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クラスで異世界転移すると何故か俺が最強に  作者: 御殿場 酒井
第一章 異世界転移したて篇
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{第三話}こんなの・・・チートと一緒じゃねえか。

「なら、単刀直入に言います。私たち、実は異世界転移してこちらの世界に来てしまったんです!!」

先生が、胸を張ってそう言った。

「・・・ホントじゃな?」

「えぇ、本当です!」

今、生徒たちはまたもや同じことを思っていた。あれ?このおじいさん、なんだかあっさりと信じてくれたぞ。

「なら、こっちに来てくれるかの?」

「・・・わかりました。」

そう言って、先生が付いていこうとする。

「おい、まりちゃん。良いのか?信用できるのか?」

と、真崎がおじいさんに聞こえないように言う。

「だって、悪い人には見えないし、それに、この人についていけばこの森から抜けられるでしょ?」

「・・・。」

そして、真崎は少し考える素振りを見せたが、

「・・・わかった。」

そう言って、渋々ついてきた。真崎が先生についていったのを皮切りに、他の生徒もぞろぞろとついていった。とにかく、彼らは誰かに頼りたい。恐らく、そんな気分なのだろう。


「そして、ワシが今からするのは提案じゃ。」

俺たちに、イラシュールがそう言った。俺は、一応確認をする。

「提案と言うことは、・・・俺たちは断ってもいいんだな?」

「そうじゃ。」

「そうか、ならば聞こう。」

俺はそう言って、イラシュールに続きを促した。

「ワシらは今、魔族の強大な力によって、恐怖におびえる生活をしている。」

「ここも平和に見えるが、いつ魔族の者が攻めてくるかわからないし、ここがいつ戦いの最前線になるかわからない、そんな状況じゃ。」

「だが、わしらには1つの希望がある。まずは、このギザリア文書を見てくれ。」

そう言って、イラシュールはボロボロの巻物を取り出した。

「これは?」

俺が聞くと、イラシュールが説明してくれた。どうやら、ギザリア、と言う昔は人間の領土だったが、今は魔族に支配されてしまっているところから、出土したものらしい。そして、これには予言が書かれていて、これまで、数々の災害を予言し、何度も人間はここに書かれた予言によって助けられてきたらしい。

「だが、これに魔族の出現は書かれていなかった。」

残念そうにイラシュールが、そう言った。

「そして、予知していなかった魔族に、今こうしておびえている、と・・・。」

俺がそういうと、後ろに控えているスパイルが気まずそうに、それまでこちらを見ていた目を、少しずらした。守れなかったことに、責任を感じているのだろうか。

「だが、これにはあと1つだけ、予言が書かれていた。」

「それは、救世主、サルバドールの出現じゃ。」

「この予言では、わかりやすく言うと、ある日異民族の30人が現れるが、真の救世主は空より舞い降りる。そして、この世を浄化し、悩みし民を救うだろう、と書いてあったのじゃ。」

「・・・。」

俺は黙り、ただ考えていた。その予言が正しければ、真の救世主は俺と凛の事になる。何故なら、空からこの世界に落ちたのは俺と凛だけだからだ。それは何故かというと、真の救世主が全員ではないのなら、空から落ちたのは俺と凛だけになるからだ。それに、俺たちが先生も含めて、クラス全員で異世界に来たのならば、それは俺も含めて30人だ。俺たちのクラスは生徒で29人で、担任が1人だからな。

「済まぬが、おぬしらのステータスを見せてもらってもよいかの?」

「ステータス?」

俺の頭の上には、クエスチョンマークが浮かんでいた。ゲームなどでよくある、あのステータスのことだろうか。

「あぁ、そうじゃ。ステータスは自分で言うと出てくるんじゃ。」

「わかった。ステータスオープン。」

俺がそう言うと、ステータス画面が俺の前に表れた。

「スマンが、わしらにも見せてくれるかの?」

「わかった。」

俺は答えると、ステータス画面の表示の仕方を設定から変え、全員に見えるようにした。

「どれどれ・・・。」

そう言って、イラシュールがのぞき込む。

「な、こ、これはっ!?」

「え!?進、嘘でしょ!?」

イラシュール、凛の順でそう言われた。ん?何か、ステータスがずば抜けていたりしたのだろうか。そして、俺も見てみた、すると、俺のステータスはとんでもないことになっていた。

