16.閑話.アルテルナ伯爵1とダンジョン101階層
すみません、本編に繋がる話なので、閑話としてアルテルナ伯爵の話を書かせて頂きました。
アルテルナ伯爵ですが、迷宮都市アルテルナから名字をとってあるので、アルマン王とかと間違えやすいと思うので、申し訳ございませんが、気を付けて下さい。
そして今回、主人公の話が少なく申し訳ございませんでした。
〈side:とある貴族〉
とある一室、一定の値が張るような高価な芸術品が数個、置かれていたり壁に飾られていたりしている。そしてその芸術品は、ある程度の見る人を不愉快にさせない程、バランス良く置かれ整えられている。
そして、色々な書類を管理するための書棚が多く置かれ、部屋の奥には大きめの少し豪華な机が置かれていた。
そしてその部屋には、1人の40代後半の少し渋めの男性と30代前半の若く見える女性がいる。
その男性は多くの書類を処理するために、目線を机にある書類に向け、丁寧だが素早く手元動かしている。
その1人の男性の斜め後ろの位置するように、女性が側に控えている。その女性はメイド服を着ていて、自分の主である書類に向かっている男性に、要件があれば直ぐに動けるように準備しており、まさしく秘書のようである。
コンコンッ
と、その2人がいる部屋へとノックが響き渡る。
「誰だ?」
「諜報部隊隊長のケールです。」
「入れ。」
と、部屋の中にいる男性が尋ねると、部屋の出入り口である扉の奥から名前と役所名が聞こえてくる。その名前と役所名を聞いた男性は中に入れさせる。
「失礼します、アルテルナ伯爵様。」
「ああ、それで要件は何だ?例のあれか?」
「はい、例の王都でのステータス鑑定版の授与の件です。」
「ふむ~、で、何か変わった事はあったか?」
と、1人の男性、アルテルナ領統治をアルマン王に任せられたアルテルナ伯爵は、今年は自分の領土で、多くの用事があり、自ら王都に行けず書類処理をする事になり、諜報部隊に様子を見てくるように言っていた。
「それにしても遅く無かったか?何かあったのか?」
「はい、王都で最上級適正職業が4人現れました。」
「...本当か?」
その報告を受けたアルテルナ伯爵の男性は、ガタッとその場に立ち上がり、情報元である諜報部隊隊長に真偽を尋ねる。
「はい、真実です。それと、聖国イースファルトがアルマン王国よりも早く最上級適正職業の者が現れたと耳にしました。」
「......最近、魔族共の動きが活発化してきているし、各国が戦争ムードになってきていると耳に入ってきているし...。はぁ~、戦乱の世になってしまうのだろうか...。ん?イースファルトが先に最上級適正職の者が現れたと?」
「はい、聖国イースファルトの諜報を任せていた数名の部下から、そう耳にしました。」
「それ程までに過酷な状況という訳なのか...。」
最上級適正職が現れた報告を受けたアルテルナ伯爵は、顔を手で覆い天を仰いだ。
実際に、最上級適正職が現われる事は滅多に無い。そもそも最上級適正職業が現われ事は、神様が困難な世の中に守護者または神様の代行者と言う意味で現われると、遙か昔からそう言い伝えられている。
その事から、4人以上の最上級適正職業の者が現われると言うのは、過去に観測される以上の危険さを含んでいると言う。
その事実に対して、アルテルナ伯爵は心底からこのご時世に恨めしく思った。
「はぁ~、で、どうだったのだ?その4人は?」
「はい、戦闘を見た感じでしたら、ステータス鑑定版を授ったばかりでレベルが低いにも関わらず、かなり強かったです。例えですと、ここの出身のEからDランク位でしたね。」
「ほ~う、ここのか。ここの冒険者の質は、迷宮都市だから相当余所より高いはずだが、それでもか?というか戦闘を見た?どういうことだ?」
「はい、何やら最上級適正職業を授った若者の3人が、同様にステータス鑑定版を授った若者1人と決闘となりまして、大々的に決闘を行う事になりまして。」
「理由は?」
「申し訳ございません。理由は解らなかったです。」
「ふ~む、で、最上級適正職業どうしが決闘したのか?」
「いや...そのー...」
「何だ?勿体ぶってないで話てくれ。」
「その対戦者の若者は、ステータスが無いというか表記されていないもので。」
「どういうことだ?表記されていない?」
説明を聞いたアルテルナ伯爵は、ステータスが表記されていない事について疑問に思い、聞き返した。
「はい、何でも最上級適正職業の4人と幼馴染みの関係であり、ステータス鑑定版を授った当初に5人の内1人がステータス鑑定版に表記されていない事が判明したそうです。ステータスが表記されていない理由は解りませんが。それでだからじゃないでしょうか?幼馴染みの間で対立が起こり決闘騒ぎになったのは。確定事項ではありませんが。」
「で、結果はどうだったのだ?まあ、聞くほどでは無いのだろうが。」
「それが...その...、ステータスが表記されていない若者が勝ちました。」
