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クラスで異世界転移すると何故か俺が最強に  作者: 御殿場 酒井
第一章 異世界転移したて篇
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{第二話}異世界に来て早々にこんな事が起きるのか?

「君、今何をした?空から降ってきたように見えるが、・・・。」

げ、マジかよ。異世界に来て早々にこんな事が起きるのか?いいや、俺が読んだラノベではこんなことは無かったはずだ。と、俺はパニックから自問自答してしまう。

「上級回復魔法なら、深い傷も簡単に治せるらしいが・・・。恐らく、君たちは特別な力は使ってないだろう?」

そう、若干問い詰めている感じで、兵士が質問をしてくる。何かを言おうとした凛を目で制すと、俺は口を開いた。

「これは、自分の身を守るための、特殊な技能です。」

俺はそう言った。これが、思いつく限りで、最も無難な答えだったからだ。

「そうか、とにかく一緒に付いて来てくれ。」

そう言い、兵士は歩いて行った。さも、俺たちが付いていくのが当然、と言わんばかりに。俺たちは顔を見合わせたが、ついていくことにした。とにかく、反抗的な素振りは見せないほうがいい。俺は、そう思ったのである。


そして、連れてこられたのは、木で作られた簡易宿泊所のようなところであった。くっついてないベッドが2つ。この部屋にはそれしかない。

「ここで大人しくしててくれ。」

その兵士にはそう言われた。

「それと、俺の名前はスパイル・ガーシーだ。他の奴に何でここにいるのか聞かれたら、俺の名前を出せ。そうすれば、大丈夫だ。」

スパイルはそう告げると、どこかに行ってしまった。

「ねえ、どうする?」

「どうするって言ったって・・・。どうしようも無いだろ。」

俺はそう、凛に答えた。

「私たち、これからどうなっちゃうんだろ?」

と、不安そうに凛が言ったので、

「大丈夫だ。凛の事ぐらい、俺が守ってやる。」

俺はそう言った。




そして、

 ガチャッ

とドアが開いた。俺はとっさに身構える。ここは異世界。俺たちがこれまでいた安全な地球ではない。何があるか、わからない。

「まぁまぁ、何もそこまで警戒するな。」

そう言い、入ってきたのはおじいさんであった。

「俺は碓崎 進。あんたは?」

「ワシはイラシュール、技術顧問をしておる者じゃ。」

「そして、ワシが今からするのは提案じゃ。」


「うぅ。」

彼らは、そう言いながら目を覚ました。彼らは、進のクラスメートだ。

「ここは・・・どこだ?」

煌がそう言った。そして煌のそう言った言葉につられ、他のクラスメートが辺りを見回す。周りには、見渡す限り木が広がっている。彼らは空から落ちたのではなく、ここの地面に寝ていたのであろう。まだ、目を覚ましていない生徒が、チラホラと見える。

「え?」

「ちょっと、どういうこと?」

「意味わかんないんだけど!」

クラスメートたちが、一斉に叫びだす。無理もない。いきなり異世界に放り込まれたのだから。

「落ち着いて!」

そこで、可愛い声を出しながら、1人の女性が立ち上がる。

「まりちゃん・・・。」

と、一人が漏らす。そう、彼らの先生であった。何故、先生なのに、まりちゃん、と呼ばれているかと言うと、この先生はまだ若く、新任であるため、どこか初々しく、男にとったら庇護欲を掻き立てられるような、そんな存在だからだ。いつもは、まりちゃんと呼ばれ怒る先生も、今となっては耳にすら入っていない様子であった。

「とにかく、落ち着いてください。」

「私も、今に気が狂ってしまいそうです。でも、何とか落ち着いてください。」

「とりあえず、全員いるか確認をします。この世界に来たのが、あの教室で体験した白い光が原因ならば、全員ここにいるということで間違いはないはずです。」

そして、先生が数えていくと・・・。

「あれ?おかしいな。2人いない・・・。」

その時、煌が言葉を発した。

「まりちゃん、凛と・・・あと進がいない。」

煌は、進の名を呼ぶのに抵抗しつつも、先生の前なので、しっかりと言っておく。

「えぇっ!?ど、どうしましょう・・・。」

そこで、先生がオロオロとしだした。

「先生・・・。」

そこで、その様子を見た生徒の一人が、不安げに漏らす。先生と言っているのは、無意識に頼りたくなっているからかもしれない。

「そうですね・・・。とりあえず、私たちが生き残る方法を探しましょう。」

そして、彼ら一行はとりあえず、この森を抜けることにした。


一時間ぐらい歩いただろうか。前に、1人のおじいさんが見えてきた。

「まりちゃん。」

「えぇ、あの人に話しかけてみましょう。」


そして、先生が話しかけた。

「あの~。」

「何か用かの?」

その優しそうなおじいさんの受け答えに、先生はホッとした。

「オカルトとかって・・・信じますか?」

「ま、まりちゃん?」

煌が、驚いたように先生に言う。何故そんなことを言ったのか、わからなかったからだ。

「えぇ、もちろん。」

「ほ、本当ですかっ!?」

どうやら、このおじいさんはオカルト系を信じるらしいが、それがどうしたのか。このとき、生徒たちは全員、そのような事を思っていた。

「なら、単刀直入に言います。私たち、実は異世界転移してこちらの世界に来てしまったんです!!」

先生が、胸を張ってそう言った。

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