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サバイバルレース〜生命の神秘〜

作者: 省エネ君

一応最後まで見てください!!それと、生暖かい目で見ていってください!!少し編集しました!

───これは、精子達の物語。



〜〜〜


「皆!準備はいいか!」


『はい!』


「今から、射精が始まる!第132回卒業生発射10秒前、9、8、7、6、5、4、3、2、1、発射!!!」


『ウォーーー!!!!!行くぞ!!』


 こうして、約2億匹の精子達が一斉に飛び出し、過酷なサバイバルレースが始まった。


〜〜〜


「俺が1番だぁ!」


「いいや、俺だ!」


「クソっ!もう駄目だ!皆俺の分まで頑張ってくれ!!」


「ああ、わかった!今まで落ちていったあいつらの分も頑張るぞ!」


『おぉーーー!!』


 精子達の過酷なサバイバルレースは始まったばかり。その距離、人間の距離に換算すると地球から月までの距離に相当する。その距離を、三日以内に目的地に着かなければならない。

 次々と弱い精子達が脱落し、強い精子達が残っていく。また、生き残った強い精子はあらゆる障害を潜り抜けていく。


「クソっ!もう、残り半分を切った!俺らは!俺らは!ぜっったいに死んでいった仲間たちの意思を!絶対に引き継いで見せる!」


「俺は!絶対に生き残る!」


「俺もだ!生き残ったら良いことがあるって!本能が語っているんだ!」


 ある者は途中で力尽き、ある者は障害にぶつかり死んでいった。しかし、精子達は諦めない。足掻いて、足掻いて先に進もうとする。それでも多くの精子が死んでいく。そんな精子達を見て、生き残っている精子は「あいつらの分まで!」と。そして更に頑張って進んでいく。目的地までの距離はどんどん狭まっていく。


「みんなは!最初に俺が1番だっ!とか言っていた威勢の良い奴は!何処に行ったんだ!うっ!クソっ!もう、俺は駄目かも知れない。生き残っているみんな!俺の分まで!どうか!どうか生きてくれ!!!!」


「ああ!もちろんだ!もう、楽にしていろ!俺らが今まで死んでいった仲間たちの仇を取ってやる!」


「ああ!頼ん…だ!」


 また一匹、また一匹とどんどんと死んでいく。しかし、選ばれし精子は、死んでいった精子の仇を取るぞと言うかのようにどんどんと闘志が溢れ出ている。

 とうとう、精子は子宮口まで到達した。選ばれし精子には、もう迷いは無かった。精鋭部隊のようなキレのある動き。飛行機のような速さ。精子達は85匹まで減った。それでも全ての精子は、徐々に速度を上げていき迷い無く突き進む。そう、全ての精子は一つの神秘に向かって。


「みんな!もう少しだ!あと少しで!あと少しで!卵管だ!」


「みんな!頑張れ!!もう少しだ!」


 残り少ない選ばれし精子達は、一つの神秘。そう、卵子に向かって()き続けた。

 残り15匹になり、殆どが諦めた時にその神秘は現れた。


「ついに!ついに来たぞ!ここが!これが!神秘!」


「お前ら!死んでいったあいつらを!絶対に忘れるじゃねぇぞ!それと!ここからは、正真正銘、早い者勝ちだ!」


 すると精子達は、血相を変え卵子に突進していく。

 精子は自分の頭から卵子に穴を開ける酵素を出す。


「おい!お前が行け!もう俺は、駄目みたいだ!穴は開けておいた!さぁ!」


「でも!」


「さっさと行け!……お願いだ。」


「クソッ!お前のことは、忘れない!じゃあな!」


「あぁ!行ってこい!みんなのために!」


 こうして、卵子の中に入って行った一匹の精子は、自分の尻尾を切り落とし、自分の核をさらけ出す。そうして、選ばれし精子はここで初めて、卵子に対面する。


〜〜〜


「貴女が。」


「よく来ましたね。」


「質問をいいですか?」


「もちろん良いですよ。」


「では、質問いたします。何故僕の仲間たちは入って来ないのでしょうか。」


「私達の事を邪魔しないようにガードしているからよ。………では、私のもとへ!」


 こうして、精子の核と卵子の核が合体する。これが受精だ。そして受精卵となる。


〜〜〜


「みんな!あいつはもう行った!俺達はここで死ぬ!」


「ああ!そして、みんな!おつかれ!みんな、神秘の中に入れなくて悔しいかと思う!でも!この悔しさをあいつに!あいつに頼むんだ!」


『ああ!!!』


「そして!みんな、さよならだ!」


 偉大なる選ばれし精子達は数分しないうち死んでいく。


〜〜〜


 受精卵は、回転運動と細胞分裂を繰り返しながら子宮を目指す。これを『生命のダンス』と呼ぶ。

 

