11.一組目のSランクパーティーとの会合1
ダンジョンから帰還し、報酬を貰った俺達は、泊まっている宿に帰り、俺はローナが所望したお菓子系統を作った。
俺が作ったお菓子を、ローナは幸せそうに表情をだらしなくさせ食べていた。
「美味しすぎます~、はっ!?ここは天国!そうですかぁ~。」
どうやら昇天する程の美味しさのようだ。...って!
「天国は、そんな思っている程極楽場じゃないぞ!...って、違う!ローナ戻ってこい!ここは天国じゃないぞ!」
と、俺は、俺が作ったお菓子を食べて、昇天しかけているローナを現実へと戻そうとした。
それから5分頃にローナが現実へと戻ってきた。
「あれ?私、どうしたのでしょう?」
「昇天しかけていました。」
「はい?」
「俺の作ったお菓子を食べて、昇天しかけていました。」
「...マジですか?」
「...マジです。」
「......」
ローナは唖然としながら、食べかけのお菓子を見る。
『ねぇ、ソールお姉様?ユージ様の料理って、そんなに美味しいのですか?』
『ええ、美味しいわよ。いや、美味しいで表現できない程ヤバイわ』
『えっ?そこまでですの?まぁ、私のマスターの様子を見れば、美味しいというはわかりますけど、そこまでですか?』
『ええ、私、何度か擬人化してユージの料理を食した事があって、私もローナ様同様に昇天しかけたのよ。まぁ、確かに初めて食べる料理が、何処を探しても見つけられない程の腕前を持つマスター(料理人)で、しかも神々が滅多に見かけない希少な素材を調理したものよ。ある意味、神殺しができますよ。』
『ええー、何か食べたいような食べたくないような。』
と、何かソールとセイが何か言っているけど、褒め言葉として受け取っておく。
『呆れているのですよ、マスター』
......頑張ってスルーする事にする。
と、何やかんやで充実?した時間を過ごした。
次の日から、ローナが大分慣れてきたので、前回よりもダンジョンの探索・攻略ペースを上げる事にした。
その際、ヘレンさんが表情を引き攣らせながら大量の依頼を渡してきたので、それも同時にやっていく。
たったの1日(2日目)で80階層へと行った事に、ヘレンさんや周りの聞いていた冒険者・受付嬢も含めて、顔を引き攣らせて、ドン引きしていた。
さすがに俺もどうかと思う。まぁ、止めませんけど。
そして、今回からというか冒険者活動3日目で、81階層からダンジョン探索・依頼(特例でAランク依頼)を開始する。
81階層からは比較的にBランク前後の魔物が多く、たまにA-ランクの魔物が出てくる。確かに一般の人からすればかなりの難関だが、その代わりに、魔物から取れる素材や隠し部屋・ボス攻略後に出てくる宝箱が非常に価値のある物である。
今まで俺達が宝箱に触れなかったのは、あまり価値の無い物だったり興味が沸かなかったりしたからだ。
『一般人からしたらかなり価値ある物ですからね。お宝とは何でしょう?マスター。』
(金銀財宝!有用な道具に武具!価値無き物は、宝と呼ばねぇ!)
と、ソールの突っ込みも華麗にスルーかつ開き直った俺は、ローナを連れてダンジョン探索を開始した。
風景は、今までの階層と変わらず、殺風景な遺跡や土くれの風景だが、勿論構造は複雑になっていたり広くなっている。
(と、言っても、俺達にはあまり関係無いがな。)
そう思いつつ俺達は、次々と依頼を進めつつ、ダンジョンを探索していく。
中には、B-ランクのオークマジシャン・オークポーン等純粋な力・戦闘力自慢を筆頭に、Bランクの陰密性の高いシャドウスネーク・シャドウダガーや、状態異常攻撃・行動妨害を仕掛けてくるアラクネ、そしてB+ランクのもの凄く堅いストーンゴーレム、終いには、A-ランクのワイバーン・グリフォンまでいる。
と、言っても前回同様、魔法&斬撃で一撃一瞬で処理しつつ進んでいく。
それで、今回も約2時間で...いや、約1時間半で20階層分進もうとするが...
