19.青華と赤き爪の模擬戦と呪具
すみません、最初の方は説明に近いです。というか説明です。
一応、後の物語に関わってくる物なので、すみませんが読んで頂ければ有り難いです。
挽回のようですが、後半部分はしっかりと物語を書かせて頂きました。
「あれは呪具か。」
「呪具?何ですかそれは?言葉からして縁起の無いような物そうですけど...。」
「ん?ああ、イメージ的にだけどな。別に呪具自体が禁止物という訳じゃない。簡単に言ってしまえば、代償型魔道具・装備という代物だ。例えば素早さを落とす代わりに攻撃力を遙かに向上させたり、防御力を落とす代わりに魔力や魔攻撃力を向上させたりするというのが一般的な物だ。」
「一般的な物?では、他にもあるのですか?ステータス変化以外の物で?」
「ある。自分自身や他者に特定の状態異常を掛けてる物だ。度合いよるが、一般的な呪具よりも遙かに性能が良い。自分の利き手では無い方の腕を完全に麻痺状態にし、その分、特定の分野の能力値を上げたり、思考錯乱...狂化状態にして、火事場の馬鹿力となる物もある。」
「何か恐ろしいですね...。」
「そんな事は無い。さっき説明した麻痺させ能力向上を計る呪具は、医療の応急処置の代わりにもなる代物だ。全身を程良く痺れさせ、擬似的な麻酔投与を引き起こし、メリットの部分で自然治癒力を高めるという使い方もあるし、戦闘中では、強力な状態異常にする代わりに一時的な戦闘力向上を計る事ができる。」
「へ~、そうなんですか。そうですと、やっぱり強力な呪具程、階級も高そうですね。あの人達はどこで手に入れたのでしょうか?」
と、俺達は、青華のパーティーと赤き爪の連中の模擬戦を見ている。
状況は、赤き爪の連中が青華のパーティーを押しているようだ。
青華のタンクのダイダートが、ヘイトギャザーと言う取得が困難なスキルを使い、赤き爪のアタッカーの攻撃を全部盾で受けて耐えているが、赤き爪の攻撃が重く強いらしく、防ぐので精一杯らしい。
それを補佐するように、ヒーラーのケイリとサポートとしてフェルトが補助魔術を使っているが、攻撃に移れない程、余裕が無く後手に回っている。
アタッカーを担当しているリンは、赤き爪の後衛の弓の矢とタンクで牽制されて、うまく攻撃に移れずにいた。
青華のパーティーは、このままでは手詰まりな状況になる。
「でもおかしいですね?確かに呪具で能力値が向上していても、本来の5倍以上の上昇値ですよ?呪具が無ければ、圧倒的に青華のパーティーが有利...というか、あっという間に勝つでしょうに。本来、あの赤き爪の人達はDランクになれるほどの能力値で無いでしょうに。」
「......ローナ、あの赤き爪の連中が身に付けている呪具のアクセサリーを鑑定してみろ。」
「な、何ですか?急に怖い雰囲気でそんな事を言って。今見てみます......、何なんですかぁ!これは!ユージ、こんな物が呪具にはあるのですか!?この呪具は最悪です!!」
そう、模擬戦開始から数十秒後に、さすがにおかしいと思ったので、呪具に鑑定を掛けた結果、違法に認定される類いの呪具であった事が分った。そしてその呪具が、かなりの駄作だと言うことも分った。
鑑定すると...
