、で、お前は俺達冒険者達や冒険者ギルドを馬鹿にしていたが……。」
「何だよ、事実だろ?事実を言っちゃいけねーのかよ。」
「はぁ~、ここまでアホだと思わなかった。……で、これを浴びていても同じことが言えるのか?えぇっ?」
「………。」
エレンは突然目の前の男性冒険者から威圧を受けることになった。
流石に相手も付き合っていられなくなったのか、それともただの牽制なのか、若しくは言動に対してキレたのか分からないが、目の前の男性冒険者がエレンをビビらせる程の威圧を出す。
その際に、エレンは騎士団に入った物の甘い蜜しか吸っていなかったのか、威圧への耐性は殆ど皆無であり、諸に受けたエレンは唖然としながら下から黄色い水を垂れ流していた。
「俺はこれでもCランク冒険者でな。実力的にもCランクだと自負している。お前が侮っている冒険者ギルドのCランクの威圧でこれだ。……お前、これでも馬鹿にできるだったら、自分の事見直した方が良いぞ?どの口が言ってるんだってな。」
「………。」
未だ威圧による恐怖でガクガクと尻もちを付いて震えているエレンに、まるで最後通達だと言わんばかりに告げる。
そして周りで見ていた冒険者達やギルド職員まで、エレンの無様な恰好に大笑いしていた。
エレンはハッと気が付き、自分の状態や周りの状態を確認して、屈辱で顔を歪ませるが、流石に冒険者登録しなければならないと思い、受付嬢の説明を聞いた。
エレンにとってかなり屈辱的な出来事であり、勿論、その醜態も周りの人達に広まり、話の虜にされたり陰でコソコソと言われていたりしていた。
だが、本人の没落はここからの始まりであった。
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