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佐藤くんは生まれながらのモテ男(表) 40分
「結婚を前提にお付き合いしてください!」
「ごめんなさい。名前も知らない人とはちょっと。学校に遅刻しちゃうんでこれで!」
朝から何人も告白をしに来て大変だよ……学校まで20分で行ける距離なのに、1時間もなんて酷い話だ。もう少し寝たいのに。
「やっと学校に着いた。寝たい……」
「おっはよー! 佐藤くん元気ないね。いつもの?」
「ああ、慣れてても中々疲れるよ。あさく――」
「あら! 佐藤さんおはようございますわ! 朝から会えるなんてまるで運命ですわね。それで結婚のことは考えてくれました?」
「あはは、おはよう。結婚のことは高校を卒業するまで待って欲しいな」
「いけずですわ」
「ちょっと花ノ宮さんいっつも邪魔して! ひどいよ!」
「あらあら、浅倉さん。いましたのね」
「もう!」
二人共元気だな……僕はもう疲れたよ。
「あんたも朝から苦労するわね」
「心夢。幼馴染なら助けてあげようとか思わない?」
「生まれてきてからずっと似たような光景を見てたのよ? いいから早く教室に行きましょう」
「ちょっ腕を組まなくても行くって!」
ああ。大変な一日になりそうだ。でも今日はちょっと幸せかな。
女の子とならまだ背後を気にする必要はないから――