「やっとだね。ここで、全てが始まるんだよ。」


「そうね。一緒に頑張りましょうね。」


 そして受精卵は、子宮に着くと、3日ほどかけて、子宮の内膜に潜り込む。これを『着床』と呼ばれる。


「力を抜いて!入るよ!」


「うん!」


「よし、もう少しだ!いける!」


「いけるわ!」


 着床したあとは、およそ四十週かけて人体を創造する。


「遂に創造が始まるのよ。」


「ああ。よくここまで頑張ったな。お互いにな。」


「これからも『一心同体として。』」


 妊娠十四日目、一つの大事な器官が形成される。そう、心臓だ。この時の体長約2ミリ。やがて、顔の輪郭が形成され、目ができはじめる。

 妊娠三十四日目、体長約5ミリになり、この頃に手足が形成されていく。この頃の手足にはまだヒレがある。一方、顔には鼻が形成されるが、爬虫類のようなものになっている。そう、体の中で四十五億年分の進化が数週間程度で行われる。魚類、両生類、爬虫類、原始哺乳類の過程を経ている。そして、全ての司令器官、脳が形成される。

 妊娠ニヶ月目、『胎児』と呼ばれることになる。この時、体長3センチ。そして受精から三ヶ月目になり、(親が)食べた食べ物が喉を通り、胃を通り、消化される。そして、糖分、脂肪、タンパク質などに分解される。それらは、血流に乗り、やがて胎盤へとやってくる。胎盤は、ウィルスや大きな細菌などの危険物質をガードする役目がある。そして、その硬いガードを潜り抜けた栄養分たちがへその緒を通り、胎児の栄養となる。

 妊娠五ヶ月目に入り、身長が19cmまで伸びるようになる。この頃の体重は、200g。体型がほぼ四等身となり、筋肉や骨格が強くなり、激しく運動するようになる。また、この頃から、生殖器が形成され始め、男女の区別がわかるようになる。

 妊娠六ヶ月目、身長24cm、体重450gにまで成長する。この頃に聴覚が発達する。そして、心臓の音や、外の音が羊水を振動させ、胎児の耳の中にある三つの骨を振動させる。そして、胎児に音を伝える。また、味覚も発達し、この頃になると羊水を飲み始めることになる。羊水には味があり、(親が)食べたものの味に近くなる。妊娠八ヶ月目になると、身長36cm、皮下脂肪が付き体重1000gになる。36cmになると、子宮内が狭くなり、以前のように激しく運動することが出来なくなっていた。そして、自分の頭を子宮の入り口に自力で近付け、体の外に出る準備をするようになる。

 妊娠九ヶ月目、この頃には、爪や体毛が生え、骨格がほぼ形成される。しかし、頭蓋骨だけは接合されていない。なぜなら、狭い産道を抜けるときに頭蓋骨が変形できるようになっているからだ。

 そして、妊娠十ヶ月目。最後の試練となる。それが出産だ。へその緒を付けたままゆっくりとねじ込むように外に出ようとする。これが親と子供の最初の共同作業。数時間かけやっとの思いで体の外に出る。


「おぎゃー!おぎゃー!」


「あぁ、よしよし。よく産まれてきたね。ありがとう。」


 初の親と子供の対面。長時間の苦しみに耐え、同時に達成感を得る。自然に溢れる言葉、それが『産まれてくれてありがとう』。

 僕たち人間が生存している一番の理由は、精子たちが諦めずに最後まで足掻き続けた結果であるからです。そして、子供が産まれたときの感動はその時、その場所にいた人々しかわからない。その中でも一番頑張ったのは、母親とその子供です。


〜〜〜


 これを読んでいる皆さん、つまらなかったかもしれません。面白くなかったかもしれません。ですが、必ずお母さんとお父さんの精子に『ありがとう』と感謝の気持ちを伝えて上げてくださいね。

 これを読んだ男性諸君。是非とも自分の精子を大切に扱ってください。

 これを読んだ女性諸君。出産というのは決して楽なものではありません。とてもきつく苦しいものです。ですが、絶対に諦めてはいけません。子供が産まれたら、是非とも幸せにしてください。これは、親となるものの義務です。

最後まで見てくれてありがとう御座います!!

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― 新着の感想 ―
[良い点] この題材で最後までよく走り切った(書き切った)ものだなと感心しました。 [気になる点] 終盤のくどさと蛇足感。 [一言] 恐らくその動画のやつは、もっとガワをかぶせて喩え話のようであって、…
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