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超越者の冒険録  作者: 油ーラ
2章.迷宮都市アルテルナと1つ目のライフガベレージ
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30.閑話.アルテルナ伯爵2とアルマン王2

今回はアルテルナ伯爵とアルマン王の閑話です。

物語に必要なシーンなので投稿させてもらいました。

そして今回はいつもより長めです。(まあ日頃の文字数が2000から3000文字と少なめなので余り変わらないですけど)

そして申し訳ございませんでした。投稿時間の設定ミスで投稿がかなり遅れてしまいました。

〈side:アルテルナ伯爵〉



「報告します!魔族がこの都市に侵攻中の事です!」

「何!それはどういう事だ!詳しく言え!」


迷宮都市アルテルナを統治している伯爵の怒鳴り声が、執務室に響き渡る。

かなり緊急事態で最優先事態だと判断したのだろう。伯爵は手元にある資料関係を手放し、椅子から立ち上がり連絡係の人物に問い詰める。

だが、予想外な事でそして最悪の事態だと分かる伯爵は、鬼気迫る表情を浮かべつつ冷や汗を流す。


「はっ!魔国との国境線に、大人数の武装した魔族を発見しました。しかもこの都市に侵攻中の事です。」

「どうなっていやがる...。前に報告を受けた時は国境線付近にチラホラ見えただけでは無かったのかっ!」

「それが恐らく陰密を隊全体に掛けていた可能性があります。」

「何を馬鹿な事を言ってるんだ!長時間魔術やスキルを使うのは現実的に不可能だろうがっ!」

「はい、だから相当な異常事態なのです!」

「...そのような芸当ができるとしたら...。何だ?その様な兵器を開発したのか?それともそのような魔術を開発したのか?......取り敢えず、各役職の責任者を会議室へ呼んで来てくれ。具体的な話はそれからだ。」

「はっ!かしこまりました。」


報告係が執務室から慌てて退却すると、伯爵は思わず溜め息をついた。

そして黄昏れる様に執務室の窓から外の活気のある都市の様子を眺めて呟く。


「はぁ~。...俺の平穏は何処行ってしまったのか...。まあ、この都市を守れる様に奮闘しますか。」


それから数分後、それなりの広さを誇る会議室には、伯爵本人を含め数人が長机を挟み顔を合わせて深刻な表情を浮かべていた。


「諜報部隊からの報告は誠か?」

「はっ、魔国の軍勢が凡そ5万だと思われる程の規模で御座います。」

「...で、進行方向は?」

「はっ、辺境伯領土に向かわず真っ直ぐこちらに向かって来ています。凡そ1週間後にこちらに着くとのことです。」

「......そうか、こちらに一直線にと...。目的はダンジョンによって生まれる資源か?それ以外に狙う理由が分からない。それに周りを堕とさずに来るという事は、相当自身があるということか?ここを堕とした所で周りから包囲されたらおじゃんだろうし...。分かった、騎士団の一部は民間人の保護及び避難活動を頼む。そして何人かは魔族達の様子を見てきてくれ。移動速度や進展だけで良い、見つかり捕まる可能性は無くしたいからな、近くなくて良い。そして残りの者達は余所の都市・町・村へと避難するように準備してくれ。」

「...あの伯爵様は?どうするおつもりで?」

「ん?俺か?勿論、指揮を取る。」

「そんな危険です。伯爵様!」

「そうです、避難民達とお逃げください。」

『そうです!』


伯爵が各自に確認を取り、指示を出し自分も残る事をその場にいた者達に伝えると、皆から一斉に止められる。


「ははは、死に行く事は無い。余所から援軍が来るまで粘るつもりだ。それよりも、魔国の進行の件は各地の領土や陛下にも伝わっているのか?」

「はっ、国境線にいた者が魔道具の対話の水晶にて報告しました。」

「...分かった。では各自それぞれの役割を全うせよ。そして騎士団長。」

「はっ、何で御座いましょうか?」

「あの少年少女を呼んで来てくれないか?」

「あのユージとローナという者達でしょうか?」

「ああ、彼らには悪いが今回の戦争には参加して貰う。勿論、ギルドに指名依頼として戦争の参加の件についても知らせるように。」


この瞬間、ユージとローナの戦争参加が決定した。


伯爵本人は、成人仕立ての少年少女らに戦争を体験させる事に、自分自身猛烈に嫌気がさし苦い表情を浮かべていた。


「はっ、かしこまりました。...でもその少年少女はCランク昇格試験の途中だと思われますが...。」

「ああ、だが試験開始から数日は経っているだろ?戦争が起こるまでには間に合うだろ。」

「はっ、分かりました。その少年少女がこの都市に帰還した際に、依頼の件と伯爵様との会談の件を伝えておきます。」

「分かった、よろしく頼む。」

「はっ!」


それから少しの間、各自の確認したらそれぞれが己の役割を全うする為に、直ぐに会議室から出て行く。


(この魔族との戦争という事態の結果は、それこそ神のぞ知ると言うべきだろう。)

