表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クラスで異世界転移すると何故か俺が最強に  作者: 御殿場 酒井
第一章 異世界転移したて篇
5/24

{第四話}奴隷として売るのさ。

そして、俺たちは今、馬小屋に来ていた。これは何故かというと、長旅になるだろうから、と、俺たちに馬を、1人1頭ずつくれると言うのだ。俺たちは、最初にうまく乗れるかを危惧していたが、案外、簡単にうまく乗れれるようになった。

「一番上等な馬を差し上げますので、少々お待ちください。」

と、馬小屋の係りの人に言われたので、俺たちは待っていた。


5分ぐらいたっただろうか。

「お待たせしました。」

そう言いながら、3頭の馬を引き、こっちに係りの人がやってきた。

「わざわざすみません。どうも、ありがとうございます。」

と俺が言い、頭を下げると、凛もあわてて頭を下げていた。そして、俺たちは、これから自分の愛馬になるだろう馬を引きながら、門のところに向かった。


しばらく歩き、俺たちは門のところで、イラシュールらと合流した。ここにある門は、それほど大きくはないが、立派な門だ。そして、俺たちはたくさんの人から熱い声援を受けながら、馬に乗り、門をくぐった。俺たちの2人旅が、今始まった。


そして、もう後ろを振り返っても誰も見えないな、と言うぐらいになって、凛が俺に話しかけてきた。

「ねえ、進。これからどうする?」

「どうするって言ったって・・・・・・。探すしかないだろ、クラスメートたちを。」

「気は進まないがな。」

そう、俺は付け加えるのを忘れない。

「じゃあ、そうしようよ。」

と、凛が話す。

「とりあえず、他の人と合流するのを目標に移動しよう。」

「・・・・・・そうだな、そうしよう。」

俺は渋々、凛の意見に賛成した。


「それにしても・・・。」

と、いきなり凛が言葉を発した。

「何か・・・、熱烈な歓迎だったね・・・。」

と、凛が苦笑交じりに言う。

「まぁ、何か明確な希望が欲しかったんだろうな。」

俺が、表情を崩さずに言う。俺から見れば、(口は悪いが)所詮、自分らが何もできないからって、力のある子供に戦わせているに過ぎない。そのやり方は、俺はあまり好きではない。子供を守るのは、大人の役目だ。と俺は思う。


その後も他愛もない話をしながら、俺たちは馬に揺られること数十分。俺たちは、うっそうと木々が生い茂っている、森の手前で立ち止まった。

「進?」

と凛が、いきなり止まった俺に、訝しげな視線を送る。

「何か、・・・人の気配がする。」

俺は、計測不能の索敵能力で、歩いている人影を29つ知覚した。何をしているんだ?と、俺は疑問に思った。こんな広大な森の中で、何をしているのか。答えを探しても、何も見つからない。・・・いや。

「考えていても仕方がない・・・か。」

「進?」

またもや、凛が聞いてくる。

「凛。森の奥で28人、人がいる。今からそこに行くが、何が起こるかわからない。念のため、戦う準備をしておいてくれ。」

「わかった。」

と言い、凛が頷く。俺は、それを一瞥すると、その多数の人影に向かって、馬を走らせた。


「あの、おじいさん?」

「何じゃ?」

先生が、不安そうにおじいさんに話しかける。

「あの、・・・村に連れて行ってくれるんですよね?」

「そうじゃよ、安心してついてきなさい。」

「・・・わかりました。」

先生は納得していない様子だったが、渋々頷いた。

「先生?」

と、生徒が不安そうに先生に聞く。

「大丈夫よ。」

先生が、生徒を励ますように無理に笑顔を作って、そう言う。だが、その笑みはあまりにぎこちなかった。その時、先生と周りにいた生徒、つまりおじいさん以外の全員が、穴に落ちた。

「なっ!?え!?お、落とし穴!?」

と、先生が驚きに染まった叫び声をあげる。それはそうだろう。だって、歩いていたら落とし穴が。なんて、信じられない。すると、

「ヒッヒッヒッヒッヒ。」

と、いきなりおじいさんが笑い始めた。その様はまるで、魔女が歪んだ笑いをしているかのようだった。すると、いきなりおじいさんの顔が、グニャグニャとしていった。

「な、何!?」

と、先生が恐怖に染まった声色で言う。

「私はおじいさんではないよ。魔女だよ。」

そう言うと、魔女の後ろから、ゲームなどによく出てくるようなゴブリンが、たくさんでてきた。ざっと見ただけでも、50以上はいる。

「ヒッヒッヒッヒ。あんた達が誰かは知らないけどね、そんなのどうでもいいのさ。」

ゴブリンが穴に向かって手を伸ばす。

「な、何をするつもりですか!」

と、先生が叫ぶ。

「フ。奴隷として売るのさ。女と子供は金になる。」

先生と生徒の顔が、絶望に染まる。

「いやだー!」

「やめろー!」

「ごめんなさいー!」

何故か生徒の中には、何かに謝りだす者もいた。

「ダメです!生徒には指一本触れさせません!!」

だが、そんな先生の叫びを受けても、魔女は冷笑している。

「そうかい、ならまずはあんたからだね。」

ゴブリンの手が、先生に伸びていく。

「・・・!」

そして、ゴブリンの手が先生を掴む──。

──前に、ゴブリンの腕が何者かの手によって斬られた。ズドォォォンと、とても大きいゴブリンの手が、地面に落ちたことによって、地面に大きな衝撃が起きる。そして、ゴブリンが斬り刻まれ、地面に倒れる。先生と生徒、そして魔女の、全員の顔が驚愕の色に染まる。

「な、何だい!?」

と、魔女が叫ぶ。すると、穴に落ちた先生と生徒らの前に、立ちはだかるようにして、1つの人影が現れる。

「悪いな、こいつらをやらせるワケにはいかないんだ。」

そこに現れたのは 

 救世主、サルバドールであった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