〈アクセサリー:怨悪のネックレス・撃〉
〈階級:上級・呪具〉
〈性能〉
・攻撃力上昇(装着者の5倍)
・魔攻撃力上昇(装着者の5倍)
・素早さ上昇(装着者の2倍)
・知覚力上昇(通常の2.5倍に上昇する。)
・自動体力回復(1分に1%)
・アイテム隠蔽(他者からは違う物が見える。)
〈代償〉
・製造時、生者50名の魂の消費
・装着者、取り外し不可
・常時興奮状態(弱)
〈説明〉
・上級適正職業の上級錬金術士が製作した物
・製作時に、50名ほどの生者を生け贄にし、魂を消費し作られた物。その影響で、装着者本人には、軽い代償となった。
・製作時に他者には、一般的でシンプルな銀のネックレスの様に見えるように作られた。
と、言った様に、非人道的な代物であることが分った。そして代償の割には、かなり低い性能である事が分かる。
その鑑定結果を見て、憤ったローナの反応は至って当たり前であった。
しかも、その類いの呪具が4人とも付けている。
「いや、あの呪具は違法物な物だ。というか、神理禁忌に含まれている代物だ。」
「やはり違法物の物なのですか?というか、神理禁忌?何ですかそれは?」
「ああ。違法物はローナが知っているというか中等部で習うが、国によって罪の重さが変わるが、あの呪具は最大罪として扱われる代物になる。生け贄を必要とした物や魔術の使用、及び開発製造は、国レベルの最大の罪として扱われる。
そして神理禁忌と言うのは、簡単に言ってしまえば神が定めた触れてはならない大罪だ。」
「大罪ですか?」
「そうだ。時間逆行による過去改変や、一部の例外を除いた死者蘇生などもあるが、今回の場合は他人の魂を生け贄とし、消費してしまった事だな。」
「魂の消費ですか?殺人の場合は大罪にならないのですか?」
「殺人の場合は大罪にならない。まず生物とは、生物を犠牲にしなければ生きられない存在だからだ。俺達、俺達?人類や動物、そして魔物が生活していくには、食事を取らないといけないだろ?そのためには、野菜を育てて食材にする事ができるが、肉を食わなければならない。だから、俺達人類は、動物や魔物を殺し、自分の栄養へと変え生活している。
そして、生活から話が変わるが、人類や他の生物でも、大きな争いとして戦争をするだろ?戦争は様々な理由があるが、もっとも純白な理由は、自分の住む町や国、そして、自分の周りにいる家族・友・仲間を守る為でもある。だから殺人程度では、神理禁忌の対象にはならない。
だが、魂の消失は話が別だ。全生物は、命が尽きた時、魂が死神の判決によって地獄か現世のどちらかに行き、地獄で己の罪を償った時、現世行きと同様に輪廻転生をし、記憶を消滅させ生を授る事になる。だけど肝心な魂が無いとそれが行えないから、天界というか神の定めた罪としている。」
「えっ、じゃあ!?」
「あぁ、犠牲になった50人...いや、200人の魂は、輪廻転生ができていない状況になっている。」
と、ローナに魂の規定というか神理禁忌について説明していると、どうやら模擬戦に動きがあった。
さすがに、手詰まりな状況から脱しなければならないと判断したからか、青華のパーティー全員の判断の元、アタッカー担当のリンが、ある程度の弓での攻撃を無視して、攻撃に移ろうとする。
さすがに神理禁忌を侵している奴等を、これ以上野放しにしてはならないと思い、青華のパーティーと赤き爪の連中の間に大剣を突き刺し、お互いを制止させる。
ガツッと、華のパーティーと赤き爪の連中の間に大剣が突き刺さり、お互いが動きを止め、その場が静寂に包まれる。
そんな様子の所に向かって、俺は歩き出す。
「おいっ、今のはユージか?今は青華のパーティーと赤き爪のパーティーの模擬戦だぞ?」
と、模擬戦をしている8人に向け、歩いている俺を見た冒険者職員は少し疑問気味に俺に尋ねてきた。
「それよりも今すぐギルマスや他の上層部の人を呼んでこい。緊急事態だ。そして、誰もギルドから出すな!いや、ローナ、魔封(魔力を霧散させ、使用できなくする)の効果も含んだ結界で冒険者ギルドを囲め。緊急事態だから、きっと領主も許してくれるだろう。」
「分かりました。」
「な、何があったんだよ?少し怒気を押さえてくれないか?ちょっと辛い。」