そんな事を伯爵は思いつつ、気を引き締めるのであった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



〈side:アルマン王〉



王都アルデンにある王宮では、現在喧噪が飛びかっていた。


「おい、魔族共の軍隊が迷宮都市へ進行しているらしいぞ。」

「おい、それは本当か!?」

「ああ、本当らしい。俺らの雇い主が言っていたんだ。」

「戦争か?」

「ああ、戦争らしい。」

「でも何でだ?普通、自分の領土の近くから攻めていくだろ?何でわざわざ迂回してまで迷宮都市へ攻めるんだ?食料などの問題もあるだろ?それにかなりの距離だろ?そして何で地方から包囲されるリスクを冒すんだ?」

「迷宮都市は、その名の通りダンジョンがあるから資源をダンジョンで賄うつもりなんじゃないか?」

「そうか、でも包囲されるリスクはどうなんだ?」

「けっ!奴等はかなり自信家なのだろうぜ。まあ確かに俺達人族よりも身体能力やスキル等の能力が上だろうけど。...面白くねぇな。」


王宮内の通路からその様な話声が聞こえてくる。騎士だけでは無く、王宮内の仕事を担ってるメイドや執事や研究者達等からも聞こえる。

果てには、現在アルマン王の目の前にいる貴族達も、ガヤガヤと騒がしくしている。


何、相手は5万の魔族達だ。数で押せば勝てるだろう。兵士達に任せれば良い。と、他人事の様にいい功績を我が物にと企む者や。

何、じゃあ誰の軍隊を出すんだ?私(儂・俺)の領地は迷宮都市からかなりの距離離れているし、何よりも実力不足で無理だ。と、自分の領地の兵・軍を出し惜しむ者や。

極僅かだが、今すぐに応援に駆けつけ魔族の軍隊を協力し、打倒せねばと意見を言う者等。


王宮内にある会議室では、貴族同士でこの様に醜い言い争いが起こっていた。


アルマン王は、一部の者には賞賛を内心送り、現在の状況に溜め息を尽きたくなった。

非常事態と言うのに己の利益しか考えないとはな...。全くもって呆れる。


(今、迷宮都市にはあのお方達がいる。最悪は余が出貼る事になりそうだな...はぁ。)


アルマン王は、内心の気持ちをグッと押さえ込みつつ、貴族達に向かって口を開く。


「静まれ、今は非常事態だ。一刻も争う案件だ。」

「失礼ながら陛下、何か良い案はあるのでしょうか?」

「ああ、今すぐに各自領に戻り、軍隊を用意せよ。辺境伯の領土は各国からの侵略を防ぐために、領で直ぐ出陣出来るように待機せよ。そして自信が保有する兵が500名を切る者は辺境伯同様に待機。他の者達は各自近場の領の者達と合流し、迷宮都市アルテルナに集結せよ。余、自らが先陣を切る。」

『はっ!仰せのままに!』


さすがに自軍の損失を渋る者でも、王の命令を断れる訳が無く素直に戦争に参加する事にしたらしい。

まあ、功績欲しさの者達は、嬉々として参加していたが。


「では、今すぐに準備をしてくれ。それとお前、最上級職業の3人を連れて来てくれ。今、あの者達の冒険者ランクはDランクになったばかりだそうだが、魔族との戦争に参加して貰う。申し訳ないがな。」

「は、かしこまりました。直ちに呼んで来ます。」

『その必要は無いですよ?』

『っ!?』


アルマン王が、近くにいた文官の者に連れて来る様に言い、文官の者は了承し直ぐに連れてこようとしたが、その時に貴族達やアルマン王の間の真ん中に、突然2人の姿が見える。


