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第六話 音楽

「それで、本題なんだけど」

「ん? 本題?」

「だから……いつもどんな曲を聞いてるかって話」

 ああ。そういえば、もともとそんな話から始まったんだったな。義人とか石井が話に交じるとすぐに脱線するから困る。奴らは修正しようとしないから、そのまま話が続くし。

「その質問には、旦那の親友にしてほとんどを知りつくすこの俺が答えよう」

「世間では人の弱点を周囲に言いふらす人間を親友というのか。初耳だ」

「石川さん、知りたいだろう?」

 うわ、自分に都合の悪い話はスルーかよ。音楽聞いて、聞こえないふりをする俺とどっちが悪質なんだか。

「……教えてくれる?」

「本人がいるところで他の人に聞くか」

「まずは……〈もう恋なんてしない〉」

「古っ!」

「〈君がいるだけで〉」

「古っ!」

「〈神田川〉」

「時代がさらにさかのぼった!?」

「〈関白宣言〉」

「ねえ!? ほんとに!? 杉田君、からかってるんじゃ!?」

「旦那、本人から返答を」

「……好きで悪いか」

「本当だったんだ! 事実なんだ!」

 ……なんかその言い方には棘があるな。昔のものはいいものが多いのに。

「最近の邦楽は大したのがないな。昔はよかった……」

「何その老人が昔を懐古するみたいな感じ!? いったい、なおくんは何歳!? 高校生の感覚じゃないよ! もっと青年らしくしようよ!」

「ああ、でも洋楽も聴くな」

「どんな?」

「カーペンターズとか」

「だから古いよ!」

「ビートルズとか」

「ねえ、何なのそれ!? 狙ってるの!?」

「だってよう……最近のバンドとかうるさいばっかで似たり寄ったりにしか聞こえんし……」

「若者の発想じゃないよそれ!」

「俺には旦那の気持ちがわかるな」

「そうなの!?」

「90年代のアニソンは神がかってたからな」

「それはなんか違うと思う! よく知らないけど!」

「そうだよねー。セイバーマリオネットとかー、いい曲が多かったよねー」

「だがタツミ、温故知新という言葉もあることだ。古いものの価値を知ることは有益だぞ?」

「それなら最近の曲の良さも知ろうとしようよ!」

「……面倒じゃないか」

「言ってること矛盾してるよ!」

「あ、でも結構最近の曲も知ってるぞ?」

「……なんて曲?」

「……おしりかじりむし、とか?」

「微妙に古いしジャンルがなんか違う! 高校生らしくない!」

「崖の上のポニョ、とか?」

「だからどうして偏ってるかなあ!?」

「タイトル知ってて、店とかでかかってる曲ってこれくらいだし」

「だから守備範囲が狭いよ!」

「それは違うぞ、タツミ。俺は九十年代の名曲やフォークソングに関してはたいていの人よか知識があると自負してる」

「守備範囲が広いんだか狭いんだかわからないよ!」

読者さんの中に自作の四コマ(絵とか構図は下手くそ)見たい人います?いるならミクシイにでも載せますが。

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