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クラスで異世界転移すると何故か俺が最強に  作者: 御殿場 酒井
第一章 異世界転移したて篇
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{第六話}フ、救世主、サルバドールとやらの力、見させてもらおうか。

そしてその後、俺が他のクラスメートたちを、先ほど俺たちがいた村に案内しようとしたが、そうすると、何故か凛が不機嫌になるので、俺は凛の機嫌を取りながら、まりちゃんに道を案内していた。凛を見ると、何故か俺に腕を巻き付けたまま、どこかを見つめている。すると、そんな様子を見たクラスの男子たちが、「ガルルル。」とでも言いそうに、俺を睨みつけてきたが、凛がそいつらを逆に睨み返し、クラスの男子たちは、「すいません。」とでも言いそうに、気まずそうな表情をしながら、目をそらすのだった。

「フ、いい気味だ。」

────なんて歪んだ優越感は、俺の頭の中に発生するはずは無く、ただ、どうしたんだ?と言う疑問が、俺の頭の中の思考を占めるのだった。


やっと、俺はまりちゃんに説明をし終えた。

「行きましょう。」

凛がそう言うと、やっと俺の腕から手を離し、馬にまたがった。俺も馬にまたがると、俺がイラシュールから貰った、隣の村への道筋を描いた地図に従い、馬で駆けて行った。


「本当に、何やってんのよ、真崎。」

と、クラスメートの女子の1人がそう言った。

「・・・放っといてくれ。」

真崎は、溢れ出る悲しそうなオーラを隠すことも無く、そう言った。

「全く、変な事言うから・・・。」

と、煌が言った。それを聞いて、真崎がその場に崩れ落ちる。やめてあげて欲しい、真崎の残りライフはもう既に0だ。

「それにしても、進君、強かったねえ~。」

と、クラスの女子の中では、一番進に強く当たっていた女子が言う。

「あぁ。」

と、勤が答える。その時、先生が声を上げた。

「みなさ~ん、行きますよ~。」

そう言って、先生が歩いていく。その先生に、クラスメートたちが付いていく。彼らと凛たちの溝は、・・・埋まらなさそうだ。


「それにしても。」

俺は、上を見上げながら言った。空を見ようとしたのだが、生い茂っている木がそれを阻んでいる。今が何時ごろなのか、それを判断する術を、今俺は何も持ち合わせていなかった。

「結局、あいつらとは違う道を歩むことになったな・・・。」

俺は一人呟く。今俺が心配しているのは、あいつらの生死だ。だが、まぁ良いか。と、俺はその考えを意識外に押し出し、もう一回地図を見た。

「進、あとどれくらい?」

と、凛が俺に聞いてきた。

「ん~、この調子だと、あと1時間ってところだ。」

地図を渡されたが、曲がりくねって歩くような道は無く、平凡に馬に揺られていれば着く、そんな道だ。

「な~んか、旅って感じがしないわね~。」

と、凛が言った。

「あ~ぁ、どこかにこう、強大なモンスターとかいないのかしらぁ。」

と、凛が気だるげそうに言った。ただ、馬に揺られているのが退屈なのだろう。その時、俺の意識に何かが引っかかった。

「シッ。」

と、凛に向かって言う。

「何かがいる。さっき俺たちが戦ったゴブリンなど、比にならないものだ。」

それを聞いて、凛が顔を固くする。

「どうする?道を変えるか?」

俺が半分笑いながら聞いた。すると、

「まっさかぁ、戦うわよ。」

「・・・・・・決まりだな。」

俺がニッ、と笑う。

「なら、最初は俺は手を出さない。その代わり、少しでも危険だと判断したら、すぐさま俺も戦闘に加わるからな。」

「えぇ、わかったわ。」

凛が答える。そして、俺に質問してきた。

「進、数は?」

「数は・・・5だ。」

「フン、私なら楽勝ね。」

「油断はするな、凛。命は、一つしかないんだからな。」

「えぇ、・・・わかってるわ。」

凛が、緊張した面持ちで答える。

「大丈夫だ、自分の力を信じろ。そうすれば、死ぬことは無い。」

俺だっているしな、と付け加える。


そして、俺たちはモンスターたちに馬を向かわせた。


「見えた。」

凛がつぶやいた。

「良いか、くれぐれも無茶はするなよ。」

俺が言うと、

「大丈夫よ。進。」

と、凛。

「あぁ、そうだな。」

俺は、凛の頼もしさにほほ笑んだ。

「行ってくるわ。」

凛が、覚悟を決めた声で言う。あぁ。

「行ってこい。」

俺がそう言うと、凛は馬から飛び降り、モンスターたちへ、自らの足で駆けて行った。


「来たか。」

目をつぶっている青年が、静かに言う。その青年の顔は、宮殿の神々しくもある光によって、見ることができない。

「これで、あいつらの力量が窺い知れる。」

そう言う青年の周りには、魔族が恭しく控えていた。そう、彼は、若くして代を継いだ、名実ともにそろっている、魔王だったのだ。そして、進らが今、倒そうとしているモンスターは、この魔王の差し金だったのだ。

「フ、救世主、サルバドールとやらの力、見させてもらおうか。」

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