その2人が現われた事で、アルマン王や一部の武道を囓っている者は警戒し、その他の者達は突然現われた2人に驚きと戸惑いを覚えて、周りがシーンと静まった。


その2人は、片方は白色のロングヘアーをし、瞳は青紫色をして目元は少しキリッとしている。顔立ちは、目元の影響もあるが少しキリッとした顔立ちをしていて、可愛いと言うよりも綺麗と称した方が良い。

そして、服装も純黒で装飾に青多め赤少しの装飾が施された戦闘に適したドレスローブを着こなしている。

そして体型は、そこそこ長身でありかなり豊満な体型をしたいる。まさしく出るところは出て、引っ込む所は引っ込んでいると言う体型である。


もう片方は、黒色の肩に少しだけ掛かる位の髪の長さのストレートで、瞳は黄色でクリッとした目元をしている。そして顔立ちは少し幼さを残していて可愛い顔立ちをしている。

そして服装は、純白で黄色多めと赤色少なめの装飾が施されている戦闘にていしたドレスローブを片方と同様に着こなしている。

そして体型は、一般女性の平均位の身長で、胸部はそこそこという感じである。見た目通りの年齢ならかなり良い体型をしている。


そして、両者とも共通している部分がある。それは...。


「お主ら一体何者だ?この会議室は魔術が使えないはずだが...。そして非常に見覚えのある人物の顔立ちに似ているのだが...。」

「あら、アルマン王ご機嫌よう。いえ、さすがにあの時は、さすがに私の事を()()()()()()()()()()()()?まあ、用事があってきたわよ。」

「初めましてですアルマン王?私はお姉様に着いてきただけだけで、要件はお姉様が話すらしいです。」

「...で、結局、お主ら何者だ?顔立ちからして何となく予想は付くが...。」


突然の乱入者に固まっていた貴族達も警戒していた貴族達もようやく自然体へと戻ってきた。

だが、その後に直ぐに類い希な美貌を放つ2人に欲望に忠実な貴族達は目を奪われ、欲望に濡れた視線を向ける。武道に通ずる者は、確かに2人が現われた時は異常性を感じ、警戒をし腰や背中に携えている武器を抜けるように手を武器に掛けていたが、2人から何も圧を感じられないし立ち姿や仕草から素人だと判断し、武器から手を離し主人の下へと戻る。

だが、アルマン王と弟と一部の近衛騎士だけは違い、その場の異常性やその2人の人物の事や異常性について理解出来ていた。

だから本人達は、かなりの量の冷や汗をかいている。貴族共が何か無礼を働かないかという事で。


「そうだったわね。では改めて自己紹介しましょうか。私の名前はソールです。マスターであるユージ様の命でここに来ましたの。」

「私もしますね。私の名前はセイ。マスターであるローナ様とソールお姉様の付き添いで来たの。よろしくね。」


その発言に貴族達やその付添人や騎士達の全てが唖然とする。何せ、ついこの前に決闘に参加していた人物を主とした人物と、その決闘騒動の原因とも言える最上級適正職業の聖女を主とした人物が目前に突然現われたのだから。