『マスター、報告を』
(何だ?って、言わなくてもわかる。ここの階層、90階層のボス部屋の中に、今でも死にかけのパーティーがいるんだろ?弱った気配を感じる。)
『はい、そうです。ここのボス部屋に入っている者達は、以前、ギルドマスターが話をしていたSランクパーティーの者達です。ちょうど5人居ますし。』
と、俺は、ソールから報告を受けて、90階層ボス部屋の中の様子を知った。
「...ユージ。」
「わかっている。知った以上、助けないというのも、後味が悪いしな。」
どうやら、セイを通して、俺と同様に中の様子に気付いたローナは、俺に助けに行きたいという雰囲気をだして、俺の方へと向き直った。そして俺も知った以上は、助けてやんないとなと思い、ボス部屋の中へ入る事にした。
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〈side:Sランクパーティー〉
「くそっ!後、どの位魔力が残っている!サキナ!エドール!」
「後、10%を切っているわ!」「僕は15%位。」
「ちっ!まずいな。うぐ!」
と、ボスの攻撃に、悪態をついたタンクでリーダーを務めている適正職業・守護人の人物、カントが継続して、一般人からして強力な攻撃魔術・補助魔術・回復魔術を使用している後衛陣の適正職業の、緑風の魔道士と大僧侶のサキナとエドールに、魔力の残量を尋ねるが、両者とも残量が無い
と答え、本人もボスの尾の薙ぎ払いの攻撃を盾せ受けたが、数メートルは吹き飛んだ。
そのカントに、補給兼工作係を担当している適正職業・盗賊の人物、バルトが直ぐさま回復薬である上級ポーションを投げつけ、体に当ててポーションの瓶を割り、回復させるが、ポーションの残量も無くなってきた。
「おい!左翼からもう1体来るぞ。カロンっ!俺が奴を受け止める!その隙に奴の首を落としてしまえ!」
「無茶言うわね!そんな事できたらとっくにやっているよ!」
と、カントが吹き飛ばされるのを必死に堪え、盾で受け止める。その隙に、かなり身軽そうな防具のビキニアーマーを身に纏っていて、そして両手には、1つの縦幅2メートル、横幅50センチ程の大剣を持っている、適正職業・大剣士のカロンが直ぐにボスに接近し、斬り掛かる。
だが、カロンが斬り付けようと振り下ろした大剣は、そのボスの首あたりの鱗を傷つけるが、数センチ程食い込んだだけであった。
「やっぱ逆鱗や柔らかい部位じゃないと無理か、ドラゴン硬すぎる!」
と、カロンが少し絶望気味に言葉を吐き捨てる。
そう、90階層なボスはSランクに認定されているドラゴンで、しかも2体出現している。そして、その2体のドラゴンは属性が違っていて、1体は、火力が同ランクのドラゴンの中でも群を抜いている火属性のドラゴンで、火竜と言われている。そして、もう1体は、防御が同ランクのドラゴンの中でも群を抜いている土属性のドラゴンで、岩竜と言われている。ドラゴン1体なら、全力を出し切り、対策し、時間を掛ければ倒せたかもしれない。
でも2体となれば話が違ってくる。2体同時に対処しなければならない。
そしてカロンは、岩竜のカウンターと呼ぶべき攻撃を受けそうになり、咄嗟に大剣を前に盾になるように突き出し、ガードするが...
「あぐっ。」
と、カロンは嗚咽を零し、十数メートル吹き飛び、壁へと衝突した。その岩竜の攻撃と壁への衝突で、死にはしていないもの、意識を落とした。
「カロン!...うがぁっ!」
カロンの気絶に気を取られていたカントは、火竜の爪の一撃を諸に喰らい、瀕死の状態に陥った。回復魔術を掛けていたエドールの魔力や、バルトが味方を補助するために使っていた回復・能力上昇ポーションも尽き、攻撃魔術でドラゴン2体を牽制・仲間に補助をしていたサキナも、魔力切れで気絶寸前で、その場にへたり込んだ。
「もう、お終いよ...。最後に酒位飲みたかった...。」
「僕もだよ。」
「あぁ、そうだな。...でも俺も最後くらいは勇敢にドラゴンに挑むとするか。」
気絶寸前のサキナの呟きに、エドールとバルトが同意し、バルトは最後くらいはと思い、腰に携えていた短剣と長剣を手にし、長剣を前、短剣を手前に、二刀流の構えをし、のそのそと近づいてトドメを刺そうとしている2体のドラゴンに向き直った。
その瞬間に、ドラゴンと気絶している2人を除いて、3人の目の前に1つの魔法陣が一瞬で展開された。
「何だあれは?」
「これは転移魔法陣!?」
「どうして!?」
2体のドラゴンは異常を察知したのか、その場で歩みを止める。
そして、その魔法陣から2人の姿が現れる。
「よっ!大丈夫か?うん、大丈夫じゃなそうだな。助けは必要か?」
「あの、皆さん、回復は必要でしょうか?」
と、黒髪青目の少年?青年?と白髪赤目の少女?淑女?が、私たちに尋ねながら、この90階層ボス部屋へと登場してきた。
今回もこの作品を読んで頂きありがとうございま。
誤字脱字や感想や評価なども頂けたら有り難いです。
次回もなるべく早く投稿します。
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