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act.39無双=(社会的)地位粉砕

 予告通り無双です。いやあ、ご無沙汰しておりました……

act.39無双=(社会的)地位粉砕

 鞘に納めていた蒼鬼の柄に右手をかけ、膝を少し曲げる。ある程度力を溜め、一気に踏みこみ、圧縮した風も用いて敵をなぎ倒す。

「さて……いつでも逃げていいぞ?」

 正面を見上げ、ニヤリと笑みを浮かべながら敵に保険をかけてやる。これで敵の恐怖心は充分に煽れたはずだから、こちらとしても多少楽になる。


 敵の数とこちらでは万倍程の数の差があるが、ゼルキスが負傷でいないとしても精鋭ぞろいの王国軍、国王直属部隊。それと地味に活躍してる直属部隊隊長クラスの実力を持つ王子、エリム。ついでにそれらを束ねる神のご都合主義的チートキャラ、俺。負ける気はしないねぇ、うん。

「消し飛べぇッ!」

 体ごと回転させ、周囲を薙ぎばらう。もちろん風と雷を纏っているので人が宙に飛んでいく。左手で地面を掴むように回転を止め、右手の勢いが丁度その百八十度あたりで止まる。地


面には一回転する傷跡が残り、未だに敵兵は宙を舞っている。

 次いでその舞う敵兵の円形の壁を突破し、一気に数人をなぎ倒す。ちなみに蹴りで。それと風を纏って。

「先生! 後ろだ!!」

「サンクス!」

 アクトの声に咄嗟に後ろにハッシュパピーで雷を撃ち込む。そのまま右手に蒼鬼、左手にハッシュパピーを構えて敵を気絶させていく。数秒ごとに敵兵が飛んでいくのは御愛嬌。

「オラオラオラオラァ! もっと強いヤツはいねぇのか!」

 某格闘ゲーのア○ラみたいな口調で調子に乗る俺。ついついテンション上がってしまうのも無双の特徴だろうか。まあいいや。



 しばらく蒼鬼とハッシュパピーで敵兵を黙らせてきた訳だが。いい加減疲れてきたよ……もうあれだ、ちょっと本気出しちゃおう。

「ぬぅ、いい加減……少しは減りやがれコンチクショウ共ぉぉ!」

 万単位とかいうふざけた数の暴力に対し、いい加減うんざりしていた俺は躊躇なく周囲に電撃を放出し、大量の敵兵を気絶させる。

「WAR DANCE!!」

 いや、うん、流石に六本も刀は持ってないけどさ。

 発生する衝撃波、もとい電撃で周囲の敵兵が吹き飛び、俺の周囲にはバチバチと雷が舞う。この際蒼鬼だけで突破しようか……いや、ナイフに持ち替えよう、変形二刀流だ。

「Haaaaaa!!」

 蒼鬼を袈裟がけに振り下ろし、左から右へ雷で刀身を伸ばしたナイフで薙ぎ払う。その回転の勢いを保ちつつ右脚で後ろ回し蹴り。風で真空の刃を無理やり作りだし、辺り一帯を薙ぎ払い雷で追い打ちをかける。


 と、そんな俺TUEEEEE!! していたときだ。突如として俺のすぐそばで小規模(かは知らん)の爆発が起こった。衝撃波は俺にも届き、危うく倒れてしまいそうになる。

「なっ……レールガンか?」

 クレーターと化した地面にめり込んでいた弾丸は見覚えがある。独特の球体はレールガンに装填されていた弾丸そのものだ。危ないなぁもう。

 そんな危ない援護砲撃で数十の敵兵が一気に消し飛び(いや気絶だけど)、俺の周りにスペースができた。

「ほう、ならば……!」

 両手に持っているナイフと蒼鬼を逆手に持ち直し、脚を肩幅以上に開き、腰を落として力を溜める。周囲を風と雷が暴れ、溜まっていく力と暴れる量と強さが比例していく。

 敵兵は警戒しているのか俺と一定の距離を保っている。しかし、それはここでは墓穴となる。何故なら……

「対中距離、広範囲殲滅攻撃!!!」

 特に技名も決まっていないので、適当に叫んでおく。いろいろと厨二成分が混じっているがこの際気にしないこととしよう。

 蒼白い閃光と荒ぶる暴風が辺りを駆け巡り、周囲一帯を容赦なく一掃していく。しかし、それも俺が能力を使った一部にすぎない。その状態は俺を中心に維持され、俺は更なる追撃をかける。そう、蒼鬼とナイフで更に敵兵をなぎ倒していくのだ!

 この異常現象もかくやというフィールドは全てが俺に有利に働く。凄まじい速度で移動しては敵をなぎ倒し、フィールドも伴い移動する。それによってかなりの範囲を殲滅していき、


一気に数百と数を削っていく。


「オラオラオラオラぁ! 死にたくなきゃ帰りやがれこのヤロー!!」

 この暴風と轟雷で聞こえていないだろうが一応叫んでみる。外の連中には聞こえたのか、幾らか悲鳴が聞こえ、ここからでも混乱の様子が見て取れる。その混乱はやがて敵兵全体に広がっていき、逃げる敵兵も多く出たようだ。

「せんせー! こっちにも被害出てるー!! ちょっと待ぐあぁぁッ!?」

 あ、いけね……広範囲すぎてアクト達の事考えてなかった。おかげで飛び散った地面などが彼らに直撃している模様。これに威力を弱めることを期待した敵兵のようだが、生憎と俺はそこまで甘くない。むしろ鬼畜だ。

「悪い! じゃ、範囲外になるように敵陣に突っ込んでくる―!」

 その一声に、敵兵の周囲から一気に絶望感を感じた気がする。うん、気のせいじゃないね。




 その後の結果は御想像通り。敵が空を舞い、地面に突き刺さり、指揮官はボッコボコ。アクトにちょっとお説教を喰らったのは気にしない。

 その日はとりあえずデブリーフィングもなく眠ることができた。そりゃ、戦闘終了が日が沈んだ後だからな。数万の兵を一日だ、国王だってあんな目がギョロリと音を立てそうなほど驚いていたのもしかたがない。

 さ、おやすみな……さ…………zzz

 うん、やっと終わりが見えてきた……

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