取り敢えず、皆の者が下手な事をしないようにと、アルマン王はソールとセイの2人に向かって口を開く。


「で、本日はどのご用で?」

「そうね、ここい来た理由はマスターであるユージ様から伝言を授っているのよ。」

「...その伝言とは?」

「簡潔に言うと、これから起こる戦争の事何だけど、マスターが解決するから、とのいう事。」

「それは誠か?...いや願ったり叶ったりだが、本当に良いのか?」

「ええ。どうせ援軍が来た所で意味が無いからと。」

「ふざけるな!俺達を侮辱しているのかぁ!」

「あら?どちら様で?」


と、アルマン王とソールの会話に横やりを入れるように乱入してきた兵士は、その場で己の得物である直剣を抜剣する。

どうやら、侵入者が現われ排除し、己の手柄に出来ると息巻いている様子であり、もの凄く興奮気味であった。


「アルマン王、何ですかこの小童は?」

「すまない。今すぐに止めさせる。」

「陛下、この不埒者を如何なさいますか?今すぐに我が直属の騎士が生け捕りにしましょう。お前達、あの愚か者達を捕縛せよ。」

『はっ!』

「ちょ、お前達何をやっているんだ!?」

「良いですよ。たまには運動もしておきたいので。」

「そ、そうですか...ゲフン、そうか分かった。」


何処かの馬鹿貴族が、ソール達に喧嘩を売りつけてきてアルマン王は溜め息を吐く。

そしていざこざを許容したソール達は、馬鹿貴族の騎士達に向かって一歩踏み出すと、急加速して懐に入り込み、2人同時に相手の胴体へと殴りつける。

その際、殴り付けられた騎士は宙を舞い、頭からという訳では無く背中から地面へと落ちたが、無事という訳では無く、殴られた胴体に強烈な痛みを感じながら気絶した。

実際、騎士の懐に入り込む際はかなりの速度というかアルマン王とその弟が、かろうじで視認出来る位の速度であった。


だから周りから見たら突然現われえた様にしか見えない。なので周囲の者達は唖然とするが、次の瞬間完全に凍りつく事になる。


ソールとセイの手元にはいつの間にか武器が握られていた。

その武器は、ソールは自信の等身よりも遙かに大きく長い漆黒の処刑鎌とセイが柄の部分が青色で刃の部分が純銀の大太刀が握られており、既にその武器の刃の部分が、捕えるように命じた馬鹿貴族の首元と、捕えようとしていた騎士のリーダー格の人物の首元に供えられていた。


その光景にアルマン王やその弟や一部の近衛騎士以外が「有り得ない」という表情を浮かべる。

それ程までに異質な光景であった。

そしてアルマン王達は、心底から溜め息をついた。


「で?まだ続けるおつもり?」

「なんならお付き合いしますけど?」

「いや、もう良い。...それで、ユージ殿とローナ殿が今回の魔族による侵略戦争を解決してくれるのか?」

「ええ、その認識で構いません。今回は、少々面白く無いから潰すとの事です。」

「......分かった。では今回の件は任せる事にする。私からも指名依頼として出しておこう。」

「ええ、では機会がございましたらお会いしましょ?」

「ではさようなら。」

「いや、最後に質問良いか?」

「はい、何でしょうか?」


転移してユージとローナの元に戻ろうとしていたソールとセイは立ち止まり、アルマン王の方へと向き直る。


「確かお主のマスター達には片方は血が繋がっておる兄がいて、もう片方は一人っ子だったはずだが...。なぜ、お主達は顔立ちが似ておるのか?そして何者だ?」

「ふふふ、アルマン王、実際の質問が2つなのですが...。まあ良いでしょう。一つ答えられるのは、私達はマスターの能力によって作られし力の結晶的存在です。」

『なっ!?』


ソールの正体を話す事によって、アルマン王だけでは無く、その場にいた全員が驚きに満ちあふれた。

なんせそれは...。


「それは...どういう事だ?」

「そうですね...。貴方達人類が扱っているスキルや能力が自我を持って作られた存在というべきでしょうか。」

「そうですねお姉様。...まあ私は生まれたばかりですけどね。」

「...そんな事不可能では...?人工人間すら作れないと言うのに、自我を持つ能力なんて...。...今更だが、こんな事言いふらしても?」

「別に構いませんよ?...だってどうせ。」


ソールのおアルマン王からの質問に対しての答えに2つの意味が含まれていた。

1つは絶対に実行できないだろうという含みと、もう1つは知った所で、マスターどころか今現在アルマン王達の目の前にいる私達すらどうする事もできないだろうという含み。


その事を、アルマン王だけでは無く他の貴族達も察する事ができた。

さすがに、先程自分達よりも隔絶な実力差をマジマジと見せられたせいで、いつも自分本意で自分勝手な貴族すら反論する事すらできなかった。


「では、もう良いですね?それではさようなら。」

「さよならです。」


ソールとセイは別れの挨拶を言い転移で会議室から消え去る。


この会議室には、貴族達や騎士達により少々重苦しい空気が漂う事になる。

その事にアルマン王は、何度目になるか分からない溜め息をつくことになった。

ついにソールちゃんとセイちゃんの登場です。

戦争についての説明をする時に、アルマン王にのみ念話で伝えるのは他の貴族達がイチャモンを付けてくるだろうとユージが判断し、アルマン王と貴族達が集まったタイミングで、自分が直接戦争を終結させると宣言しに行って貰った。という所です。


そして、ソールちゃんとセイちゃんは、マスターであるユージとローナちゃんの能力や身体能力をある程度使用する事ができます。(軽く最上級神を上回り、一番古きそして強い原始の大八柱よりも上です。というかユージとローナちゃん同様、何でもありな存在です。


今回もこの作品を読んで頂きありがとうございました。

誤字脱字や感想や評価なども頂けたら有り難いです。

次回も出来れば早めに投稿します。

次回もこの作品をよろしくお願いします。

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