35.フェル君への報酬
遅れてすみません。
「ああ、やはり戦争になりますか...。」
「まあそうなるよな。」
今俺達の目の前には、避難しようとする迷宮都市に住んでいた住民や商売目的だった商人や観光目的や立ち寄った者などが各方向の門から出て移動したり、騎士団や憲兵が避難誘導をしている。
皆がかなり緊迫した様子であることが表情に出ている。
そしてこの光景を見ている青華のパーティーと緋翼のパーティー全員が驚き困惑している。
「これはどういう事だ。何があったんだ?」
「緊急事態か?」
「急いで事情を把握しないと。」
と、緋翼のパーティーがいち早く我に返り、現状を把握するために急いで都市の中に入ろうと門をくぐろうとする。
それに青華のパーティーもハッと我に返り、緋翼のパーティーに続く様に走り中に入ろうとする。
取り敢えず俺達はこれまで馬車を引いてくれたフェル君に、感謝の言葉とお礼の品の神器を上げることにした。
「フェル君ありがとね。ここまで私達の馬車を引いてくれて。」
「助かったよ。」
「ううん、僕も引いて歩く事は退屈だったけど、移動の時の会話が楽しかったよ。」
「今回のお礼というか報酬を上げたいと思うんだけれども。」
「わーい!ありがとう!...で、今すぐに貰えるの?」
「ああ、ここで出すのもアレだし、フェル君、君ストレージは使えるのだろう?」
「うん、さすがに擬態は出来なくてもストレージは使えるよ。」
「了解、今ちょっとハッキ...ゲフンゲフン、神器を直接異空間収納内部に送るよ。」
「えっ?出来るの...?それに今ハッキングって言わなかった?」
「......送ったよ。」
「ねえ、ねえってばぁ。」
「......大丈夫だ。性能はそこそこ良いから不満は無いと思う。」
「僕の異空間収納に干渉できる事自体が不満なんだけど!」
「まあお疲れ様。良い馬生(天馬生)?を!」
「うひゃああああ!!」
神器を渡した(フェル君の異空間収納に送った)後、俺は強制送還させ一連の顛末に終止符を付けたのだった。
「ユージ、良い雰囲気で終わったかのような表情や流れになっていますけど、最後かなり失礼というか酷い事していますからね?」
「...はい、すみませんでした。」
何故かローナに逆らえない俺でした。
『マスター、私も酷いと思いました。』
ソールにも言われました。
『所で、個体名滅天馬ペガサス・フェールトに渡した神器の件について疑問に思った事があるのですか...。』
(どうしたんだセイちゃん)(どうしたのですかセイ?)
『あの神器はユージ様基準のそこそこ良い代物なのですか?』
(そうだが?それの何処に問題が?)
『ただでさえ、我がマスターであるローナ様のお使いしている二振りの斧のイルガルとイルゲルという破格の能力を保有している神器が、当初ユージ様が普通だろとおっしゃっていたのですよ?今回作った神器はそこそこ良いとおっしゃっていたので、通常の神器の性能よりもかけ離れているのでは無いかと思うのですが...』
『(あっ)』
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〈side:ペガサス・フェールト〉
「............。」
「どうしたの?突然いなくなったと思ったら急に現われて。」
「...あ、ああ、何でも無いよ、うん、本当に。」
「そーなの?まあ、フェ-ルト君が何でも無いって言うなら別にいいや。」
今より幼い頃から一緒にいた友達のシャルちゃんに呼びかけられて、ハッと我に返った僕はシャルちゃんに何でも無いと返事を返す。
その僕の様子にシャルちゃんは不思議がって居たけれども、僕が何でも無いといったから直ぐに流す事にした。
「で、何処に行っていたの?」
前言撤回だよ。かなり気にしているらしい。
「ちょっと下界で召喚されたから、応じて行ってきただけだよ。」
「え?フェールト君を召喚したの?何その下位者。」
「僕も驚いたよ。まさか、僕ら滅天馬を召喚できるなんてと思ったけれども、どうやら下位者では無かったみたいなんだけれども...。」
「半人半神・亜神だったの?」
「いや。階級は聞いて無かったけれども神の力に準ずる人だったよ。」
「それ本当?」
「うん、実際に神器貰ってきたから。」
「えぇー!?本当に!!」
「うん、そうだよ。あっ、そう言えばまだ確認していなかったね。今から見てみるよ。」
そう言いつつ、僕は異空間収納から神器らしき物を取り出してみる。
〈鉤爪:マルトレイ〉
〈階級:神器級?〉
〈能力〉
・攻撃力100000+攻撃力20倍
・属性強化(光・火・焔・破壊の威力10倍。)
・不壊
・属性付与
・絶対貫通
・遅延付与(攻撃した相手に回復・修復の効果を遅延させる。実力差によって遅延では無く無効を付与する。)
・多段倍加(攻撃を与える度に1.1倍、1.2倍と攻撃力を加算させる。上限は無い。)
・神呪壊(相手の神力・混沌力・天力・暗黒力を含んだ攻撃を破壊する事が可能。)
・効果倍加(この武器での攻撃時、相手に与えるデバフ効果を5倍にする。)
・自動瞬間修復
・自動サイズ・形調整
・瞬間装着
・使用者登録(現在個体名滅天馬ペガサス・フェールトに固定されています。)
〈制限〉
・特になし
〈説明〉
・唯一無二の武具
・本来階級は神器級となる筈だったが、超越者の神力と混沌力によって創造された事により、神器級と記載する事が出来ず、?と表する事になった。
・素材は創造された物だが、大いなる世壊の甲羅亀の甲羅を加工して作られた。
・個体名ペガサス・フェールト専用武器として作られた。
・ベースを白色で所々赤色と金色の装飾がされ、刃の部分は黒く染め上げられている。
この神器を鑑定した僕らは驚き固まり、しばらくの間ポカーンと口を開け放心していた。
そして1分後に、我に返った僕たちはお互いの顔を見て口を開く。
「ねえ、想像以上な代物だったんだけれども。」
「それに聞き覚えのある製作者名だったんだけれども。」
「確かお伽噺の中で出てくる、完全無欠な英雄の存在だったよね?」
「......本当にいたんだ。」
もう武器の性能以前に、善神を救世主であった超越者の存在に目が行ってしまった。
うん、ちょっと驚いたかな。うん。
『えぇぇぇー!?』
天界に僕らの絶叫が響いても仕方ないんだと思うんだ。
ていうか、やっぱりちょっと所じゃないよ。かなり驚いたよ。
その後、絶叫の声にどうしたと様子を見に来た他の同族(天馬)に事情を説明すると、僕たち同様に皆が驚き固まっていた。
貰った神器を絶対に大切に使おうと思いました。
...今更思ったんだけれども、貰った神器を解放させたらやばいと思うんだけれども...。
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次回は、出来れば早めに投稿します。
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