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act.37寡兵よく大軍を制す。こりゃ面白い!

 いやぁ、お気に入り登録件数が五十を超えるとは……御贔屓下さり本当にありがとうございます! これからも宜しくお願いします!

act.37寡兵よく大軍を制す。こりゃ面白い!

 会議、最終調整を済ませた翌日。朝食を終え、これから訓練という時だ。

「敵襲―! 西岩地にて、数万の兵を視認! 事前打ち合わせのあった隊は直ちに直行せよ!!」

「来たか……さて、俺達以外の兵がどこまで持ちこたえるか……その前に先制攻撃でも仕掛けておくか?」

 慌てて警鐘を鳴らした兵の報告を聞き風を纏って飛び出した俺は、ブツブツと呟きながら例の櫓に向かっていた。




「おお、速いな二人とも。感心感心。で、デフィアとイース、部下は?」

「第六隊は今向かっているはずだ。何でも銃器類を追加しているらしい」

「第七隊は既に待機中です。有事の際にはいつでも出てこれます」

「おし……じゃ、デフィア。見えてきたらサイティング頼むよ。あと放熱中は俺も攻撃に参加するから」

 そう言って俺はビームライフルを掲げて見せる。ジュイス戦で思ったことだが、コイツはかなり威力が高い。魔力伝導率が良くて、形状も持ちやすいものだ。

「さて、そろそろあいつらも揃うかな……あら?」

「どうしました?」

「いやね、見た事ある人がいる気がするなーって。直属部隊以外で」

「え? ……あ、ホントだ……しかもエリム様!?」

「な……い、いくらなんでもそれは辛いですね」

「全く……ちょっと説得してみるか」

 二人の返事を待たずして櫓から飛び降りる。無論、敵がいないのは確認済み。



「エリム様」

「うわっと!? あ、ああ、びっくりした……どうかしましたか?」

「こちらのセリフですよ。早く城にお戻り下さい!」

「いや……僕も戦うために来たんだ。無論、父上の許可はとったしね」

 王族に逆らうって無理じゃん。俺、結局拒否権はこの世界で持っていないのね……

「はぁ……分かりました。けど、無茶はしないで下さいよ?」

「分かっていますよ? それに僕は元々軍隊の志望でね……父上は反対みたいだけど」

 いまいちタメ口に慣れていないのか時折敬語交じりで話すエリム。ちなみに俺が敬語なのはここがプライベートな場ではないからだ。

 結局折れてしまった俺は櫓へと戻り、事情を二人に説明する。ちなみに、いつの間にか第六隊の隊員が戻ってきていた。


「来たぞ、あそこだ!」

 俺が到着するのを待っていたかのように敵さんが到着したらしく、岩かげを指さしたデフィア。そこをみると、いるわいるわ敵の大軍団。緑色の軍服がそれこそ草原のようになって移動してきている。キモッ!!

「じゃー仲間に被害が出ない内に先制攻撃と行きますか? ここもいつバレるかわからんしね」

 そういって俺が魔力を装填する部分に立つと二人も無言で頷き、イースはどこかに隠れ、デフィアはサイティングを開始する。

「敵の真ん中あたりにするか? それとも先頭集団か?」

「前者と後者の中間あたりだな。先頭集団よりちょっと後ろ辺り」

 こんな要求でもキッチリ狙える辺り、デフィアの経験を伺える。


「……よし、今だ!」

 デフィアが言った直後、俺は掌に溜めていた魔力を一気に充填し、トリガーを引く。一瞬だけバレルの先端から蒼い閃光が奔り、数瞬後敵集団の一部で爆発が起きる。

「よし、命中。いい腕だデフィア。さて、掩護射撃……といってもあの距離じゃ俺らしかできないか?」

「そうなる。イース、バックアップ頼むぞ」

 コツコツ、と壁を叩く音が聞こえる。了解、という意味だろう。

 比較的広い窓に俺含め総勢七名が一斉に射撃準備に入る。そこからは基本乱れ撃ちだ。ただし俺だけ。比較的魔力が高いデフィアだって、ずっと撃ち続けてたら流石に持たない。それではいざという時に意味が無いので、彼らはここぞというときにのみ狙撃する。あとはセーブしながらちょこちょこと。

「……待てよ? よし、ちょっとお前ら、二人一組作って」

 ある人物の伝承を思い出し、第六隊を三つに分ける。

「魔力回復は残量が多い程早い……なら、一つの組がそうだな、魔力が半分位になるまで撃ちまくれ。それでかなり長く持つだろ?」

 そう、ヒントにしたのは織田鉄砲隊! 三段式に構えさせて撃つ人、待つ人(籠める人)、籠める人で効率化を図ったアレ。

「な、なるほど……では魔力量が多い俺とコイツは最後にした方が良いな?」

「ああ。じゃ、撃て撃て!」

 ちなみに、俺はそう指揮している間も撃ち続けていた。いやあ、魔力無限って良いね! つい鉄の歯車でやっちゃうのと同じだね!


 バスバスと雷を収束して撃ちまくっていると、次第に先頭集団は他の隊が待ち構えているエリアに到着してしまう。ぶっちゃけ、もうちょい時間稼ぎと人数を減らすができると思って


いたが……しかも先頭集団中心に撃ちまくっていたのに……

 今回王国軍が出撃させることができたのは国王直属部隊総勢俺含め四九名、そしてその他約二百名、合計約二百五十名。対する魔王軍はというと目視でおおよそ……訳ワカンネ。とにかく一杯。多分数万人、つまり百倍位数に差があるのだ。いやぁ、歴史上で俺が知る限り、ここまで戦力差がある戦は知らん。いや歴史なんて俺はとっくに諦めているけど。

「さて、と。もういっぱつデカイの撃ったら打ち合わせ通り俺は降りて暴れてくるけどいいんだよね?」

 念のため確認をとるとデフィアはああ、とだけ頷いてレールガンのサイティングを始める。

「よし、大丈夫だ!」

「うっしゃ、デッカイ花火でも見物しとけ!!!」

 とりあえず次回に続きます。

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