大統領選の結果考察
今回は選挙結果の分析です。
別ペンネームで間違えて、出しちゃったので移動しました。
別名で読んだ人ごめんなさい。
この選挙の影響についてはまた後日で
あ、なっちゃった・・・が本音です。
この影響は計り知れないほど大きいらしく、株や円は乱高下し、政治家はあたふたし(まあ表向きですが)社説、ネットニュースがばんばん書かれています。
まあその辺はあとで書くとして、まずは何故、大統領選に勝てたのかを分析してみましょう。
皆さんのアメリカ合衆国というイメージはどのようなものでしょうか?
・摩天楼がそびえたつNY、ワシントンDC
・アラスカやロッキー山脈のような厳しい自然
・工場や研究所の並び立つシリコンバレー
・カルフォルニアやフロリダのような南国ビーチ
・世界最高水準の大学をもつ教育大国
いずれもアメリカの著名な一部ではありますが大統領選では大きな票田ではありません。
・アメリカのB級映画で見るような、さびれたガソリンスタンドと街のレストラン
・見渡す限りの農地の中を営業する車、その運転手のサラリーマン
・リタイアして日向ぼっこする老夫婦
そんな人たちが求めたのが今回のトランプ大統領なのです。
まず勘違いしてはならないことは、彼らは熱心なプロテスタント系キリスト教で保守的であり善良であることです。決して社会の変革を求め、自らの野心のためにダイナミックな大統領を求めたということはありません。
保守層があんな過激な発言を受け入れるのかという疑問ですが、次の話をどう思うか考えてみてください。
「人類は神が1週間で作った。ただしその1週間は7日より長かったかもしれない。」
これはアメリカのアーカンソーで起きたダーウィンの進化論の教育差し止めを求めた際の裁判の原告側の発言です。
この発言は大不評を呼びました。
「聖書で1週間と書いてあるのだから1週間である。長いはずはない。」
それが不評の内容です・・・
人として善良であることは聖書を遵守するとそうなってしまいます。
しかしそれ以外の知識は否定する、ファンダメンタリストと呼ばれる人々です。
やっかいなことに彼らは善意でそれを成し遂げるのです。
しかもあながち間違ってもいない理由「聖書に従って暮らせば心豊かに平和にくらせる」
この辺りはスティーブン・J・グールド氏(断絶進化論の創始者です。)のエッセイを読んでもらうと、かれがファンダメンタリスト相手に悪戦苦闘しながらじりじりと包囲されていく様が書かれています。
まあ話がちょっと横道にそれましたが、日本人とアメリカ人の善悪と暴言の幅は大きく違います。
例えばマルティン・ルターを悪しざまにいったらトランプ氏は間違いなく落選したでしょう。
彼が当選できたのはスーツを着たバリバリのエリートではなく、ジーパンにチェックのシャツを着た街のおじいさんに重きを置いたせいだと考えます。
彼はクリーンとドリームで選挙に臨んでいます。
・選挙費用は自費で賄い、他から政策に口を出させない。… クリーン
・アメリカンドリームは死んでしまったが、またそれを目指せる国にして見せる。 …ドリーム
非常に真っ当な意見であるとともに、他の候補者にはまねができないことです。
何故といえば前項が基本不可能、お金を出すのは既得権益の保護を求める人たちですから2番目も達成の幅が狭まります。
で、彼がまず取り上げたメキシコ人不正入国問題ですが・・・南部での不法就労による治安の悪化や英語を話さないカソリックについては、アメリカの良識ある人々にとっては頭の痛い問題だったのです。
(それこそ外交より近所づきあい、日本で言えば地方の過疎化の解決策をぶち上げたぐらいの衝撃)
当然、だれも可能だとは思ってませんが、それぐらい突拍子もない方法でなければ解決できないほど深刻な問題であることを全米に伝えたのです。
彼が勝った地域を見てもらうとわかりやすいのですが、フロリダ、コロラド、アラバマ、ミシシッピー、ルイジアナ、ジョージア、そしてテキサスと南部の大票田はコンプリートしました。
逆にクリントン氏が勝った地域は東海岸と首都・NY近郊・・・見事に別れました。
日本で言えば「ケーザイは私におまかせください!」といって当選した田中角栄と同じ路線です。
義理人情と親近感・・・これが今回のトランプ氏の当選理由と考えています。
トランプ氏が世界に与える影響ですが・・・これはまた次回ということで。
追記)目立ちませんが上下院で共和党が過半数をキープできたので、だいぶ世界政策に変動が起きると思います。