表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/63

第十四話 恩師

 井上と別れ、職員室に着いた俺たちは、生徒の質問に答えている神田先生を発見した。神田先生も俺たちを見つけたらしく、質問を切り上げて俺たちの相手をしてくれた。

「お久しぶりです、神田先生。ご無沙汰してました」

「お久です先生。ああ、別に御茶菓子とかはいりませんよ? ただ、もしどうしても俺に御馳走したくてたまらないというなら別です。歓迎してくれるというなら、ありがたくその気持ちと品物はいただきましょう」

「御茶菓子とか歓迎とか、そんなこと言ってねえだろ! いきなり図々しいわ義人!」

「だからいらないって言ったじゃん」

「もの欲しそうな目で見ておいて、よく言うわ! もらおうって気満々だろうが!」

「半年ぶりだというのに、変わらんなーお前らは」

 再開早々バカな言い争いをし始めた俺たちを見て、神田先生は目を細めてそう言った。俺たちがここに通っていた時期を思い出したのかもしれない。あの時期は……あれ? もしかして今とあんま変わってない? 特に義人とか。

「どうだ? 高校生活は上手くいってるか?」

「義人を筆頭に、変人の集団に囲まれて窒息死しそうです。何か病原菌を持っているのではないかと、常識人・・・の俺は疑うほどで」

「旦那たちと順風満帆に、楽しい学園生活を送ってるから心配しなくっていいですよ」

「そうか、それはよかった」

 なんで!?

「ちょっと先生!? 聞いてました!? 悪性のウイルスが蔓延してる北高で、唯一まともだと言っても過言ではない俺が苦しんでるって言ってるんですよ!?」

「いやでも血色いいし」

「若いから当たり前です! 血色とかでなしに中身の方……精神状態がいっぱいいっぱいなのがわかりませんか!?」

「直樹は突っ込みを入れてるときが一番生き生きしとるな」

「そうなんですよ。突っ込みドランキーとでも申しましょうか」

「なるほど、それは重症だ」

「二人して、なに人を病人に仕立て上げようとしてるんですか!」

「だって、病んでるんだろ?」

「ああ言えばこう言う……」

「ところで二人とも。お前らのやり取りとかを授業中ネタに使ってるから。構わないよな?」

「構いますよ! 他の奴らに聞きましたけど、なんてことしてんですか!」

「そうですよ!」

 義人、もっと言ってやれ!

「著作権は俺たちにあるんですから、費用を払っていただかないと」

「そこじゃねえよ!」

「ふむ、今のやり取りもネタにさせてもらおう」

「エサ与えてどうすんだ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