表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/22

雨上がりの虹

生まれた時から「女王」と呼ばれていた私には「名前」がない。

実際にはあるのかもしれないけれど、呼ばれた記憶がないのは事実。




「だから、私には名前がないの…いえ、名前が分からないの」

ちょっとの沈黙の後、チェシャが口を開いた。

「王族は基本的に名前は必要ないからね、もう随分と前から名前はつけられなくなっているよ」

「…そうだったんですか…」

まだ降り止まない雨が音を立てている…。

湿った空気の中で三人は無言を保っていた。

「…あら?まぁ…」

突然、女王は何かを見つけ声を上げた。

その目線の先には一輪の花が咲いていた。

「…アイリス…ですね。」

「…アイリス?」

「あやめの事だよ、女王。そんな事もしらないのかい?」

「な!知ってるわよそれくらい!」

「…本当かい?」

「………。」

「…そういえば…」

二人の口喧嘩を止めるようにビルが口をはさんだ。

「アイリスといえば、虹の女神という意味があるそうですね。」

「虹?あの花が?」

「ええ。」




昔、イリスと言う女神がいました。

彼女は他の神からの求愛を受け、困ったあげくに地上に降り立ちました。

その時に使った橋が虹となり、その虹の麓に咲いた花を人々は「虹の女神」と呼び、崇めるようになりました。




「私が昔聞いた話ではこんな感じでした。ですから花言葉は『恋のメッセージ』なのだそうですよ。」

「へぇ……」

「…なんとなく、陛下に似てますね。」

「え?」

「いえ、なんでもないです。」

そんな二人を遠巻きに見ていたチェシャは

「バカップルめ………」

ぽつりと呟いていました。





雨があがり、日の光が射してきた頃。

「…では、これからは『アイリス』とお呼びしますね。」

「ええ。お願いするわ。」

女王に名前が与えられた。



えぇ…

私が『女王』だと知っている人のみ、ちょっと。

あとは申し訳ないのですが…幻滅させてしまうかもしれません。ごめんなさい。

尚、「歪みの国のアリス」を知らない方にとっては、少し怖い部分がございます。あらかじめ、ご了承下さい。



では…まず、

ちょっと猫!私に内緒でビルとどこに行ってたのよ!?すっごく気になるから教えなさいっっ!!

…でないと、首狩るわよ!

それから、私はツンデレではないと何度言ったらわかるの!?



以上です。

もし、どうしても気になるようでしたら…評価の所にコメントだけでも書いて下さい。

できる限りで返信させて頂きます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