「えーっと、どれどれ?」

俺がそう言いながら見ると、全てのステータスが計測不能を表していた。

「な、何とっ!!」

これには俺も驚いた。だって、こんなの・・・チートと一緒じゃねえか。よく、こういう展開はラノベでよく読んだことがあるが、まさか、あの事態が自分に降りかかるとは。

「これは、これなら、魔王を・・・。」

イラシュールがそうつぶやいた。だが、俺はそれに反論した。

「イラシュール、お前まさか、俺たちに戦わせようとしているのか?」

「あぁ、そうじゃが・・・。何じゃ、不服なのか?」

「不服も何も、俺たちは訳も分からずにこんなところに来たんだ。それに・・・。」

そう、言葉をつづけようとした俺に、凛が割り込む。

「何よ、良いじゃない。この世界を助けるぐらい。それとも何?これも面倒くさいって言って逃げるの?」

「イヤ、俺はだな。凛の事を思ってだな・・・。」

そう、俺は反論した。だが、これは俺の本音だ。こいつらには、たとえ相手が人間じゃなくて魔族でも、凛に戦いに身を投じて欲しくない。だが、そんな俺の考えは、凛の一言で打ち消される。

「あら、私はもう、覚悟はできてるわ。それに、私たちは進が行かないと言っても行くつもりよ。そして、進には劣っちゃうけど、ここの異世界の人と比べたら、私たちも十分ステータスは高いらしいし。」

俺は、大きく目を見開いた。・・・・・・そうか、凛にはもう、覚悟ができてるのか。

「で?進。行くの?行かないの?」

凛が聞いてくる。フッ。俺は、軽く笑みを漏らした。お前が行くのに、俺が、お前を置いて平和なところにいるなどありえない。そうだ、この俺が、

「行かないわけ・・・ないだろ。」

「そうか、では・・・。」

イラシュールが念を押すようにして、聞いてくる。俺はそれに答えた。

「えぇ、行きます。期待して、待っててください。」

「そうか。ではあなたたちに渡したいものがあります。付いて来てください。」

「わかりました。」

そして、俺達はイラシュールについていった。


「ここですじゃ。」

連れてこられたのは、鍛冶屋であった。

「ここで、あなた方の武器を作ります。お好きなだけご注文くだされ。」

「わかりました。」

そういうと、俺たちは自分に合う武器を考え、考え抜いた武器を注文した。


15分ぐらい待っただろうか。

「できましたじゃ。」

そう言って、イラシュールが俺たちのいる部屋の中に入ってきた。ふぅん、意外と作るのは早いんだな。そう思いながら、俺は立ち上がる。

「ありがとうございます。」

俺はそう言い、深く頭を下げる。こういう礼儀は大事だ。

「いえいえ。」

イラシュールはそう言うと、

「こちらです。」

と言い、武器を持ってこさせた。

「まず、凛さん。」

「はい。」

凛が元気に返事をした。

「こちらが、注文された2本のレイピアです。どうですか。」

「・・・素晴らしい出来です。」

俺から見ても、このレイピアはかなり素晴らしい出来だった。それに、良く斬れそうな感じがする。頼もしい武器だ。そして、凛はレイピアを専用の鞘に納め、腰に差した。

「そして、進。」

「おう。」

俺も元気に答えた。

「これらが、注文された品です。どうじゃ。」

「良いぜ、良すぎて逆に怖くなるぐらいだ。」

「それはそれは。」

と、イラシュールが喜んでいる。俺が注文したのは、三国志で出てくる、青龍偃月刀と、2本の黒い剣だ。そして俺は、青龍偃月刀を背中に、2本の剣を腰に差した。通常ならば、青龍偃月刀は重すぎて振るうことができないが、俺ならば簡単に使うことができる。これも、俺のステータスだからこそ成せる技だ。

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