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ひだまり童話館 参加作品

ノートの中には見つからない

作者: 朝永有

僕はいつも二番だ。


クラスのただし君は、いつも算数のテストが百点。

僕はいつも九十五点。


体育が得意なひろし君は足が速い。

もちろんクラスで一番だ。

そして僕は二番。


よしかず君は給食を食べるのが一番早い。

ひとみちゃんは図書室で一番本を借りている。

まいちゃんはなわとびが一番上手。


でも、僕はいつも二番でしかない。


そんなことを考えながら、僕はある本を読んだ。

ある人の伝記だった。これもひとみちゃんは読んでいた。

「『1+1』は本当に『2』なのか」

僕はこの言葉で、ちょっとこれまでを振り返ってみた。


百点のただし君や足の速いひろし君、なわとびが上手なまいちゃんは、いつも「すごいだろう!」と自慢している。

よしかず君は食器の当たる音が大きいし、ひとみちゃんは休み時間も本を一人で読んでいる。


そう考えると、僕はどうだろう。

九十五点だけど、もう一度問題は解けるし、友達も気軽に聞いてくれる。

少しなわとびができるから、同じぐらいのレベルの人と競い合うことができる。

本は読んでいるから、ちょっとした知識もある。(言い過ぎかもしれないけど)

給食や足の速さも、一番ではなくても何かしら良いものがある気がした。


なんだか、一番になる以上のものをもらっているような、そんな気分になった。


明日はまた、どんな「1+1」に出会えるだろう。

楽しみだな。


読んでいただき、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 器用さ1番?
2019/10/14 00:04 退会済み
管理
[良い点] 順位はひとつのものさしでしかないんですよね。見方を変えればまた順位は変わるし、順位そのものが無意味だったりもするわけで。そんなことを堅苦しくなく教えてくれる素敵なお話でした♪ [一言] 他…
[良い点] ノートの中には見つからない 拝読させていただきました  常に二番で一番になることができない主人公が、自分の視点を変えることで気持ちを切り替え、前向きになるという教訓のある内容ですね(^^♪…
感想一覧
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