周りを見てみると、俺の怒気に当てられた赤き爪の連中は、呪具による常時興奮状態すら忘れるほど、ガクガクと震えていた。そして青華のパーティーも、直に当てられていないが少し辛そうにしている。
慌てて怒気を緩め、ローナが結界を張った事を確認し、再び冒険者職員に向き直る。
「それで突然どうしたんだユージ?何でギルマス達を呼ばなければならないんだ?」
「説明は後でするが、そこにいる赤き爪の連中が最大罪に含まれる違法物を所持しているからだ。」
「なっ!?それは本当かぁっ!?」
「連中の胸元にあるネックレスを、レベル3以上の看破持ちの鑑定士に見せたら分かると思う。取り敢えず急いでくれ。」
「わ、わかった。」
と、俺はギルド職員に説明すると、ギルド職員は急いで上司及びギルマスに報告しに言った。
冒険者ギルドから、「結界が現われて出れない」と言う会話が聞こえてくる。
突然の事態に戸惑って止まっていた青華のパーティーは、状況を知る為に俺へと尋ねてきた。
「一体何があったんだ?赤き爪の奴等が違法物を所持していると聞いたのだが。」
「あぁ、連中の胸元に銀のネックレスが見えるだろ?あれは隠滅が付与されている違法物である呪具だ。レベル3以上の看破を持っている鑑定士に見せれば一発で分かる。」
「そ、それは本当なのか?」
「嘘ついてまで、こんな状況作って何になる?」
「それはそうだが......。」
「ち、違うっ!俺達はそんな物持っていない!!」
と、俺が青華のパーティーに説明していたら、突然の事態に呆然としていた赤き爪の連中がようやく事態を把握して、慌てて怒鳴りつける様に大声で否定した。
「違うなら、その胸元にあるネックレスを高位の鑑定士に見せればいいだろ?」
「うるせぇ!このガキがぁ!」
激昂した赤き爪のリーダーが、こちらに向け剣を構え駆け出し斬り掛かろうする。それに続きその他の連中もこちらにやって来る。
脅しや騙されて所持する事になったのでは無く、自ら望んで違法物所持していたのだろう。
そして、今すぐ逃げなければ捕まり、後が無くなる思い俺達を倒す、もしくは人質にしようとこちらに来たのだろう。
だが、相手が悪かった。俺もローナも人類から見れば規格外で済まされない程だからな。
4人の内の3人の前衛が俺の方に向かい、ローナの方に後衛の弓使いが矢を放つ。
俺は、最前にいたリーダーの間合いに一瞬で詰め寄ると、体内に衝撃を送り付けるように溝を殴り、ついでに魔力を少量体内に流し込み、更に衝撃を与えた。
衝撃を諸に与えるためだったので、リーダーが吹き飛ばす事は無かったが、一瞬で体力を全損させ、体内に死なない程度にダメージを与え、気絶させた。
その様子に、俺の方に来た残り2人は動揺し、数秒の間、その場で足を止めた。
動揺している間に、という訳じゃないけれども自分の手元に、大きな刃引きされている鉄製の大剣を創造し、距離を詰め、死なない程度に切り飛ばす。
こちらも手加減したとは言え、体力を全損させ、骨を数本折ったり肉を少なからず抉った。
ローナの方は相当怒っていたのか、一瞬で距離を詰め、数秒間だけだが僅かな威力にし、多く殴りつけ、倒していた。
バランス良く貫通を付与していたためか、体力が削れていくと同時に、肉が抉れたり骨を折っていき、最終的には、急所は外していたがボロボロになり、体力も全損していた。
「ここまで、怒ったのは初めてです。どれだけ生命を冒涜しているのでしょうか?このゴミ...連ち...人達は。」
怒る気持ちは、俺も同様だが、ローナの怒りは相当怖かった。
ローナは、絶対に怒らせない様にしないといけない。
そう俺は、心に刻みました。
取り敢えず、身動きできない様に魔封の鎖を創造し、両手両足拘束した。
それから、直ぐにギルマスや他の職員がやって来た。
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございました。
誤字脱字や感想や評価なども頂ければ有り難いです。
次回は、できればなるべく早く投稿します。
次回もよろしくお願いします。
付け足す様で申し訳ございませんが、説明が下手くそで分からないという読者様は感想の所でコメントしてください。
できる限り改善したり、2章の終わりに書く予定であった。物語の設定でうまく改善し書かせていただきます。勿論、他の話もです。
お手数おかけして、本当に申し訳ございませんでした。




