選択した道
どうしてか世界は上手くいかない。
望むもの程手に入りにくい。
だからこそ何かを成し遂げる事に意味がある
そう思ったとしても
私の目の前にある理不尽な壁は
私がいくらもがいたとしても
決して臆する事はないのだろう
「女王」なんて
なりたくてなった訳ではないのに……
気が付いたら私は城に連れ戻され、自分の部屋のベットの上に腰掛け、夕暮れの近い窓の外を眺めていた。
そこにドアを開け誰かが入ってきた。
「女王様、王様がお呼びです」
そう呼ばれ、私は王のいる部屋まで案内された。
そこには椅子に腰掛けた王が座っていた。
「女王、少しは落ち着いたか?」
「…そうね、でも納得はしていないわ」
「そうか…」
王はそう言い、黙った。
「………何か…あるの?」
その沈黙に違和感を感じた私は尋ねた。
「…刑罰は死刑となった」
「そんなの…っそんなの私は認めない!」
「今日の夕方、とり行われる」
「…えっ……」
私は慌ててその部屋を飛び出した。
「待ちなさい女王!君が行ったところで辛い思いをするだけだ!」
そう言われ、私は立ち止まった。
「…君が行ったところで、どうする事も出来ないんだよ……」
…何で?
ビルはただ私の我が儘を聞いてくれただけじゃない。
何か悪い事をしたの?
罰を受けるべき私には何もないのに
何でビルだけがそんな
全てを負わなければいけないの?
「だったら…私がその荷を負うわ」
逃げないで前を向こう
決して楽な道ではないけれど
その先があるのかさえ分からないけれど
大切な人
もう傷付けたくはないから…