「...は?」
「ステータスが表記されていなかった若者が、終始決闘で圧倒していまして、いや、あれは決闘と呼べる物ではなかったです。そのステータスが表記されなかった若者の一方的な蹂躙とも言える物でした。」
「......は?それは事実?」
「はい、あまりにも地力が違いました。というか、蹂躙とも言える物を行っていても、本人はまだ全力と言う程では無さそうでした。」
その報告を聞いたアルテルナ伯爵は、一瞬、この諜報部隊隊長であるケールが何を言っているか解らなかった。だが、次第にその報告の内容を理解し始めた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。その若者が圧勝したとでもいうのか?いくらステータス鑑定版をもらった者同士で、成長しきっていない状態でも、それでも蹂躙か!?いくら何でも有り得ないだろ!?」
「事実です。私もこの目で見た時は、信じられませんでしたから。」
「...わかった。その決闘の内容を教えてくれないか。」
「はい、まずは----------------」
と、アルテルナ伯爵は決闘の内容やその他の重要な報告を聞き、自分の仕事である書類作業を再開した。
それから数日後、アルテルナ伯爵はいつもの様に処理すべき書類へと手をつけていく。
そして開始から2時間程経ち、ある一つの書類へと手をつける。
(何々、Dランク冒険者への飛び級の件についての報告。...今回、新たに冒険者へと加入した2名の15歳の男女が飛び級試験を受け、合格したためDランクへ飛び級を認めることになった。なお、2名の実力は既にAランク冒険者を超えていると判断したため、数日後に行われるCランク昇格試験に参加させ、合格した場合にその2名を、Cランクへと昇格する事になりました。迷宮都市アルテルナ支部冒険者ギルドマスターローグより...か)
と、読み上げていつもの様に書類を処理しようとして、筆ペンで了承のサインを書こうとし手を止めた。
「セーナ、一つ聞きたいんだけれども良いかな?」
「はい、何でしょうか?」
「この報告による15歳くらいの少年少女って、何か最近聞いた報告の中の人物を想像させるのだが...。」
「はい、そうですね。私もこれ程の実力を持った若者の話を、数日前の最上級適正職業の方との決闘の報告の時に聞いた覚えがあります。」
「セーナ、今すぐ諜報部隊隊長のケールに伝えろ。今すぐに、そのDランクに飛び級した2人の男女の情報を集めろ。...尾行はするな。都市中で、情報を集めて来い。仮にもDランク冒険者になった者だ。気付かれたら不味いからな。」
と、アルテルナ伯爵は、側にいたメイドに指示を出すと、メイドは「かしこまりました。」と、お辞儀をしながら退出していった。
情報収集されている、当の本人達には一瞬で気づかれているが。
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100階層を路破した事を報告した俺達は、現在の時間帯がちょうどお昼頃なので、昼食を取る事にし冒険者ギルドから比較的に近い料理店に行った。
「ここの料理も美味しいですね。川魚なのに臭みがあまりせず、とても美味しいです。」
「だな。ここの料理人の腕が良いみたいだな。しかも最低金額800G位で、ある程度金額的にもお手頃だしな。」
「そうですね。...というか、私達がここ数日で稼いだ金額から見れば、余りどこの料理店も変わらない気がしますけど...」
「...まあな。」
「しかも、殆どその稼いだお金を使う機会が無いのですが......。」
「......気のせいだろ?......何か使う機会があるって。...ほら冒険者に必須な回復薬など、病気にかかった場合に必要な薬とか...。ほら今だって、この料理店でご飯を食っているだろ?」
「............。」
「はい、俺達2人には必要ありませんでしたね。申し訳ございませんでした。いや~、それにしても創造は便利!万歳~。」
「............。」
「すみません。」
と、俺達のお金の需要はあまりない事を確認しつつ、目の前にある川魚の料理を食べていた。
食事を終えた俺達は、午後も同様にダンジョン探索を再会し、101階層へと来ていた。
どうやら101階層は、森林がメインらしくてあたり全体が多くの木に囲まれている。
「これからのダンジョン探索というか攻略は、どんどんペースを上げるとするか!」
「本気ですか?」
「だって、もう既に目立ってしまったんだ。ならもう遠慮する必要は無い!...と、思う。」
「......はぁ~。」
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございました。
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次回は、できれば早めに投稿します。
次回もこの作品をよろしくお願いします。




