第四十四話 真相
乱れた服を直し終え、ようやく落ち着きを取り戻した保護者に、こうなった原因を尋ねてみる。百合疑惑が完全に晴れたわけではないのは、ここだけの秘密だ。
「で、どうして二人絡まってたんだ?」
「絡まってたとか言わないでください」
だって事実じゃん。百合疑惑再浮上。
「そもそも、大声が聞こえたから、俺は出てきたんだが」
来ない方がよかったみたいだ。あいつらにとっても、俺にとっても。
「……それはですね……」
なぜか言いよどむ保護者。心にやましいことでもあるのだろうか……?
しかしそれに代わって、もう一人の当事者が説明してくれた。
「ルリが怒ってた原因は、段取りが違うってことだったんです」
「段取り?」
「ちょっと岬……むぐ」
話を止めようとした保護者を、義人が黙らせる。……手際がいいな。
「説明を続けてくれ」
「はい。このクラスの出し物を手伝う代わりに、三井先輩が来たら占い師役を変わってもらう予定だったんです」
「保護者に?」
「いえ、このクラスの人から私にです」
別に段取り狂ってないじゃん。
「ルリの言う段取りは、私の占いの内容関係ですよ」
「……あれか」
思い出されるピンポイントな占いの数々。そりゃこいつらが絡んでるなら、分かってて当然だわな。
「三井先輩、どうすればいいか私に聞きましたよね?」
「ああ」
確かに。あの流れで誘導されたら尋ねずにはおれないっていうか。
「そうなったら、私は「……後輩の子と付き合うとよいでしょう……」と言う手はずだったんですよ」
「むー! むー!」
真っ赤になって話を止めようとする保護者。心証を操作しようとしとったのかこいつは。
「それを私が違った答えを言ったので怒ったんですよ」
怒ってたようには見えなかったが。じゃれてたようにしか。
「なんで別の答えを?」
「なぜって……それはですね」
それは?
「怒ったルリが見られるかと思ったからですね」
この子Sだ! 健三さんの娘だから、いろいろ変な点はあると思ってたけど! 無表情で淡々と述べるところとか健三さんにそっくりだ!
「今悪寒がしたのですが、失礼なことを考えませんでしたか?」
「……そんなことはないと思う」
親に似ていると思うのは、失礼に当たらない……よな? 親が健三さんでも。
「……ところで、義人は計画に加担してたんだろう? なぜ保護者を黙らせてるんだ?」
「なぜって……それはだな」
それは?
「その方が面白くなりそうだからだ!」
こいつトラブルメーカーだ!知ってたけど!