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プロローグ
今、世界の何処かで、爆弾が落とされる。
今、世界の何処かで、銃弾が子供を貫く。
そんなのは遠い遠い国の話で、
僕たちには関係ない話だって、
冷たいかもしれないけれど、そう思ってた。
でも、それは違った。
見えないだけで、爆弾は、銃弾は、僕たちのすぐ側にあるものだった。
命は、雨粒みたいに、涙みたいに、思ったよりも簡単に落ちて消えてしまうものだった。
そんな事を知ってしまった今、
それでも僕たちには守りたいものがあった。
これはそんな少年達の話。
ここじゃない何処かを、
ここに在る平穏を、
求め、迷い、走り続けた
少年達の戦争の話。