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第四十八話 参上

「ふははははは、往け戦闘員ども」

「キェー!」

「このまま肥沃な土地である牟呂を、圧倒的な力を見せつけ我らが手中に収めるのだ」

「キェー!」

「愚民ども、地にひれ伏し命乞いをするのだ。さすれば命だけは助けてやろう」

 …………。中学生にもなって出し物がヒーローショーというのは如何なものなのだろうか。

「キェー!……どうか命だけはお許しください……」

 キェーキェー言ってたの一般市民かよ!?

「この哀れなる雄豚に同情心のかけらでもお持ちならば、慈悲と御思いになって、その寛大なる御心、海よりも広く宇宙ほど無限である度量を発揮して、我らに今しばらくの生存を戴きたく存じます……!」

 大げさすぎるよ! どれだけ立場弱いんだ一般市民! プライドを持てよ頼むから!




 保護者に懇願されたので、仕方なく来てみた小劇場……もといヒーローショー。誇大広告というか詐欺じゃないかと、小一時間問い詰めたいところだが自重しよう。関わり合いになるとろくなことがない。今までの経験からして。

「旦那、面白いなあ」

「マジでそう思うなら検査を勧める」

「なんの?」

「お前が人類かどうか」

「脳検査ですらないのか!?」

「まあ、一割の冗談はさておき」

「九割本気!?」

「どこが面白いというんだ?」

「いやー、突っ込みどころ多すぎじゃね?」

「……それは確かに」

「というわけで、突っ込みながら観るのを推奨する」

「それはいいかもな……お、ヒーローっぽいの出てきた」




「待て! 非道なる甲斐人よ!」

 イントネーションおかしい! 山梨県人と違うから!

「出たなムローファイヴ」

 今度は妙に発音いいな……。

「一般人に手を出すとは何たる外道! 恥じようと思わんのか!」

「はあ……はあ……怪人様……もっと……もっと私に罰をお与えください……」

 一般人がMだ! 罰になってない! てか一般人と呼んでいいのか!?

「旦那、特殊性癖の持ち主を否定するのはよくない」

「ごめんなさい」

「よろしい」

 ……理解はしがたいけど、個人の好みだもんな。深い干渉は止めよう……Мな少年の話を書いたラノベもあることだし。

「みんな! いくぞ!」

「「「おう!」」」

 おー、ムローファイブの面々が集合してきた。

「情熱のレッド!」

 リーダー格だろうか、いい感じだ。

「豊川用水のブルー!」

 前置きがレッドと違う! 統一しろよ!

「価格崩壊を防ぐため、出荷されず食べられもせず肥料となってしまう大量生産キャベツの色グリーン!」

 長い! そして生々しい農家の事情を正義の味方の色説明に使うな!

「先輩への愛に生きる乙女……ピンク!」

 …………。

「旦那ー、ツッコミ放棄は職務怠慢だぞー」

「やかましい」




久しぶりに感想が来たので書きました。気まぐれです。

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