仮
無音、ジワジワと滲み出る汗に不快感を感じながら早朝目が覚める。まだ辺りは薄暗く朝焼けなのか夕焼けなのか区別は付かないまでも、自室の時計にてAMというコトが分かる。
昨日神野姉妹に電波塔建設の手伝いと街の探索に加わってもらうことを依頼した、させられたと言うべきか…。
図らずも天才の介入に和人の苦笑いしている姿が想像できた。
二階の自室から階段を降りて洗面所に向かう、蛇口を捻って水が出ないコトを確認する。
早い、インフラの供給が止まるのが早すぎる、予想してはいたがこれからのコトを考えるとコンビニなどで水を補給しておかないとダメだ。
電気の使用ができないので、建物内に篭っても真夏の陽射しや気温は体力を奪う、現代に生きる人間にとって危険があると考えていた。
風呂場を覗き、浴槽に貯水した水を洗面器を使ってすくいあげ、ハンドタオルを使って顔、腕、身体と順番に拭いていく。
家族で使用する分タオルや衣服には事欠かない状態だ。
だがこれからは電気が使用出来ないことや水もあまり使えないこともあるので、コンビニなどが健在であれば、タオルなど洗い物はストックしておいてもいいかもしれない。
寝汗のべっとり付いた身体がさっぱりとしたら、次は歯を磨く、基本だ。使用する水の量もちゃんと考える。
あとは適当に着替えて冷蔵庫から既にヌルくなった清涼飲料水を持ち、水に濡らしたタオル首に巻いて出かける。
暑い、猛暑、まだ早朝だというのにものすごい暑さだ。
さしてやることもないので、自転車に跨り学校へと向かう。