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第四十話 影の軍団

 来て早々になけなしのやる気も失われつつある今。俺は一体どうすればいいんだろうか。

「文化祭を楽しめばいいじゃん」

「……一応聞いておくが、さっきの奴らはお前の弟子か? 弟子なのか義人」

 無駄にカリスマ性を発揮したところを見ると、おそらくそうなのだろうなーと考えつつ、尋ねてみる。

「旦那、それは違うぞ」

 む? 返答が意外だ。誇らしげに応じるのかと思ったが。

「それはすまんかったな。さすがにあそこまでの」

「あいつらは同じ二次元を愛する同士であり仲間。そこに上下関係は存在しないのであり、共に精進するものであるのだから!」

「…………」

 頭痛くなってきた。



 義人によれば、あの団体は<二次元の嫁を愛し、生涯を捧げることを誓う漢達の集い>という名称を持つそうだ。因みに、義人が団長を務めていた三年間(一年時から三年連続で就任したのは義人が唯一らしい)の間、この集団は陰で勢力を広げていたらしい。とは言え、表舞台に立つこともなかったため知られることはなかった……そうだ。その功績をたたえられ、現在は隠居の身ながら名誉会長となって相談に乗っているとのこと。果てしなくどうでもいいが、こいつの無駄な才能はどうにかならんのか。正直こいつが指揮をとったら企業設立、軌道に乗せる―というくらいやってのけそうだ。

「オタクというのは一般人に疎まれる存在だからな。俺の団長時代はあくまで影の組織として徹底していたのだが……これも時代の変化かな」

「いいのか?」

「何が?」

「いや……その裏舞台の集団がこんなところで署名活動を行ってだよ」

「なに、もう若い者の時代だからな……。俺の出る幕じゃない」

 達観した表情で語る義人。遠くを見据えるその眼には、何が写っているのだろうか―――

「……チェリーが俺の嫁だというのは、譲れんがな……!」

 写っていたのは二次元の映像だったようだ。馬鹿野郎。そして人選が古い。セイバーマリオネットJをわかる読者がいると思うなよ。年代を考えろ。

「どうした旦那」

「なんでもない、気にするな。……ところで、お前はあの署名に参加せんでいいのか?」

「必要ない」

「そうか、お前もなんだかんだで馬鹿馬鹿しいと思っているんだな」

 高校生と中学生、年齢に差があるからそれも当然か。

「―――嫁だと思うのは心の中で十分。自分の全てを他人に分かってもらう必要などないのだから―――」

「…………」

 いや、格好よく言っても、所詮二次元嫁論争だから。

ルーバランさんからもらったネタを使わせていただきました。ルーバランさん、ありがとうございます。

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